■ルノー・スポールのトップガン、ウルゴン氏が鈴鹿で激走
ルノー「メガーヌ ルノースポール(R.S.) トロフィーR」は、2019年5月、ドイツにあるサーキット、ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)にて、7分40秒100を叩き出し、ホンダ「シビックタイプR」が2017年4月に記録した、7分43秒80を3秒以上更新、見事に市販車FFモデル最速の称号を取り戻しました。
FF最速はどっち? ホンダ新型「シビックタイプR」とルノー新型「メガーヌR.S.」をニュルマイスターが乗り比べ
ちなみに、メガーヌR.S.でのニュル北コースタイムアタックの歴史は古く、2008年にメガーヌR.S.「R26R」が8分17秒、2011年にはメガーヌR.S.「トロフィー」が8分7秒97、そして2014年にはメガーヌIII R.S.「トロフィーR」が7分54秒36を記録しています。ここ数年では、ホンダのシビックタイプR、フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」と、FF市販車最速の称号を争っています。
そんなメガーヌR.S.トロフィーRと、ニュル最速レコードを出した際のドライバー、ロラン・ウルゴン(Laurent Hurgon)氏が来日、三重県にある鈴鹿サーキットでタイムアタックをおこないました。その結果、2014年11月に、先代メガーヌR.S.トロフィーRが記録した2分28秒465を大幅に更新、2分25秒454のニューレコードを樹立しました。
※ ※ ※
2019年11月26日。この日は日中でも10度前後までしか気温が上がらず、また天気もどんよりとした曇り空。路面状態はドライと、記録を狙うには絶好のコンディションです。
鈴鹿サーキットのピットには多くのプレスが集まり、メガーヌR.S.トロフィーRを囲んで車両の撮影をおこなっています。そんななかでも、ルノー・スポールの開発ドライバーでトップガンのウルゴン氏は、穏やかにスタッフと談笑しています。
14時、走行が始まりました。ウルゴン氏が操る右ハンドル仕様のメガーヌR.S.トロフィーRは、静かにピットロードを抜けていきます。そのまま一周、メインストレートを過ぎてアタックが始まります。トロフィーRはレース車両ではなく市販車ということもあり、ストレートを抜けていくエンジン音や排気音もそれほど大きくありません。
プレスもルノー関係者も、ピットのモニターに映し出されるセクターごとのタイムチャートに注目します。一周してストレートに戻ってきたメガーヌR.S.トロフィーR。2分25秒961という記録で、先代トロフィーRの持つタイムを更新しました。
ルノー・ジャポン関係者によると、「じつは昨日も走ったんですが、気温も高く、まだ1000kmも走っていないオロシたての新車ですので、2分26秒台後半くらいしか出ませんでした。ですので25秒台が出てホッとしています」
ただし戻ってきたウルゴン氏に聞くと「3カ所くらいでシフトミスをしてしまったよ。シケインの飛び込みでもミスしてしまった」と、このタイムにはあまり満足していない様子です。
今回、ルノー・スポールのアドバイザーとして、全日本スーパー耐久選手権などでも活躍するレーサーの谷口信輝選手も参加していました。「鈴鹿で一番速い男」の異名を持つその谷口氏がトロフィーRに乗り、アタックをおこないます。結果は2分25秒656と、さらに記録を更新しました。
それから間を置き、タイヤを新品に交換。15時40分、再度ウルゴン氏が最後のタイムアタックに向かいます。
ピットモニターに映し出されるタイムは、セクター1そしてセクター2と今までのベストタイムを上回り、期待が高まります。
そしてシケインを抜けてストレートに戻ってくるトロフィーR。タイムは本日最速の2分25秒454。戻ってきたウルゴン氏は満面の笑顔。そして歓声と拍手に包まれました。
■トロフィーRは2020年1月の東京オートサロンに出展予定
メガーヌR.S.トロフィーRの軽量化は多岐にわたります。4コントロールと呼ばれる4輪操舵システムを外したことでマイナス35kg、デュアルクラッチの6速EDCを6速MTに変更することでマイナス35kgを達成。
さらに、1本2kg軽量化できるカーボンホイールの採用、たった8kgのカーボンボンネット、1座あたり7kg軽量化するサベルト製モノコックシート、リアシートを廃し2シーターとしたことでマイナス25.3kg。その他、メガーヌR.S.トロフィーでは8.7インチのマルチメディアスクリーンをトロフィーRでは7インチにすることで250g軽量化するなど、目まぐるしい努力を積み重ねた結果、トータル130kgの軽量化を実現したそうです。
ほかにも空力性能の改善や、アクラポヴィッチのマフラー、オーリンズの車高調整式ショックアブソーバー、ブレンボのブレーキ、さらにルノースポール専用のブリヂストン・ポテンザS007タイヤなど、トロフィーRはさまざまな専用パーツで武装されています。
搭載するエンジンは、メガーヌR.S.トロフィーと同じ、300馬力/400Nmを発生する1.8リッターターボ。6速MTを介し前輪を駆動します。
今回の鈴鹿アタックに、アドバイザーとして参加した谷口信輝選手によると、「正直にいって、このR.S.トロフィーRは、運転する人を選ぶコンペティティブなモデルです。クルマがドライバーを補ってくれるわけではないので、腕に覚えがある人でないと扱いは難しいです。軽量化でリアが軽くなっているぶん、とくに高速コーナーではお尻がどうしてもルーズになります」
谷口選手は続けます。「4輪操舵の4コントロール、そして2ペダル6速EDCを採用するR.S.トロフィーならば、誰でも楽しく、そして速く走ることができます。メガーヌR.S.は素性が良いので、曲がる/走る/止まるがとにかく気持ちいいんです」
ルノー・スポールの開発ドライバーのウルゴン氏は、今回の鈴鹿サーキットでのタイムアタックの意義を聞かれ、「ここ鈴鹿は世界でも名門サーキットとして知られています。我々はニュルブルクリンクだけではなく、ベルギーにあるスパ・フランコルシャン、そして鈴鹿とタイムアタックをおこなっています。それは、とても意味のあるチャレンジなのです」と答えました。
また、ルノー・ジャポン マーケティング部の名物マネージャー、フレデリック・ブレン氏はこういいます。
「ルノー・スポールのモデルが売れているのは、フランス本国、ドイツに次いで、じつは日本が世界で3番目です。近い将来、日本が世界ナンバーワンのマーケットになることを望んでいます。ルノー・スポールにとって、日本は特別な国なんです」
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じつは2019年2月に、ウルゴン氏が乗り慣れた左ハンドル仕様のメガーヌR.S.トロフィーRで、鈴鹿サーキットを試走したときのタイムは、2分25秒6だったといいます。
「タイムはひとつの目標であって、我々は良いクルマを提供することが最大の使命です」とウルゴン氏は答えましたが、それでも今回、ナラシ運転もしていないド新車のトロフィーRで、それも慣れない右ハンドル仕様車で、さらに2月よりも気温が高めな11月に、前回を上回る2分25秒454というタイムを出せたことは、満足な結果だったはずです。
谷口選手は、「ボクは完成されたトロフィーRというクルマを、ただ乗って確認したというだけです。FFでこのタイムは、じつはみなさんが感じている以上にスゴいんです。H社のCというクルマじゃ出せません(笑)。
今回はタイムを詰めていったというのではなく、クルマのパフォーマンスを最大限に引き出すことができれば、ウルゴンさんが乗ってもボクが乗っても、同じように驚異的なタイムが出ることが証明されました」というコメントが印象的でした。
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