超ライトウエイトネイキッドでスポーツを愉しむ!
ドゥカティ モンスター+(プラス)試乗【前モデルより18kg軽量化! ドゥカティらしい挑戦的な進化と圧倒的な軽さが魅力】
2021年に登場した4世代目のモンスターは、それまでのパイプフレームを廃し、まったく新しい車体構成で話題をさらった。今日まで、軽さとスリムさを徹底したつくりが人気を博している。2023年は上位グレードとしてSPモデルが加入。レーシーなカラーリングを採用し、前後サスペンションはオーリンズ製、ブレーキも強化しスポーツ性を追求している。
●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ドゥカティ●外部リンク:ドゥカティ
間もなくデビュー30周年を迎えるモンスター
1992年のケルンショーで発表され、1993年に発売されたドゥカティモンスターは、これまでに40種類以上の派生モデルを生み出してきた。そんなモンスターのオーリンズサスペンション装着車は従来S仕様であることが多かったが、2023年モデルはモンスターSPとして登場する。
また、2013年に20周年記念モデル、2018年に25周年記念モデルが登場していることを考慮すると、2023年はモンスター生誕30年の節目、記念モデルも期待できるかもしれないから、ファンは楽しみに待ちたい。
―― MotoGPマシンにインスパイアされたカラーリングにゴールドのフロントフォークが映える。 [写真タップで拡大]
―― フレームらしいフレームは見当たらず、水冷Lツインエンジンの存在感が際立つスタイリング。テスタストレッタ11度エンジンは従来型のモンスターと同じ111psを発揮。 [写真タップで拡大]
これまでの日本仕様とは対照的なモデル
2021年にこのパッケージで登場したモンスターは、とにかく軽量&コンパクトが特徴だった。押し引きや取り回しの段階から937ccの排気量を感じさせず、装備重量188kgを実現。これはホンダのCB400SFよりも13kgも軽い重量である。
詳細はこちらのモンスターのインプレをご覧いただきたいが、国産車にはない独自の思想は、さすがドゥカティというつくりなのだ。
この2021年に登場したモンスターの日本仕様は、ローシートとローダウンサスペンションが標準装着され、シート高は775mm(本国は820mm)に設定。実は、これはかなりビギナー寄りの味付けで、スポーティに走りたいライダーやベテランにはハンドリングのパフォーマンスが物足りなかったのも事実。
しかし、2023年モデルのモンスターSPはどこまでもスポーティだ。
装備重量はこれまでのモンスターから2kg軽い186kgで、前後サスペンションはオーリンズ製。ホイールトラベルは従来の、前130mm/後140mmから前140mm/後150mmに伸び、キャスター/トレールは24度/93mmから23度/87mmに変更。シート高は840mm(810mmにできるローシートをアクセサリーで用意)に設定されている。
その他、テルミニョーニ製サイレンサー、ブレンボ製モノブロックキャリーパーのステルマ、ピレリ製ディアブロ・ロッソ・クワトロ、リチウムイオンバッテリー、ステアリングダンパーを装備している。
それでは新しく登場したモンスターSPの細部を見ていこう!
―― Lツインエンジンは車体をとてもスリムにつくれるのが特徴。タイヤがとても太く見える。 [写真タップで拡大]
―― ホイールトラベルが増えたせいか、とても精悍な印象になったモンスターSP。最低地上高が引き上げられ、バンク角も増えている。 [写真タップで拡大]
―― 前後サスペンションはオーリンズ製。フロントフォークは従来のモンスターより0.6kg軽い。フロントキャリパーはブレンボ製モノブロックのステルマ。ブレーキディスクのインナーはアルミ製で、従来のモンスターより0.5kgの軽量化を実現。 [写真タップで拡大]
―― マフラーはテルミニョーニ製。ステアリングダンパーも装備する。 [写真タップで拡大]
―― バッテリーは搭載場所を選ばないリチウムイオン。タイヤはピレリ製のディアブロ・ロッソ・クワトロ。 [写真タップで拡大]
―― プレスカットにはアグレッシブは走行写真が多数入っている。 [写真タップで拡大]
―― アップハンドルのネイキッドでこういったスポーツ性を狙ってくるのがドゥカティらしい。 [写真タップで拡大]
―― トーンの異なるレッドでタンクをデザイン。タンクの下に埋め込まれたウインカーは流れるように光る。 [写真タップで拡大]
―― 真っ赤なシートは、足着き性よりもスポーツ性を考慮した形状。SPのロゴがシートカウルに入る。 [写真タップで拡大]
―― モンスターらしさを継承しつつ、新しさを感じさせるフロントマスクのデザインはさすが。LEDのデイタイムランニングライトも採用。テールライトを含め灯火類はすべてLEDだ。メーターは、視認性に優れる4.3 インチカラーTFT。 [写真タップで拡大]
―― サーキットでも映えるネイキッド、それがモンスターSPだ。世界最高の機能パーツがスポーティな走りに応える。 [写真タップで拡大]
―― もちろんサーキット以外の場所でもサマになるのがモンスターの魅力。スタイリッシュな佇まいは街中でも目を引く。
―― ライディングモードはスポーツ、ツーリング、ウェットの3種類から選べる。各モードによりコーナリングABS、トラクションコントロール、ウィリーコントロールなどの介入度が変化。アップ&ダウンのシフターやローンチコントロールも装備する。 [写真タップで拡大]
―― 左がパニガーレV4(写真は初期型。現行は側面に穴を開け、剛性バランスをコントロール)で、右が従来のモンスターのストリップ。SPもフレームは同様で、モンスターはパニガーレV4やV2と同じ発想のアルミ製のフロントフレームを採用していることがわかる。そのフレームはとても軽量かつコンパクト。 [写真タップで拡大]
―― エンジンの上に乗るようにレイアウトされるフロントフレームのお陰で、937ccの排気量からは想像できないほどスリムな車体を実現している。 [写真タップで拡大]
―― 独自のエンジン&車体構成が生み出すハンドリングは格別。こんなスポーティなモンスターを待っていた方も多いはず! [写真タップで拡大]
―― 【’23 DUCATI MONSTER SP】主要諸元 ■軸距1472 シート高840(各mm) 車重186kg(装備) ■水冷4ストL型2気筒 937cc 内径94×行程67.5mm 圧縮比13.3:1 最高出力111ps/9250rpm 最大トルク9.5kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量14L ■キャスター23°/トレール87mm ブレーキ形式F=φ320mmWディスク+4ポッドキャリパー R=φ245mmディスク+2ポッドキャリパー タイヤサイズF=120/70-17 R=180/55R17
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みんなのコメント
SPじゃない通常モデル日本仕様はフレンドリーだけど、
ドカ乗りからすると価格含めエントリーモデル扱いだろうし。
そのせいか女性人気のあるバイクだけど、その分男性は少し乗りづらい。