現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ナイスアイデア! 今に続くデザインやコンセプトの先駆者といえる車5選

ここから本文です

ナイスアイデア! 今に続くデザインやコンセプトの先駆者といえる車5選

掲載 更新 1
ナイスアイデア! 今に続くデザインやコンセプトの先駆者といえる車5選

■先駆者となったクルマを振り返る

 現在、日本の自動車市場で人気のモデルといえば、軽ハイトワゴン/トールワゴンやクロスオーバーSUVが挙げられます。また、ミニバンやコンパクトカーはもはや定番のクルマとして定着している状況です。

4000ccクラスの加速力! ターボ搭載の激速「マツダ3」が発売

 こうした人気車には、必ず始まりとなった先駆者が存在します。一方、そうして誕生したモデルでも、当時はあまり評価されずに消えたモデルもあります。

 そこで、今に続くデザインやコンセプトを先取りしたようなクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「セリカ」

 トヨタはマイカー時代の到来に向けた大衆車、初代「カローラ」を1966年に発売しました。目論見どおりカローラはヒットし、その後は日本の自動車市場でもニーズが多様化します。

 そして1970年には、若い世代に向けたスペシャリティカーの初代「セリカ」が誕生。

 当初ボディタイプは2ドアハードトップクーペのみでしたが、後に「リフトバック」と呼称された3ドアハッチバックが追加されます。

 丸目4灯のヘッドライトを配置したフロントフェイスは、カローラシリーズとは異なるシャープな印象で、抑揚のあるリアフェンダーのラインと小ぶりなキャビンによって、洗練されたサイドビューを実現。

 また、初代セリカは「フルチョイス・システム」という、量産車としては画期的なセミオーダープランを展開しました。

 現在、欧州メーカーを中心に高額な高級車では珍しくないセミオーダープランですが、比較的リーズナブルな価格の初代セリカでおこなったのは異例だったといえます。

 具体的には外装が4種類、エンジンが4種類、トランスミッションが3種類、内装が9種類用意され、ユーザーが好みの1台に仕立てることができる(GTグレードは専用のDOHCエンジンとトランスミッション、内外装のみ)システムが構築されていました。

 塗装や各種オプション品を合わせると選択肢は数百万通りにもおよび、仕様が決まるとディーラーに設置された専用端末から工場に直接オーダーできたといいます。

 オーダーから最短で8日、平均10日から11日で、顧客のオーダーどおりのクルマの納車が可能でした。

 しかし、実際には値引きや納期の関係で、それほど自由に組み合わせを選ぶことができないという声が上がり、オーダーの内容に偏りがあったことなどから、モデルライフの途中でフルチョイス・システムは廃止されてしまいました。

●ホンダ「ライフ ステップバン」

 近年、日本でもっとも売れているクルマといえば、軽ハイトワゴン/トールワゴンですが、その元祖といえるモデルはおよそ50年前に誕生した、ホンダ「ライフ ステップバン」ではないでしょうか。

 ホンダは1971年に、大ヒットを記録した軽乗用車「N360」シリーズの後継車として、水冷エンジンを搭載した初代「ライフ」を発売。

 このライフのコンポーネンツを使って、1972年に派生車としてバンタイプのライフ ステップバンが誕生しました。

 外観は背が高いボクシーなフォルムで、極端に短いボンネットがあるセミオーバーキャブのスタイルです。

 一般的な軽ワンボックスバンでは、フロントシート下にエンジンを置き後輪を駆動するFRが主流でしたが、ライフ ステップバンはFFを採用。プロペラシャフトが不要となり、フロア高を下げることで荷室容量を拡大しました。

 ライフ ステップバンは、後部ドアにヒンジドアを採用している以外は現在の軽ハイトワゴンと同様なディテールを確立しており、当時としてはかなり斬新なデザインでした。

 さらに1973年にはライフ ステップバンをベースにした軽トラックの「ライプ ピックアップ」が登場。こちらもかなりユニークなスタイルの軽トラックです。

 しかし、1974年にホンダは登録車の開発、生産に注力するため、軽トラックの「TN」シリーズを除く軽自動車の生産から撤退することになり、ライフ ステップバン/ピックアップは短命に終わりました。

 商用バンとしてはヒット作にならなかったライフ ステップバンでしたが、生産を終了してから若者を中心に再評価され、レジャーカーとして中古車は高い人気を誇りました。

●日産「エクサ」

 1978年に誕生した日産初代「パルサー」は、次世代のFFベーシックカーとして開発されました。1982年には2代目が登場し、スポーティな2ドアクーペの「パルサーエクサ」が加わります。

 そして、1986年のフルモデルチェンジの際にクーペは「エクサ」に改名され、独立した車種に昇格しました。

 エクサのボディは3ドアハッチバッククーペですがリアハッチが2種類あり、ひとつは「クーペ」で、もうひとつはステーションワゴンのようなスタイルの「キャノピー」をラインナップ。

 どちらのタイプもリアハッチの取り外しが可能で、リアシート側をオープンにすることができ、フロント部分の屋根もTバールーフになっていたので、オープンエアドライブが楽しめました。

 さらに、日本仕様のエクサではクーペとキャノピーでリアハッチの互換性がなく、法規的に載せ替えることが出来ないようになっていましたが、海外仕様では互換性があり着せ替えが可能でした。

 なお、こうしたボディ外装の着せ替え機能は、1999年発売のダイハツ「ネイキッド」では一部のパーツが可能で、現行モデルの2代目「コペン」ではボディパネルで実装されており、エクサはまさに先駆者だったといえます。

■今に続くSUVの先駆者だった2台とは?

●スズキ「エスクード」

 スズキの現行ラインナップにあるコンパクトSUVの「エスクード」は、1988年に初代が誕生しました。

 初代エスクードはラダーフレームにボディを架装する構造で、リアサスペンションにリジッドアクスルを採用するなど、本格的なクロカン車といえるモデルです。

 一方、外観は2ドアのハードトップとソフトトップをラインナップし、前後ブリスターフェンダーを採用するなどスタイリッシュなフォルムは都会的なクロスオーバーSUVの要素をいち早く取り入れていました。

 その後、1990年にはロングホイールベース仕様の4ドアモデル「エスクードノマド」を追加ラインナップし、使い勝手の良さを向上しました。

 搭載されたエンジンは当初は1.6リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、後に2リッター直列4気筒ディーゼルターボや、2リッターと2.5リッターのV型6気筒ガソリンを設定することで高速性能を向上。駆動方式は全車パートタイム式4WDです。

 初代エスクードはクロカン車ながら現在のSUVと同じくシティユースをメインとするユーザーが多く、後のトヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」誕生の礎になったといえるでしょう。

●スバル「レガシィ グランドワゴン」

 現在、SUVの人気が高まっているなか、既存のモデルをSUVに仕立てる手法が広く浸透しています。その先駆け的存在といえるのが、1995年に登場したスバル「レガシィ グランドワゴン」です。

 ベースは2代目レガシィ ツーリングワゴンで、もともとは1994年に北米市場向けに既存のレガシィをベースに内外装をSUVテイストとした初代「アウトバック」の日本版として開発されました。

 ボディはツーリングワゴンに準じていますが専用サスペンションによって最低地上高が200mmまで上げられ、専用デザインのフロントグリルと前後バンパー、サイドプロテクターなどを装備し、ボディ下部をグレーに塗装した2トーンカラーとすることで、SUVらしさを表現しています。

 エンジンは最高出力175馬力の2.5リッター水平対向4気筒自然吸気のみで、トランスミッションは4速ATのみが設定されるなど、ロングツーリングでの性能を重視。

 一方、駆動方式はフルタイム4WDで、リアにビスカスLSDとオールシーズンタイヤが標準装備されるなど、悪路での走破性を向上させています。

 アウトバックはアメリカで大ヒットし、日本でも新ジャンルのステーションワゴンとしてヒットしました。

 その後、国内モデルは車名が「レガシィ ランカスター」となり、2003年には「レガシィ アウトバック」に変わって、国内向けの生産は終了していますが北米市場では2019年に6代目が登場しています。

 既存のステーションワゴンをクロスオーバーSUV仕立てたスバルの手法は、他メーカーにも大きな影響を与え、同様のモデルは欧州メーカーを中心に定着しました。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種以外にも、1982年に誕生した元祖和製ミニバンといえる日産初代「プレーリー」があり、まさに現在のミニバンの要素を備えていました。

 近年、こうしたエポックメイキングなクルマが登場することはまずありません。それほどまでに自動車の進化は成熟の域に達したといえるでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
  • エスクードはジムニー譲りの本格クロカンで、
    むしろSUVに近いのはトヨタのスプリンターカリブ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

100.8165.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1140.0万円

中古車を検索
ライフの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

100.8165.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1140.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村