2020年には数々の新型車が登場した。なかでも特に自動車ファンに注目されたのが、スバル レヴォーグのフルモデルチェンジだ。
本稿では、日本カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた新型レヴォーグを、今までのモデル=従来型と比較。今年のハイライトともいうべき新車の進化度を、項目ごとに見ていきたい。果たしてレヴォーグはどれだけ進化したのか?
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文:渡辺陽一郎
写真:SUBARU
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■レガシィTW後継として誕生したレヴォーグも2代目に突入
新型レヴォーグは2020年10月に発表された。エンジンやプラットフォームを刷新して、アイサイトも進化させた
先代(初代)レヴォーグは、レガシィツーリングワゴンの後継車種として2014年に発売された。今はワゴンの車種数が大幅に減ったから、ミドルサイズのレヴォーグは貴重な存在だ。
新型はこの位置付けを変えず、エンジンやプラットフォームを刷新して、安全装備のアイサイトも進化させた。フルモデルチェンジの内容はさまざまだが、新型レヴォーグは広範囲にわたって機能を向上させている。
ボディサイズは全長が65mm長い4755mm、全幅は15mm広い1795mmだ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も20mm伸びて2670mmになった。最小回転半径は5.5mだ。先代型の1.6Lは5.4m、STIスポーツと2Lが5.5mだったので、新型は若干大回りになる。斜め後方の視界も少し悪化したので、車庫入れや縦列駐車ではマイナスになった。
その替わりホイールベースの拡大により、前後席に座る乗員同士の間隔は25mm広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ半の余裕がある。背の高い同乗者も快適に乗車できる。
11.6型のセンターインフォメーションディスプレイは視認性が抜群
インパネの機能も向上した。標準装着あるいはメーカーオプションとして設定される11.6インチセンターインフォメーションディスプレイは、大型で視認性と操作性が良い。各種の情報を表示できる。
12.3インチフル液晶メーターも採用した。速度計とエンジン回転計を大きく示すノーマル画面のほか、アイサイトの作動を中心に表示したり、地図画面を選ぶことも可能だ(縮尺の切り替えはできない)。これらの機能は新型になって採用され、進化度も大きい。
運転席のフル液晶メーター。ここにアイサイトの作動状況が表示される
■基本となるエンジンと車体の進化度は?
新開発の1.8Lターボ“DIT”エンジン。JC08モードで16.6km/Lと、先代の1.6Lターボ車よりも燃費を向上された
エンジンは新開発された水平対向4気筒1.8Lターボを搭載。先代型が搭載した1.6Lターボと2.0Lターボの中間的な性能だ。運転すると、アクセルペダルの踏み方を一定に保っても、エンジン回転の上昇に従って加速が活発になる。
このあたりは自然吸気に近い印象だった先代型の1.6Lターボよりも、2.0Lターボに近い。開発者は「違和感が生じない範囲で、ターボの力強さを表現した」と述べた。このエンジンフィーリングも中間的といえるだろう。
燃費性能をJC08モードで新旧比較すると、先代型は1.6Lが16km/L、2.0Lは13.2km/Lだった。新型は「GT」と「GT・EX」が16.6km/L、それ以外のグレードは16.5km/Lだから、先代1.6Lに比べると動力性能と燃費を両方ともに向上させた。
走りの機能で最も注目されるのは、現行インプレッサから採用を開始した新しいプラットフォームに、フルインナーフレーム構造などを組み合わせたことだ。ボディ剛性が格段に向上して、軽量化も達成されている。
この効果はさまざまな場面で感じられる。まずはカーブに入る手前で、ステアリングホイールを回し始めた時だ。先代型も不満はなかったが、新型では正確性が向上した。操舵角に応じて車両が確実に内側を向く。正確性を高めながら、過度に機敏な設定にはしておらず、スバル車らしいバランスの良さも大切にした。
カーブを曲がり始めると、先代型に比べて車両を内側へ向けやすい。先代型も曲がりにくい印象はなかったが、走行安定性を確保するために、後輪の接地性を優先させていた。そこが新型では良く曲がるスポーティな印象になった。
ボディやサスペンションの取り付け剛性を高めた効果もあり、カーブを曲がっている時にアクセルペダルを戻すことにより、車両をさらに内側へ向ける操作も可能だ。この時の挙動変化は穏やかだから不安はない。奥の深い操舵感覚を身に付けた。
■注目はSTIスポーツ! 乗り心地も大きく改善
STIスポーツの魅力はドライブモードセレクトにある。コンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ+の4種類を切り替えることができる
STIスポーツにも注目したい。ドライブモードセレクトが標準装着され、コンフォート/ノーマル/スポーツ/スポーツ+に切り替えられる。これに基づいてショックアブソーバーの減衰力、4WDシステム、パワーステアリングなどの制御を変更する仕組みだ。
「スポーツ+」を選ぶと、文字通り各種の機能がスポーツ指向を強め、機敏に曲がって前述のアクセル操作による挙動のコントロールも一層容易になる。
新型は走行安定性を向上させる一方で、足まわりを正確に動かすことにより、乗り心地も向上させた。細かな路上のデコボコを伝えにくく、大きな段差を乗り越えた時の突き上げ感も抑えた。走行安定性と乗り心地をバランス良く向上させている。
レヴォーグはステーションワゴンだから、SUVやミニバンに比べると重心が低い。もともと前後左右に振られにくいことから走行安定性と乗り心地が優れていたので、今回のフルモデルチェンジが、さらに優れた効果をもたらしている。
■話題のアイサイトXはどれだけ進化?
新世代のアイサイトでは、肝となるステレオカメラを刷新。カメラのカバー範囲が圧倒的にワイドになるなど、大幅な性能向上を実現
装備ではアイサイトの進化に注目したい。センサーのステレオカメラを刷新して、前側方レーダーや反応の素早い電動ブレーキブースターを組み合わせた。自車が右左折する時に、対向車や歩行者も検知して衝突被害軽減ブレーキを作動できる。横断する自転車にも対応した。
左右の見通しの悪い交差点では、前側方レーダーにより、ドライバーの死角に入る左右方向から接近してくる車両にも反応する。衝突被害軽減ブレーキだけでは事故を避けるのが困難な時は、パワーステアリングを制御する機能も備わる。
運転支援機能としてはアイサイトXも採用した。自動車専用道路において、0~50km/hの範囲では、手離し運転が可能になる。
それでもドライバーが周囲の交通環境を把握しておくことは不可欠だから、ドライバーモニタリングシステムが採用され、居眠りや脇見をしていると警報を発する。警報に反応しない場合、ドライバーに異常が生じたと判断して、ハザードランプやホーンを作動させながら自動的に停車させる機能も備わる。
通信機能も用意され、緊急時にはSOSコールを発信したり、エアバッグが展開するような事故では、自動的にコールセンターへ通報する。今後はアイサイトXが異常を検知した時も、コールセンターへ自動通報される機能を確立させると安全性が一層高まる。
開発者は「システムを別々に開発したから、今のところ連携していないが、今後は検討したい」と述べている。
◆ ◆ ◆
以上のように新型レヴォーグは、さまざまな機能を向上させた。価格は「GT」が310万2000円、アイサイトX/11.6インチディスプレイ/通信機能などを備えた「GT・EX」は348万7000円だ。
先代型の1.6GTアイサイトスマートエディションが300万3000円だったことを考えると、機能や装備と価格のバランスでは新型が割安になる。進化度はきわめて大きい。
◆現行型を100点とした場合の新型の進化度:150点
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