2024年シーズンからヤマハへ加入したアレックス・リンスだが、これまでのところ苦戦が続いている。2023年に怪我をした足のせいではないかという声もあるが、その影響はないとリンスは説明した。
ヤマハは陣営として苦しい時期が続いているが、ファビオ・クアルタラロ以上に苦しんでいるのが新加入のリンスだ。先日行なわれたヤマハの母国戦である日本GPでもリンスは16位。最後に燃料切れに見舞われたクアルタラロ(12位/トップから32秒差)からさらに8秒差でのフィニッシュとなった。
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リンスはLCRホンダ時代の2023年イタリアGPでクラッシュした際に右足を骨折。長期欠場を強いられてしまい、さらに今でもその足を引きずっている様子が見られている。
そうしたこともあり、リンスは今も怪我の影響を受けてしまっているのではないか? そういった考えが浮かぶのは無理のないことだろう。
しかしリンスは、今のパフォーマンスレベルが、バイク以上に、”何か”の影響を受けていると誤解されてしまっていると感じている。つまり、足の影響は無いと彼は言っているのだ。
「世間は間違った思い込みをし始めていると思う」
リンスはmotorsport.comにそう語った。
「もし僕の左足が(怪我をした)右足と同じようなモノだったとしても、結果は同じだっただろうね。バイクに乗っているとき、足は全く影響していないんだ」
ヤマハはドゥカティから人材を引き抜きを実施するなど、復活を目指す変化の途上にある。
2025年にヤマハはプラマックを新たにサテライトチームに迎え、さらにV4エンジンの開発プロジェクトも進んでいる。2025年シーズンのどこかでこのV4エンジンのテストが行なわれることも期待されている。
ただ、リンスとクアルタラロの忍耐が限界に達している可能性もある。
「今年の終盤戦でV4エンジンが使えないのは明らかなことだ。上手くいけば、来年の中盤には登場してくるかもしれない。それまでに何かが必要だ」とリンスは言う。
「僕たちは重要な瞬間を迎えている。取り組みを進めていないというわけじゃないけど、正しい方向に進んでいない」
「どのレースでも僕の心拍数は190を下回らない。そして、トップからは40秒遅れになる。これが正しくない方向なのは明らかだ」
一方でヤマハはミサノ・サーキットで行なわれた第14戦エミリア・ロマーニャGPで、クアルタラロが燃料切れの問題さえなければ、5位という好結果を手にしていた可能性もあった。
しかしこれはマシンパフォーマンスが向上したというよりも、ミサノでの2レース目であること、テストも行なわれて走行を重ねていたことで、問題となりがちなリヤグリップを発揮させるための時間が十分あったからだと言える
さらにリンスは、クアルタラロ個人がミサノ・サーキットとの相性が良かったのだとも示唆した。
「ミサノで起きたことは、本当の意味での改善ではなかった。ファビオにとって、あのコースは僕にとってのオースティンみたいなものなんだ」
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