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ランボルギーニ「ウラッコ」は3年前なら700万円! 元祖「スモールランボ」は70年代の子どもたちのアイドルだった!?【スーパーカー列伝16】

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ランボルギーニ「ウラッコ」は3年前なら700万円! 元祖「スモールランボ」は70年代の子どもたちのアイドルだった!?【スーパーカー列伝16】

V8ミッドシップ2+2のスーパーカーとして登場

1970年代中ごろ、子どもたちの周りにあるさまざまなモノがクルマ関連グッズと化した空前絶後の「スーパーカーブーム」。当時の子どもたちを熱狂させた名車の数々を振り返るとともに、今もし買うならいくらなのか? 最近のオークション相場をチェック。今回はV8エンジンをミッドシップしたスモールランボ、「ウラッコ」です。

「ミウラ」とのたった15分のランデヴー。フェラーリにはなかった瞬発力を当時のランボルギーニはたしかに持っていた【クルマ昔噺】

年間2000台の量産を目指したランボルギーニの野心作

スーパーカーブーム全盛時はV型12気筒エンジン搭載車が花形で、空冷水平対向6気筒エンジンをリアエンドに積んでいるポルシェ「930ターボ(=911ターボ3.0)」やV型6気筒エンジンをミッドシップの位置に搭載している「ディーノ」やランチア「ストラトス」は明らかに助演といった印象であった。

V型8気筒エンジンを積んでいるスーパーカーも脇役扱いだったが、6気筒エンジン搭載車と同じように8発勢にも魅力的なモデルが数多く存在していた。スタイリッシュかつマニアックなスーパーカーも複数リリースされ、当時の子どもたちを熱くさせた。

V8スーパーカーの正統派がフェラーリ「308GTB/GTS」だったとすると、スタイリッシュ/マニアック路線スーパーカーの中で最も注目されたといえるのが、実用的なピッコロ・ランボルギーニとして1973年にリリースされた「ウラッコ」だ。「シルエット」や「ジャルパ」といったV8ミッドシップ2シーターモデルの始祖となったウラッコは、年間2000台を生産する計画で開発がスタートした意欲作。ポルシェ「911」シリーズが開拓した2+2スーパーカーのマーケットを狙ってランボルギーニが投入したモデルである。

スーパーカーカードでは「当たり」の存在だった

「ミウラ」や「カウンタック」といったV型12気筒エンジン搭載車にばかり目が行っていた子どもたちは、ランボルギーニ初のV8ミッドシップ2+2モデルのスペックを見て「へぇ~、エンジンが8発で、シートが4つあるランボもあるんだ!」とエラく感心したのだった。

そして、当時は財政的に厳しくなってきたランボルギーニが新たなビジネス展開としてウラッコの量産化を目論んだ……といったような誕生の背景が分からなかったので、「マルチェロ・ガンディーニがデザインしたウラッコもカッチョイイなぁ~」と無邪気に歓喜。ブラインドパッケージになっているスーパーカーカードにおいてもウラッコは当たりの1枚で、子どもたちはゲットできたことを素直に喜んだ(地域によって温度差はあります)。

安価量産プロジェクトは失敗するも残した影響は大きい

実際にはランボルギーニの本丸となるトラクター製造業が不振となったことで生産のオートメーション化を図れず、普及版スーパーカーのウラッコが量産されることはなく、軍資金の欠如によって工場への初期投資を行えなかった影響もあって高性能でありながら低価格という目標も実現しなかった。ウラッコはランボルギーニが大量生産メーカーへの転身を企ててリリースした野心的なモデルだったが、高価であったことが災いし、結局2.5L/220psの「P250」が520台、3.0L/250psの「P300」が194台、2.0L/182psの「P200」が66台しかラインオフしなかったといわれている。

V8ミッドシップ2+2モデルの安価量産プロジェクトは失敗に終わったが、ランボルギーニのライバルであるフェラーリがウラッコのコンセプトを参考とした「ディーノ308GT4」を後年リリースしたので、フィアットのような実用重視パッケージで造られたウラッコが、スーパーカーブーム全盛時の子どもたちと他メーカーのエンジニアに与えた影響は大きかったといえるだろう。

2020年にはわずか710万円と格安で落札されたが……

ランボルギーニの狙い通りに生産計画が進展せず少数しか生産されなかったが、ウラッコP250もオークションに登場することがあり、2020年6月にドイツでRMサザビーズが開催した「PETITJEAN COLLECTION」を中心としたオークションでは、1974年式ランボルギー・ウラッコP250Sが5万8300ユーロ(当時レートで邦貨換算約710万円)で落札されている。

13年間ワンオーナーで管理されていた個体であり、わずか1670kmしか走行していないエンジンに交換済みとのことなので、このウラッコP250を手に入れられたオーナーは超ラッキーといえる。

ちなみに2021年6月にフロリダで開催されたRMサザビーズオークションにも1975年式ウラッコP250が出品され、15万~17万5000ドルのエスティメート(推定落札価格)が付いたものの、流札となっている。

現在は売り物が皆無に近い状態なので、もしもオークションに出てきた場合は、もっと高価で落札されるだろう。

■スーパーカー列伝の過去記事はこちら

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