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1戦限りの2021年TCR NZは、ヘイデン・パッドンが勝利を飾るもタイトル獲得はならず

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1戦限りの2021年TCR NZは、ヘイデン・パッドンが勝利を飾るもタイトル獲得はならず

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の余波で、わずか1戦限りの“年1”開催となったTCRニュージーランド・シリーズの初年度イベントが実施され、元WRC世界ラリー選手権の優勝経験者ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi30 N TCR/パッドン・ラリースポーツ・グループ)が、予選で幸先良くポールポジションを獲得した。しかし、レースではトラブルに見舞われ、わずか1勝止まりに。代わってアウディRS3 LMSを駆るクリス・ヴァン・デル・ドリフト(トラック・テック・レーシング)が3戦2勝を挙げ、初代チャンピオンの座を手にしている。

 4月24~25日の週末にオタゴ地方クロムウェルにある、ハイランズ・モータースポーツパークでの初開催となったTCRニュージーランドは、本来なら「参戦予定はなかった」と語る元WRCレギュラードライバーが予選を制圧。「1戦限定の開催と言われたら、グリッドに並ばないのは失礼だと思った(笑)」と冗談混じりに語ったパッドンが1分12秒422を記録して、レース1に向けた最前列を確保した。

シングルイベント化のTCRニュージーランドに、WRC経験者のヘイデン・パッドンが参戦表明

 同じくパッドン率いるパッドン・ラリースポーツ・グループ(PRG)所属のジェイデン・ランズレーが、2013年開設の特徴的な立体交差を持つトラックでスピードを見せ、代表より0.286秒遅れの2番手に。その後方にはレーサー・プロダクツ・チームのジーン・ロリンソンが同じく0.317秒差の3番手につけるなど、ヒュンダイi30 N TCR勢がワン・ツー・スリー体制を築いた。

「まずは良いセッションだった。やるべきことはまだたくさんあるが、週末を始めるにあたって、この予選結果は良い方法だと思う」と上機嫌で振り返ったパッドン。

「参戦する8台のタイム差はとても接近していて、すべてのマシン間の差は約1秒にも満たない。これこそTCR全体の精神で、すべての人々のゲームでもあるんだ」と続けたパッドン。

 4番手にはチーム・ウイリアムズ・レーシングのFK8ホンダ・シビック・タイプR TCRで参戦のジョーダン・ミシェルズが続き、隣国オーストラリアではV8スーパーカー時代の英雄であるグレッグ・マーフィーが、アウディ陣営のトラック・テック・レーシング勢最上位となる3列目5番手に。

 その同僚のヴァン・デル・ドリフトとラクラン・フィッツジェラルド・サイムズが6番手、7番手に続き、1990年代初頭の世界ツーリングカー・カップで連覇を達成したポール・ラディシッチ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)は、パッドンから1.1秒差の8番手となった。

 明けた日曜の午前9時からスタートしたレース1はいきなりの波乱となり、フォーメーションラップでパッドンのヒュンダイに異変が生じ、ドライブシャフトの破損で緊急ピットを強いられる事態に。

 この不運を受け、パッドンのいない先頭を守りたかったランズレーだが、レインタイヤを履くウエットパッチ上でのバトルでは『バサースト1000』で4勝を誇るマーフィーの速さに太刀打ちできず、アウディがレース全域で首位を守り続ける。

 しかしレコードラインが乾くと後続のアウディも勢いを取り戻し、マーフィーをパスしたヴァン・デル・ドリフトが20秒以上も独走するギャップを築き、6番手からの大逆転でTCRニュージーランド最初の勝利を獲得。ロリンソンのヒュンダイにもかわされたマーフィーは最後の表彰台となる3番手を死守してフィニッシュを迎えた。



■バサーストの英雄と元ツーリングカー世界王者が交錯、Wリタイアに

 続く26周のレース2は、この上位3名がそのままポジションを守り抜いてレースを終え、ヴァン・デル・ドリフトが今度は0.535秒の僅差で2連勝を達成。一方、マシン修復を終えたパッドンは最後尾から4位まで巻き返してチェッカーを受けた。

 これでロリンソンに対し16点差の選手権首位としてレース3に挑んだヴァン・デル・ドリフトだったが、この最終ヒートは序盤からアクシデント満載の荒れた展開となり、まずは"バサーストの英雄"マーフィーと"元ツーリングカー世界王者"のラディシッチが激しいコンタクトでサスペンションを損傷し、ともにリタイヤに。

 そしてタイトル候補のロリンソンはヒュンダイi30 N TCRのヘッドガスケットが吹き飛び、まさかの戦線離脱。これでチャンピオンは確実かと思われたヴァン・デル・ドリフトのアウディにも異変が襲い、RS3 LMSのギアボックスは5速にスタックされた状態となってしまう。

 しかし、マシンをゴールまで運んでポイント加算の可能性を目指したヴァン・デル・ドリフトは、ライバルを横目にスロー走行でトラックを周回。これにより、初戦をトラブルで失っていたパッドンが僚友ランズレーを引き連れて首位チェッカー。PRGがワン・ツーを達成し、からくも5位フィニッシュのヴァン・デル・ドリフトが199点を獲得して初代TCRニュージーランド王者の座に輝いた。

「最後のレースは本当にストレスフルな状況だったよ」と、まさかの展開にも冷静な対処でタイトルを手繰り寄せたヴァン・デル・ドリフト。

「ジーン(・ロリンソン)とのギャップを管理するだけだと念じていたが、橋を超えたところで5速から動かなくなった。無線ですぐに異変を伝えたけど、マシンを失速させないようにする以外、僕にできることはなかった。そこから最後の数分は、他に何も壊れないよう祈りながらゆっくり周回し続けたよ」とヴァン・デル・ドリフト。

 この最終ヒートで3位表彰台を獲得したホンダ・シビックのミシェルズがランキング2位に浮上し、週末は表彰台のなかったサイムズが総合3位で初年度を終えている。

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