先日フランスのサルト・サーキットで開催された第92回ル・マン24時間レース。決勝には、ハイパーカークラスにA424LMDhで参戦するアルピーヌの応援団として、同陣営からF1に参戦するフランス人ドライバーのピエール・ガスリーが訪問した。
ガスリーは、レーシングスーツではなくカジュアルな格好でサーキットにいるのは「しっくりこない」と明かし、将来的なル・マン参戦にも野心を示した。
■F1ドライバーでも、ル・マン挑戦は一筋縄ではいかない? オジェ、挑戦を大歓迎も「簡単じゃないぞ!」
フランス出身のガスリーは、10代の大半をル・マンで過ごし、FFSA(フランスモータースポーツ連盟)の若手ドライバープログラムに参加。学業もル・マンで終えた。
2024年のル・マン24時間レースを観戦するためサルト・サーキットに戻ってきたガスリーは、レースを外から傍観することに何か違和感を覚えたという。
そしてル・マンのスターティンググリッドでEurosportのインタビューに応じたガスリーは、将来的には競争力のあるマシンと共にル・マンの総合優勝を目指して戦いたいと口にした。
「子どもの頃からの夢だと思う」とガスリーは語った。
「(地面を指さして)この背丈の頃から、このレースを観ていたんだ」
「僕はル・マンに5年間住んでいたし、ここで勉強もしていた。この街とサーキットにはとても親近感があるんだ」
「いつの日か、ル・マンで優勝することは夢だ。いずれ分かるよ。今のところ僕はF1に集中していて、そのこと(ル・マン)はあまり考えていない」
「でも今日、参戦している彼らを見ると、普通のスニーカーにデニムを履いているのはしっくりこない。だから、いつか良いマシンに乗ってル・マンに参戦できることを願っている」
ル・マンに参戦したいと公言するF1ドライバーはガスリーが初めてではない。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは複数チームから接触を受けたと明かし、フェラーリのシャルル・ルクレールも昨年フェラーリがル・マンを制したのを見て、いつかLMHでル・マンへ参戦したいと語っていた。
しかし近い将来、現役F1ドライバーがル・マンに参戦することは難しい。実際、来年の第93回ル・マン24時間レースはF1カナダGPと同じ週末に開催される。
ル・マンは過酷なスケジュールと変わりやすい天候が相まって、モータースポーツカテゴリーの中でも最もハードなレースのひとつと呼ばれ、ガスリーはル・マンに参戦するドライバーを「尊敬している」と語った。
「魅力的だ」とガスリーは言う。
「ル・マンの話はしていたし、実際ここでレースをしている友人も沢山いる。グリッドに立って、レースで戦った仲間たちと再開できるんだから、なおさらクールだね」
「午前4時に1時間の睡眠で走る……絶対小雨が降ってくるし、状況はかなりエクストリームだ」
「(ル・マン参戦ドライバーに)敬意を払わなければならないと思う。レーシングドライバーとして、それがどれだけ大変なことなのかを本当に理解しているし、大変なことだから、TVで観ている人たちにも同じように理解してもらいたい」
「1時間半集中するのも大きなチャレンジだけど、24時間フルで集中して、マシンを共有するのは……彼らは存在自体が1番の説明になるけど、僕は彼らを尊敬している」
なおアルピーヌは今季の世界耐久選手権(WEC)シーズン序盤から、有望なペースを示していたものの、ル・マンでは最初の6時間で投入した2台両方にエンジントラブルが発生。ダブルリタイアとなった。
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