限定枠の20倍以上の申し込みがあるほどの人気ぶり!
自動車メーカー直系のワークスチューニングブランドが手掛けるコンプリートカーには、保証や価格などの制約がつきまとうことから、どうしてもライトチューンというイメージが根強い。だが実際には、パワートレインやボディにも手を入れ、メーカーならではの技術力で性能と耐久性、快適性を兼ね備えたコンプリートカーも少なからず存在する。今回はそのなかから5台をピックアップし、デビュー年次の新しいものから順に紹介する。
究極ダイエットの激レア車! 走り命で思いっきり軽量化した強烈な国産スポーツモデル3選
1)トヨタ・ヴィッツGRMN
まず、近ごろ大きな注目を集めているトヨタGRヤリスの前身といえる、3代目ヴィッツをベースとした「ヴィッツGRMN」は、新たなスポーツカーシリーズとして「GR」ブランドが発足した2017年9月の時点で市販化が明言され、2018年4月より150台限定で商談申込受付が開始された。
日本向け3代目ヴィッツには設定のない3ドアボディをベースとして、フロントストラットタワーバーやアンダーフロア前後のブレースなどで補強を加え、そこにトヨタがロータスへ提供している2ZR-FE型1.8リッター直4+スーパーチャージャー+6速MTを逆輸入するような形で搭載。156kW(212馬力)/6800rpm&250N・m(25.5kg-m)/4800rpmという、「GR」シリーズの頂点に立つ「GRMN」の名にふさわしい最高出力&最大トルクを実現している。
また、ZFザックス社製ダンパーやトルセンLSD、フロント対向4ポットブレーキキャリパー&スリット入り大径ディスク、BBS製17インチ鍛造アルミホイールを装着し、電動パワーステアリングやVSC(横滑り防止装置)も専用チューニングすることで、運動性能と走りの質感を大幅に向上させた。
エクステリアは「GR」シリーズ共通のイメージとしながら空力性能を高めたもの。インテリアにもホールド性が高い専用のスポーツシートを採用するなど、機能本位のチューニングを施している。
車両本体価格は消費税8%込みで400万円と、ヴィッツとしては高価ながら内容を考えればバーゲンプライスそのもの。150台の限定枠に対し20倍超もの申し込みがあったという。
2)MUGEN RR
ホンダ直系ワークス「無限」初のコンプリートカーとして2007年6月に発表された「RR(ダブル・アール)」は、FD2型ホンダ・シビック・タイプRをベースとして、K20A型2.0リッター直4エンジンのカムプロフィールを変更。バルブスプリングも専用品としたほか、吸排気系も全面的に変更することで、元来超高回転高馬力型エンジンであるベースエンジンに対し15馬力&0.3kgmアップの177kW(240馬力)/8000rpm&218N・m(22.2kg-m)/7000rpmを達成した。なお6速MTも、ベース車よりさらにショートストローク化されている。
軽量化も徹底しており、可変式リヤウィングやレカロ製セミバケットシートのみならずフロントバンパー&グリルにもオートクレーブ製法を用いたCFRP(炭素繊維強化樹脂)を採用。ボンネットもアルミ合金製とし、アルミホイールも鍛造品とすることで、重量増の要素を差し引いてなお、約15kgもの軽量化を果たしている。
さらに、減衰力5段階調整機構が与えられた専用サスペンション、内部骨格をRR専用としたブリヂストン・ポテンザRE070、リム幅を0.5J拡大し8Jとした鍛造アルミホイール、スリット入りローターと耐熱性を高めたパッド、ミクロメッシュブレーキラインで構成される専用ブレーキなどで、シャシー性能も全面的に強化。エアロパーツも前後マイナスリフトを達成するほどの本格派だ。
300台限定で同年9月に発売されたこのRR、価格は消費税8%込みで477万7500円だった。
エンジンチューニングや専用設計で高額になったモデルも存在!
3)バージョンニスモ・タイプ380RS
無限RRと同じく2007年6月にデビューした、Z33型日産フェアレディZをベースとする「バージョンニスモ・タイプ380RS」は、同年1月に発表されたレース専用モデル「タイプ380RSコンペティション」の公道仕様と言うべきもの。VQ35HR型3.5リッター V6エンジンのストロークをアップして3.8リッターとし、ピストン、コンロッド、クランクシャフトも専用品に変更したエンジンを、吸排気系や空燃比、点火時期、VTCなどを公道向けにデチューンすることで、高い耐久性と排ガス性能を確保。それでも257kW(350馬力)/7200rpm&397N・m(40.5kgm)/4800rpmと、VQ35HRの230kW(313馬力)/6800rpm&358Nm(36.5kgm)/4800rpmを遥かに凌ぐパフォーマンスを手に入れている。
90mm長いノーズやワイドフェンダーモール、リヤウィング&ディフューザーといったエアロパーツ、本革/アルカンターラコンビシート、フロント245/40R18 93W&リヤ275/35R19 96Wのブリヂストン・ポテンザRE-01Rおよびレイズ製鍛造アルミホイール、前後に補強材とヤマハ製パフォーマンスダンパーを追加しフロントピラーとルーフ接合部の溶接面積も増加させたボディなどは、通常の「バージョンニスモ」と共通だが、それら自体が380RSを当初より想定して開発されたもの。300台限定で価格は539万7000円と、「バージョンニスモ」より約100万円高い設定だが、レーシングエンジンの高性能と官能性が約100万円で味わえるという希有な1台だった。
4)ニスモ400R
現行V37型日産スカイラインが2019年7月のマイナーチェンジとともに追加した高性能モデルにその名を与えたことでも知られる「ニスモ400R」は、R33型スカイラインGT-Rをベースとして1996年にデビュー。RB26DETT型2.6リッター直6ターボエンジンのボア・ストロークとも拡大(86.0×73.3mm・2568cc→87.0×77.7mm・2771cc)して、吸排気系や動弁系、冷却系、タービンなども専用品とされた「RB-X GT2」型エンジンは、車名のとおり400馬力/6800rpm&47.8kg-m/4400rpmを叩き出すに至っている。
それに合わせてフロント開口部が拡大され、ツインプレートクラッチやビルシュタイン製ダンパー、275/35R18のブリヂストン・ポテンザRE710Kai、チタン製フロントストラットタワーバー、耐フェード性を高めたNISMOタイプ2ブレーキパッドなども採用。スチール製に対し7.7kg、約50%も軽く慣性モーメントも約40%少ないCFRP製プロペラシャフトを採用したのも当時大きな話題を呼んだ。
まさに“コンプリートカー”と呼ぶに相応しいフルチューンが施されたこの400R、99台限定で1200万円というプライスタグを提げていたが、実際に販売されたのは55台と言われている。
5)オーテック・ザガード・ステルビオ
さて、そんな400Rとは異なる方向性で全面的に手が加えられたワークスコンプリートカーが、その7年も前、1989年に誕生している。それが、歴代スカイラインの開発責任者として知られる櫻井眞一郎氏が初代社長となったオーテックジャパンと、イタリア・ミラノのカロッツェリア、ザガートとの共同開発によって生まれた「オーテック・ザガート・ステルビオ」だ。
2代目レパードをベースとしながらも、そのエクステリアは窓ガラスを含めて大半がザガート流の極めて前衛的なデザインに変更されており、なかでもフェンダーミラーを内蔵したCFRP製ボンネットが大きな特徴。手作りのボディ外板もアルミ合金製とされ、軽量化にも配慮されたことがうかがえる。インテリアは2代目レパードと共通の部品が多いものの、本革や本木目パネルが多用され、その質感は格段に高められていた。
走りに関しても全面的にチューニングが施されており、VG30DET型3.0リッターV6ターボエンジンはベース車の255馬力/6000rpm&35.0kg-m/3200rpmに対し280馬力/6000rpm&41.0kg-m/2800rpmにまで性能アップ。サスペンションも専用セッティングで、タイヤサイズも225/50R16 92Vとされるなど、「すべてに最高を目指し開発された」というステルビオにふさわしいものとなっている。
そんなステルビオは全世界200台・日本100台の限定モデルで、車両本体価格は1870万円という、まさに破格の超高級GTだった。
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