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予選最速のラファエル鈴木がまさかの失格。フィッティパルディはトヨタ勢最上位の7位/SCB第7戦

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予選最速のラファエル鈴木がまさかの失格。フィッティパルディはトヨタ勢最上位の7位/SCB第7戦

 7月30日~8月1日の週末に続き、パラナ州クリティバで2週連続開催となったSCBストックカー・ブラジルの第7戦は、トラック外周路を利用した超高速“トウ”バトルを制し、キャリア初ポールポジションを獲得した日系ドライバー、ラファエル鈴木(フルタイム・バッサーニ/トヨタ・カローラ)が「燃料規定違反により」まさかの失格処分に。代わって、シボレー陣営の強豪ユーロファーマRCのダニエル・セラ(シボレー・クルーズ)とアッティラ・アブレウ(シェルVパワー/シボレー・クルーズ)がそれぞれ今季3度目と2度目の優勝を手にしている。

 また、TOYOTA GAZOO Racingブラジル(TGRブラジル)の一員としてシリーズデビューを果たしたピエトロ・フィッティパルディ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)は、最初の公式練習でいきなりトップタイムを叩き出す速さを披露し、決勝ではレース2でトヨタ勢最上位となる7位に入賞。同じくこれが2戦目となった“ドゥドゥ”ことエドゥアルド・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)も8位に続いている。

SCB第6戦はシボレーの強豪ユーロファーマRCが1-2達成、トヨタのカミーロも今季2勝目を記録

 ブラジルでは父の日(8月第2週の日曜)となる8月7~8日に開催されたSCB第7戦は、これまでシリーズでも開催実績のあるアウトドローモ・インターナショナル・デ・クリティバの外周を採用した超ハイスピードのコース設定に。

 そんななか、シリーズ初参戦で自身初の“ティントップ”カローラをドライブしたピエトロは、偉大な祖父エマーソンを筆頭としたファミリーの血筋を見せつけ快走。参戦31名中29名が秒差圏内という壮絶な接近戦となったFP1で49秒941を記録し、トップタイムのセッションデビューを飾った。

 そのFP1は2番手にカバレイロ・スポーツのマルコス・ゴメス(シボレー・クルーズ)を挟み、3番手には2014年シリーズチャンピオンのルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)、4番手にその息子“ドゥドゥ”も続き、まずはTGRブラジル勢がタイムボードの上位を占める滑り出しとなった。

 しかし土曜午前のFP2で微調整を図ったシボレー陣営も巻き返し、前週フルコースレイアウト戦勝者のリカルド・マウリシオ(シボレー・クルーズ)以下、クルーズがトップ4を占拠し、現地時間14時からの予選を迎えた。

 シビアなタイムバトルとなったその予選では、2本のロングストレートを有する約2500mの高速アタック合戦を“伏兵”ラファエル鈴木が制し、公式練習でもFP1で6番手、FP2で5番手と上位タイムを刻んではいたものの、予選Q1、Q2でも最速を奪うことなく最終セッションへと進出。

 そこでライバル陣営であるガブリエル・カサグランデ(A.マティス-フォーゲル/シボレー・クルーズ)のスリップストリームに入った鈴木は、強烈な“トウ”をうまく活用して50秒095のレコードタイムを叩き出す。これで2009年にリカルド・ゾンタが記録した50秒433の記録を上回り、文字どおり「ショーを盗んで」の自身キャリア初ポールポジション獲得となった。

「派手な表舞台にはあまり出てこないかもしれないけれど、今季は年間を通してパフォーマンスはとてもいい」と、初ポール獲得の喜びを語ったラファエル鈴木。

「2020年にSCBでの初優勝を達成し、今季はまだ優勝を記録していないけれど、昨季に比べて一歩先を進んでいる。この最前列獲得を僕らのチームと自分を信じてくれるすべての人に捧げたい」

■ラファエル鈴木は「燃料成分の規約違反」により除外処分に
 この予選結果からも推測されるとおり、28台が1秒以内にひしめきあうことから超接近戦が予想される日曜の決勝。僚友マウリシオのドラフティングを利用してわずか0.105秒差のフロントロウ2番手につけたWEC世界耐久選手権レギュラーのセラや、現在ランキング2位につけるカサグランデらシボレー勢が、最高速勝負の“トウ合戦”を仕掛けてくると考えられ「ポールからグリッド中段を占めるすべてのドライバーに勝利の可能性がある」との予測がなされた。

 明けた日曜、30分+1ラップで争われた最初のレース1は、スタート直後に隊列後方でゾンタやフェリペ・マッサ(ルブラックス・ポディウム/シボレー・クルーズ)らが絡む多重クラッシュが発生し、いきなりのセーフティカー(SC)出動となったものの「オーバーテイク祭り」の予想を覆したポールシッターの鈴木が、リスタートでも首位を堅持する。

 そのまま義務ピットもこなして首位をキープした鈴木は、ラスト1ラップを目前に再びのSC導入で2番手セラとのギャップが失われたが、最終1ラップ・スプリントも無難にこなしてトップチェッカー。セラ、カサグランデ、ギリェルメ・サラス(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)を従えてのキャリア2勝目を飾った……かに見えた。

 しかし2ヒート終了後の再車検で「燃料成分の規約違反」が発覚し、ラファエル鈴木に対し週末からの除外処分が決定。歓喜に沸いた勝利も剥奪される失意の結果となってしまった。

 前戦結果のトップ10リバースグリッドでスタートが切られたレース2は、リバースポールのアッティラ・アブレウとフロントロウ2番手のカカ・ブエノ(クラウン・レーシング/シボレー・クルーズ)に対し、後方6番手スタートのフェリペ・ラピーニャ(ホット・カー/シボレー・クルーズ)が一閃。

 コース幅いっぱいに広がったターン1の攻防で2番手に上がると、バックストレートでシェルVパワーのシボレーを捉え、オープニングラップで首位浮上に成功する。

 象徴的なチームリーダーとして君臨したアマデウ・ロドリゲス代表を亡くしたばかりのチームで、その“弔いレース”とばかりに奮闘したラピーニャは、義務ピット後もポジションを維持してほぼレース全域を支配していく。しかし残り30秒を切ったところで無惨なドラマが展開し、首位のシボレーが突如のスローダウン。マシンを左右に振るも、惰性で力なく進んだラピーニャはそのままピットロードへ。

 この劇的な展開で2番手アブレウが望外の今季2勝目を挙げ、カサグランデ、デニス・ナバーロ(カバレイロ・スポーツ/シボレー・クルーズ)の続くポディウムに。

 一方、序盤はカサグランデとのバトルを演じて一時3番手を快走した“父ルーベンス”は、後半スティント残り10分ほどでサラスのシボレーと接触しコースオフ。この際のダメージが祟ったか、高速バックストレートでもバランスを崩して高速スピンを喫し、そのままリタイアとなってしまった。

 このヒートで5位入賞を果たした選手権首位セラがポイントリードを拡大し、2位のカサグランデに対し11点差とした2021年のSCB“プロ・シリーズ”は、9月18~19日に第8戦、第9戦となるゴイアニアでのダブル・ラウンドが予定されている。

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