現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 最新モデルでいにしえのBMWの姿を再現 カスタムバイクの世界を牽引する“RSD”とは?

ここから本文です

最新モデルでいにしえのBMWの姿を再現 カスタムバイクの世界を牽引する“RSD”とは?

掲載 更新
最新モデルでいにしえのBMWの姿を再現 カスタムバイクの世界を牽引する“RSD”とは?

■旧き時代のBMW、そのムードを再現したRSDによる1934 BMW R7 "9T Concept R7"

 カスタムの魅力のひとつには最新のモデルをクラシカルな雰囲気にイメージ・チェンジする、あるいは旧車に最新のパーツを組み込み、アップデートするなどといった手法がありますが、ここで紹介させていただくBMW Motorrad(以下:BMW)のカスタム車両は、その中でも前者的なアプローチで製作されたものです。

BMWで一番ちいさなバイク 普通二輪免許で乗れる「G 310 R」の存在感

 2017年式の“R nineT Pure”(アール・ナインティ・ピュア)という現行モデルを素材にしたこの一台は、アメリカでパーツブランドの展開やカスタムバイク製作を手掛ける“Roland Sands Design”(ローランド・サンズ・デザイン:以下RSD)の手により、1930年代のBMWのイメージに仕上げられています。

 モチーフとなったのは1934年にBMWがプロトタイプとして製作した“R7”というモデルで、この車両は1929年に起こった世界恐慌や、後の世界大戦、同メーカーの経営的な事情などにより市場に出されることなく、日の目を見ることはありませんでした。

■現在のカスタム・シーンを牽引するRoland Sands Designという存在

 そのモデルをイメージソースに、カスタムバイクを製作した“RSD”は、アメリカはもとより、世界のカスタム市場でも広く認知されている存在です。

 この“RSD”とはRoland Sands Designの略称で、当初はその代表であるRoland Sands(ローランド・サンズ)の父・Perry Sands(ペリー・サンズ)が1970年に設立したPerformance Machine(パフォーマンス・マシン:以下PM)というパーツメーカーの中の“カスタム部門”として2005年に立ち上げられました。

 Roland Sandsは、1998年に米国の競技団体であるAMA(アメリカン・モーターサイクリスト・アソシエイション)の250ccクラスのレースで年間チャンピオンを獲得した経緯を持ちますが、そうしたスポーツバイクを知る経歴を基に、アメリカで主流のカスタムである“チョッパー”、そしてクラシカルな旧車のテイストなどを巧くミックスしたスタイルのカスタムバイクを数多く手掛けています。

 その才覚はカスタムの世界のみならずメーカーからも認められ、2013年にはBMWのコンセプトモデルとして“Concept90”というマシンを製作。それがここで紹介する車両の素材となった“R nineT”の市販化にもつながっています。

 また、同様に2015年にRSDとBMWが発表した“Concept101”は現在のBMW “K1600B”の基デザインとなったといえる存在です。

■現在のカスタム・シーンを牽引するRoland Sands Designという存在

 このように、近年のBMWはカスタムの世界を市販車のプロモーションに活用していますが、ここに紹介するRSDの1934 BMW R7 “9T Concept R7″も、その流れから生まれた一台といえるでしょう。

 そのベースとなったのは冒頭でもお伝えしたように2017年式BMWのRnineT Pure。とはいっても使用したのはエンジンおよびミッション、リアホイールに動力を伝えるシャフトドライブと電装パーツのみといっても過言ではありません。

 車体の骨格はRSDが製作したクロモリ鋼のリジッド・フレームで、リア・サスペンション(緩衝装置)を持たない車体構成によってクラシカルな雰囲気を演出。そのフレームにはシートメタル(鉄板)から造られたサイドパネルが取り付けることで、1920から1930年のBMWにあったプレスフレームのようなスタイルを再現しています。  この車両はあくまでもスタイルのイメージをクラシカルにしたのみであり、ブレーキキャリパーやホイールには現代的な性能を誇るRSD製のパーツを採用。2009年式ハーレー・ダビッドソン用を流用したフロントのサスペンションにはクラシカルなカバーを取り付けることで、現代的な走行性能とクラシカルなルックスの両立が図られています。

 タンク上にはギアを変えるシフトノブが取り付けられていますが、これは旧いハーレーと同様の操作方式で、ご覧のRSDの車両では左足のカカトでペダルを踏みこむことでクラッチが切れる構造となっています。このようにご覧の一台には新旧の要素がさまざまな形で取り込まれているといえるでしょう。

 過去から現在、そして未来へ……そんな時間軸をひとつに結ぶ力をカスタムバイクに感じることがありますが、このRSDによるBMWカスタムはそんな典型と呼べるかもしれません。

 こうして、いにしえの時代の浪漫溢れるものを現在の世に再び甦らせることもカスタムバイクの魅力だと思います。

関連タグ

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

渋滞をバイクがすり抜けていく……道路での「追い越し」と「追い抜き」って意味が違うって知ってた?
渋滞をバイクがすり抜けていく……道路での「追い越し」と「追い抜き」って意味が違うって知ってた?
ベストカーWeb
エンジンが超気持ちいい! ビートは遊び心から生まれた傑作だった!! 今なお愛され続ける軽オープンスポーツ
エンジンが超気持ちいい! ビートは遊び心から生まれた傑作だった!! 今なお愛され続ける軽オープンスポーツ
ベストカーWeb
新型ランクル250がついに登場!! 今年買うことができるトヨタのSUV12選
新型ランクル250がついに登場!! 今年買うことができるトヨタのSUV12選
ベストカーWeb
日産「ハコスカGT-R」の神話は傑作パワーユニット抜きには語れない! レースで勝つために磨かれた「S20型エンジン」の真実
日産「ハコスカGT-R」の神話は傑作パワーユニット抜きには語れない! レースで勝つために磨かれた「S20型エンジン」の真実
Auto Messe Web
勝田範彦が圧勝でシーズン2勝目。連勝狙った新井大輝はSS1直前に無念のリタイア
勝田範彦が圧勝でシーズン2勝目。連勝狙った新井大輝はSS1直前に無念のリタイア
AUTOSPORT web
4年前の優等生 今の実力はいかに? プジョーe-208 GTへ試乗 ハンサムさは変わらず 競合多し
4年前の優等生 今の実力はいかに? プジョーe-208 GTへ試乗 ハンサムさは変わらず 競合多し
AUTOCAR JAPAN
20台以上のランボルギーニ軍団がタスマニアの大自然を走破! 美観と美食の「エスペリエンツァ・ジロ・オセアニア」の旅路とは
20台以上のランボルギーニ軍団がタスマニアの大自然を走破! 美観と美食の「エスペリエンツァ・ジロ・オセアニア」の旅路とは
Auto Messe Web
日本育ちの新星ラッツェンバーガーの事故死から30年。遅咲きの逸材が歩んだF1までの道のりと悲劇
日本育ちの新星ラッツェンバーガーの事故死から30年。遅咲きの逸材が歩んだF1までの道のりと悲劇
AUTOSPORT web
D’station Racing、スーパーGTでのチャーリー・ファグの第3ドライバー起用を正式発表
D’station Racing、スーパーGTでのチャーリー・ファグの第3ドライバー起用を正式発表
AUTOSPORT web
両側スライドドア採用 VW新型キャンピングカー5月7日公開へ 「カリフォルニア」初のPHEVも
両側スライドドア採用 VW新型キャンピングカー5月7日公開へ 「カリフォルニア」初のPHEVも
AUTOCAR JAPAN
アイルトン・セナが所有していたホンダNSXが中古車サイトに。約9800万円で売りに出される
アイルトン・セナが所有していたホンダNSXが中古車サイトに。約9800万円で売りに出される
AUTOSPORT web
限られた選択肢のなか、2025年に向けF1チームとの交渉を行うボッタス。他カテゴリーへの転向は考えず
限られた選択肢のなか、2025年に向けF1チームとの交渉を行うボッタス。他カテゴリーへの転向は考えず
AUTOSPORT web
トヨタ新型「“セダン”SUV」発表! まさかの“シャコ上げ”&ゴリゴリフェンダー採用! タフすぎる「新クラウン“RS”」誕生に販売店でも反響アリ
トヨタ新型「“セダン”SUV」発表! まさかの“シャコ上げ”&ゴリゴリフェンダー採用! タフすぎる「新クラウン“RS”」誕生に販売店でも反響アリ
くるまのニュース
アイルトン・セナは「マールボロ」だけでなく「JPS」のF1にも乗っていた!! 没後30年を記念して3台のF1とホンダ「NSX-R」が集まりました
アイルトン・セナは「マールボロ」だけでなく「JPS」のF1にも乗っていた!! 没後30年を記念して3台のF1とホンダ「NSX-R」が集まりました
Auto Messe Web
レッドブルF1、ニューウェイ離脱に備え、上級職員の移籍を阻止か。テクニカルディレクター&空力責任者と新契約との噂
レッドブルF1、ニューウェイ離脱に備え、上級職員の移籍を阻止か。テクニカルディレクター&空力責任者と新契約との噂
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン、『ポロGTI』に誕生25周年を祝う限定車を設定。日本へは227台が上陸
フォルクスワーゲン、『ポロGTI』に誕生25周年を祝う限定車を設定。日本へは227台が上陸
AUTOSPORT web
そういえば街の郵便車がキレイになったような… なんと全国通達「8000台コーティングせよ!」 大仕事の舞台裏が明らかに
そういえば街の郵便車がキレイになったような… なんと全国通達「8000台コーティングせよ!」 大仕事の舞台裏が明らかに
乗りものニュース
グラベルのWRCポルトガルにトヨタが4台エントリー。オジエとロバンペラが今季初の両出走へ
グラベルのWRCポルトガルにトヨタが4台エントリー。オジエとロバンペラが今季初の両出走へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村