「遅れの少ないスポーティなハンドリング」と「滑らかで収まりのいい、振動の少ない乗り心地」という背反する性能を両立したSUVがスバル レヴォーグレイバックだ。 高い走破性と実用性、さらに最新のアイサイトを手に入れたコストパフォマンスの高い車を、実車でチェック!!
※本稿は2023年9月のものです
文/諸星陽一、写真/奥隅圭之、SUBARU
初出:『ベストカー』2023年10月10日号
■「レイバック」って何??
乗り心地もスポーツ性も超高レベル!! レヴォーグレイバッグはクラスを超えたSUVだった!!
2023年9月に発表されたスバル レヴォーグレイバック
レイバックというネーミングは、「くつろぐ」、「ゆったり」、「リラックスできる」というレイドバッグという言葉からの造語。車名はレヴォーグレイバックが正式だ。
この車名からも想像できるようにレイバックはレヴォーグの派生モデルで、現状はレヴォーグ内の一グレードという存在でもある。かつてのレガシィアウトバックが、独り立ちしてアウトバックになったように、いずれはレイバックという車名になることも視野に入れているという。
ボディサイズをレヴォーグGT-H EXと比較すると、全長で15mm、全幅で10mm、全高で70mmのアップ。最低地上高は55mm高められた。ホイールベースは2670mmで同一である。
エクステリアの構成パーツで変更となっているのは、フロントバンパー・グリル、フロントフェンダー、サイドスカート、リアフェンダー、リアバンパー。ドアミラーの形状も新形となり、デザイン性、空力性能、視認性を向上。ホイールも新デザインのものとなる。
■閉鎖された公道で試乗!! レイバッグを丸裸に!!
足回りはクロストレックから流用しているが、車重やチューニングの違いか、前席&後席の乗り心地もよりしっとり感が強く感じられる
車高をアップしているので、乗降性は若干悪くなるはずだが、とくに不満はない。実はフロントシートクッションのサイドサポートを少し下げて、乗降性を向上させているのだ。細かい部分まで気を遣った設計だ。
ドライバーズシートからの風景はレヴォーグと大きな差はない。各種スイッチ類はわかりやすい配置で、センターには縦型の12.3インチモニターが鎮座し、存在感を感じさせる。
今回の試乗は新潟県佐渡島の中央付近にある、大佐渡スカイラインの一部を閉鎖して行われた。
試乗車はプロトタイプであり、ナンバーは取得していない。一般公道の路面で、プロトタイプを試せるというのはなかなか貴重な体験だ。セレクトレバーをDレンジに入れ、アクセルを踏んでいく。スタート地点はフラットではなく、なかなかの上り坂だが発進トルクに不満はない。1.8L水平対向4気筒ターボのスペックはレヴォーグと同様で177ps/30.6kgm。そのままアクセルを踏み加速していく。
Dレンジのままでも充分なのだが、せっかくのマニュアルモード付きなので、セレクトレバーを右に倒してマニュアルモードを選ぶ。
60km/h時だとメーター内の表示は「4」となる。レヴォーグのCVTは8段分割タイプなので、4段目あたりといったところだ。ステアリングの左パドルを引いて、「2」まで落とす。アクセル操作に対するクルマの動きが機敏になりコントローラブルになる。
■運転手だけじゃない!! 乗る人みんなが笑顔になれる車
快適でリラックスした空間を目指したインテリア。表皮にアッシュ系を取り入れ、カッパーステッチをアクセントにして独自の世界観を表現
車高が高い分、ロールは大きめとなるが、気になるレベルではなく充分に安定している。ステアリング操作に対するクルマの動きは適度な機敏さを持つ。
試乗した道路は道幅が狭いところもあり、左に寄せ気味で走るため、左にステアリングを切った状態から右に戻すような操作で、ときおり道路にはみ出した草を避けながらのコーナリングとなるが、動きが安定していてストレスがない。
さらに感心させられたのは路面が大きく沈み込み、サスペンションがフルストロークする場面だ。レイバックはその長いサスペンションストロークを生かして、しっかりと路面に追従する。この大きな入力の際もボディはビシッと引き締まったままだ。
全体を通して乗り心地は快適。不整路面に対する不安感もない。試乗時、担当編集の林氏がリアシートに乗る場面もあったが、彼のリアシートインプレッションでも乗り心地はいいものであった。
速度域は低いが、タイヤノイズや風切り音の処理もよく、エンジンや駆動系からの騒音もよく抑えられているので、静粛性も高い仕上がりだ。
■最新装備と安心の走行性能が魅力なレイバック
アイサイトXに、単眼カメラと緊急時通報システムを追加した3カメラ方式のアイサイトを搭載。安全性能も最高のものを提供
レイバックはモノグレード構成で、クロストレックと同じ3カメラ方式のアイサイトを標準装備。
ハーマンカードンの10スピーカーオーディオシステム、液晶メーターへのApple CarPlayアプリのナビ画面表示、リモートエアコン対応などのフル装備状態が標準で、オプション設定は革シート、サンルーフ、スマートリアビューミラーの3点のみ。
価格は発表されていないが、編集部によるディーラー取材で車両本体価格は300万円台後半で、乗り出しは400万円くらいになりそうだ。コスパはバツグンに高く、かなりの人気モデルになるだろう。
【番外コラム】島内をドライブして、スバルと佐渡の魅力を満喫!
佐渡のラピュタと噂される、北沢浮遊選鉱場跡をバックに撮影。たらい船や佐渡金山など島内は見どころ満載だ
今回の試乗会では佐渡島の島内をドライブするという企画もプログラムに含まれていた。
実は筆者、佐渡島は初体験である。地図を見て大きな島だとは思っていたが、東京23区の約1.5倍もの面積があり、本州最大の島であると聞いてびっくりした次第だ。ドライブの友となったのはクロストレックのAWD。筆者を含め男3人が乗っても、2Lハイブリッドのe-BOXERは佐渡島の道を力強く走ってくれた。
海岸線を走る道は海とかなり近い位置を流すことができる。海水面と道路の高さが近い所も多く、本州の海沿いとはちょっと違った感覚で爽快なドライブが楽しめる。
クロストレックの高めのドライビングポジションから得られる開けた視界は大きな魅力。写真には収められなかったが、幻の鳥と言われるトキを5羽も目撃することができた。
そんなゆったりドライブが楽しめる佐渡島だが、実はワインディングも楽しい。
佐渡島には1000m級の山もあり、変化に富んだ道路が点在する。島ということもあり、道幅が少し狭めだが、全幅1800mmのクロストレックなら、あまり狭さを気にせず走れる。運転も観光も楽しめる佐渡島。今まで未体験だったのがもったいないと感じた。
●スバル レヴォーグレイバック 諸元表
・グレード:Limited EX
・全長:4770mm
・全幅:1820mm
・全高:1570mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1600kg
・エンジン:1.8L、水平対向4気筒+ターボ
・最高出力:177ps/5200-5600rpm
・最大トルク:30.6kgm/1600-3600rpm
・トランスミッション:CVT
・タイヤ:225/55R18(オールシーズンタイヤ)
・WLTCモード燃費:未公表
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みんなのコメント
実際予約開始から1ヶ月以上経ちますが、メーカーからの受注台数の発表がないから、月販1300台目標に対して4、5倍の受注さえも出来てないのではないかと予想します。
知り合いのディーラーもスバル車からの乗り換え検討はあるが、他社からは皆無だと言ってましたし。
スバルは乗れば良い車ですが、逆に乗らないと分からないような点をアピールしたり、デザインセンスなさや極悪燃費のイメージが定着しているから、他社に対する相当の優位性がないと乗り換え促進は困難かなと。
燃費極悪のオイル漏れボクサーとECVTしかないスバルw