フルモデルチェンジした新型スズキ「アルト」に小川フミオが試乗した。日本を代表するベーシック・カーの進化とは?
老若男女、誰にでも
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コンパクト・カーには、作られた国が有する独自の環境や社会、文化がいまも色濃く反映されていて興味深い。スズキが2021年12月22日に発売した新型「アルト」もしかり。細かい心くばりで作りあげられた最新のコンパクト・カーは、日本にぴったりな1台だ。
新型アルトは、657ccの直列3気筒ガソリン・エンジン搭載の軽規格の乗用車だ。全長3395mm、全高1525mmのボディは、従来型に対して50mm高く、室内髙も45mm高くなった。
見た目の印象は、従来と比べグッと“キュート”。従来のアルトは、シャープなラインで構成されたスタイリングで、私の印象では、1970年代後半から1980年代にかけての、イタリアのコンパクト・カーを連想させた。
従来型のアルトも、それなりに個性があって、かつ、スポーティな雰囲気を身にまとっていた。が、実際のところ、それが災いしてか、販売面ではテコ入れする必要があったとか。
今回は、「老若男女だれでも乗っていただけるクルマをめざしました」と、スズキで商品企画を担当する前田敦彦さんが、試乗会場で教えてくれた。
力強い発進加速
全体として“ソフト”になった新型アルト。製品戦略上、従来あったスポーティなRSモデルは、今回は企画されていないそうだ。昨今のアルトといえば、ちょっと前のイタリア製ホットハッチを思わせる元気っぷりに好感がもてたものの、すでに過去の話となってしまった。
あたらしいアルトの特徴は、環境性能と操縦安定性、そして乗り心地の向上にある。メーカーは、もっといろいろ挙げているが、私が試乗して感じた印象のリストのトップにくるのは、上記のものだった。
環境性能では、マイルド・ハイブリッド・システム搭載モデルの設定が注目点だ。発進時にエンジンのトルクを補うため、小さな電気モーターがベルトでクランク軸にトルク(力)を足す。
結果、そんな大きくないエンジンだけれど、期待以上にスムーズな発進が味わえる。ほんの少しアクセルペダルを踏むだけで、「おっ!」というぐらい、力強い発進加速をみせてくれるのだ。
エンジン・サウンドと、CVTという円錐形にベルトをかけて変速比をかえていく変速機の音は、ちょっと大きめだ。酔い痴れるような音ではないので、快適に運転するコツは、アクセルペダルを強く踏み込まず、アイドリング回転の少し上のトルクを利用して、走ることだ。それだけでもけっこう力強い。
内燃機関のエンジニアはがんばっている
操縦性のよさは、先代からのシャシーを流用しつつ、ねじり剛性を5%向上するなどした改良によるそうだ。不整がある路面でも乗員は意外なほど揺さぶられない。カーブを曲がるときの身のこなしは俊敏だった。
意外だったのは、かまぼこ型とでも表現できそうな、正面からみると円弧を描いているルーフ形状が、ボディの建て付けに貢献しているという。スズキのエンジニアのかたが教えてくれた。
当初私は、丸っこいルーフにプレスドアといって、ボディ板をくりぬいてはめこんだようなドアは、デザイン上の遊びかな? と、思った。
シャープな印象は確実に丸まっている。ところが、実際にはそうでなく、本形状によって、ボディ剛性が高まったのだ。
ステアリングは、広いユーザー層を念頭に、ちょっと“なまくら”に仕立ててあるそう。もうすこし反応をクイックにすると、運転が楽しいクルマになっただろうに……私はその点が少々残念だった。
イタリアとかだったら、運転が楽しいクルマこそ、ある種の“回春剤”として重用されるはずだ。
燃費性能は驚くばかりだ。今回乗った「ハイブリッドX」の前輪駆動では、リッターあたり27.7kmも走るという(WLTCモード)。通常のエンジンの4WDというもっとも燃費にはきびしい仕様でもリッター23.5kmも走ってしまうのだからすごい。
EV(電気自動車)前夜などといわれる昨今でも、内燃機関のエンジニアはがんばっている。そこがわかるのも、あたらしいアルトの魅力といっていいだろう。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹
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みんなのコメント
撮影のロケーションや背景も、写真のテクニックや手間暇も。。
そのあからさまぶりがダセェんだよ、GQ。