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ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップへ試乗 孤高のワンメイクレーサー 後編

タイヤが温まると全貌が見え始める

ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップのスリックタイヤを温めるべく、数周走り込むと、純粋なレーシングカーであることが見えてくる。公道用モデルをチューニングしたセブンではない。徐々に、セブンの攻撃態勢が整っていく。

【画像】ケータハム・セブン 420Rと170R スパルタンなスポーツモデルは他にも 全124枚

クルマを理解するほど、よりタイトに420R チャンピオンシップを運転できるようになる。このセブン自らも、求めていることのようだ。

過去にないほど激しく、ブレーキペダルを蹴飛ばす。ギリギリのポイントで。6速シーケンシャルMTで次々にギアをつなぎ、エンジンの回転に合わせて走行速度がダイレクトに高まる。

コーナーでは、アクセルオンのポイントを徐々に早めていける。周回を重ねるほど、タイヤの温度が上昇。1m、2m、3mと、4周前なら姿勢を乱していたであろうポイントに迫れる。

ハードコアなケータハム・セブンの全貌が見え始める。エンジンの熱を感じる。ノイズもうるさい。すべてが温まりきっていないようだが、圧倒するほどにエネルギッシュだ。

短いシフトレバーを手前側に引くだけで、シフトアップできる。低めに設定されたエンジンのレッドラインへ都度当たる。シンクロメッシュがないことで、メカの動作は一層滑らかだ。

前方を見ていても視界へ入るところに、変速タイミングを教えてくれるシフトライトが付いている。運転へ没入してしまう。バランスに優れ、正確に狙った通りのスピードを絞り出せる。

公道用セブンと異なるアグレッシブなマナー

アシストの付かないステアリングも、ペダルも、積極的な入力を受け付ける。ステアリングラックは、どんなケータハムよりクイックだという。

エイボン社製のスリックタイヤにも感服する。熱の入り具合が充分でなくても、公道用モデルでは考えられないようなグリップ力を生み出す。狙い通りの温度に上昇すれば、軽いシャシーと相まって、顔を剥がしそうな横Gにも耐えるのだろう。

もう少しダウンフォースがあっても良いかもしれない。だが、想像以上にグリップの抜けは漸進的だ。

420R チャンピオンシップのドライビング体験を掘り下げるなら、路面に限りなく近いシャシーを手懐けることが求められる。古いシングルシーター・レーサーのように、幅200のリアタイヤをある程度滑らせた方がタイムは縮まる。

カウンターステアに頼らず、パワーを掛けてコーナーの出口を目指す。この方が速いだけでなく、最高に楽しい。

公道用セブンとの1番大きな違いは、そのアグレッシブなマナー。だが、不用意に挙動が乱れることはない。ノイズが大きくグリップも甚大。ドライバーを喜ばせてくれる、表現力にも溢れている。

実際、筆者は比較的短時間のうちに自信を持って振り回すことができるようになった。優れたバランスを活かし、望み通りのドリフトも引き出せた。

試乗車には備わっていなかったが、リアにアンチロールバーを追加すれば、より手懐けやすくなるだろう。あるいは、スプリングマウントでクルマの角度を調整しても良い。同時にすると、尖った操縦特性にもなり得るが。

極上のサーキット体験を与えてくれる

当然ながら、セブン 420R チャンピオンシップの見事なサーキットバランスを得るには、それなりの価格も求められる。中古のポルシェ・ケイマンRと同等の予算が必要になるというが、サーキットで得られる充足感は比較にならないほど深いと思う。

ただし、その予算ならシリーズ3のロータス・エキシージ・カップも魅力的だ。独立懸架式サスペンションに、専用のラッピングも備わっている。よりエレガントだし、中回転域でのトルクを活かせる。そして、一般道も走れる。

このケータハム・セブン 420R チャンピオンシップは、完璧とはいえないかもしれない。だが、孤高のドライバーズカーとして、極上のサーキット体験を与えてくれる。セットアップの幅も極めて広い。

奥の深いサーキットマシンとして、ユニークで非常に惹かれる存在だと感じた。

ケータハム・セブン 420R チャンピオンシップ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万6495ポンド(約706万円)から
全長:3100mm(標準420R)
全幅:1575mm(標準420R)
全高:1090mm(標準420R)
最高速度:212km/h
0-100km/h加速:3.8秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:560kg
パワートレイン:直列4気筒1999cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:177ps/7300rpm
最大トルク:19.7kg-m/6100rpm
ギアボックス:6速シーケンシャル・マニュアル

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