日本の道に合うことや立体駐車場に入ることが比較ポイントに!
世は空前のSUVブームだ。しかも、コンパクトなクロスオーバーから本格クロスカントリーまで、選び放題。さらに我々にとってうれしいのは、これからSUVに入門するのに、まずは手ごろな価格、それも200万円以下から買えるコンパクトSUVもまた、数多く揃っていて、お試し、いや、SUV、クロスオーバーSUVの世界をリーズナブルに垣間見ることができる点だろう。ブームに乗って、いきなり高価なSUVを買って、自分のテイストに合わなかった……じゃもったいない。
なんちゃってヨンクだらけの今こそ乗りたい「悪路御用達」の男前国産SUV4選
では、200万円以下から買える、国産SUV、クロスオーバーSUVにはどんなモデルがあるのだろうか(ここでは軽自動車を除く)。最新モデルのトヨタ・ヤリスクロスを筆頭に、トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキー、マツダCX-3、スズキ・クロスビー、ホンダ・フィットクロスターなどがある。ヤリスクロス以外は5ナンバーサイズで、しかしヤリスクロスも全長4180mm、全幅1765mmと、日本の道で使うにも適切で扱いやすい範疇にあるサイズといっていい。
このクラスのコンパクトSUVを狙っている人は、ほとんどがオンロードをメインにしているユーザーだろう。その点で重要なのが、全高だ。立体駐車場の利用を前提とするならば、車幅はまったく問題ないとして、全高が多くの立体駐車場の高さ制限である1550mm以下であることが望ましい。それをクリアできるのは、1550mmのCX-3と1545mmのフィットクロスターだ。ヤリスクロスは1590mm、ライズ&ロッキーは1620mm、クロスビーは1705mmといきなり高い。もっとも、SUV、クロスオーバーSUVを買うのに、全高を気にしている場合じゃないだろう!! という考え方もある。本格SUVの全高は1800mm前後だったりするからだ。
では、SUV、クロスオーバーSUVに求められる、一般的な乗用車と違う性能のひとつと言えば、走破性。そこで見るべきなのが最低地上高だ。ここに余裕が(高さが)あれば、走破性が高まる理屈(駆動方式もだが)。SUVとしてのキャラクターもわかりやすい。各車の最低地上高はライズ&ロッキー:185mm、クロスビー:180mm、ヤリスクロス:170mm、CX-3:160mm、フィットクロスター:160mm(FF)といった順になる。
また、このなかで、比較的本格な4WD性能を持つのはライズ&ロッキー、クロスビー、そして一歩下がってヤリスクロス。CX-3とフィットクロスターは4WDを選んでも、生活ヨンクというレベル性能だ。もちろん、それでも2WDに比べ、雪道やウェット路面でより安心なのは、もちろんだ。
アウトドアで使用する場合にはラゲッジスペースも重要なポイント
コンパクトカーであっても、あえてSUV、クロスオーバーSUVを選ぶユーザーであれば、アウトドアを楽しむ前提でクルマを選んでいるケースも多いはず。そこで重要になるのがラゲッジスペースの容量だ。アウトドアグッズ、キャンプ用品を積み込むのであれば、ある程度以上のスペースが必要になる。その点で圧倒的なのが、ライズ&ロッキーだ。
何しろ、ライズ&ロッキーのラゲッジルームはクラストップレベルの大容量を誇り、ラゲッジスペースを上下2段で使えるデッキボード上段状態でも303リットル、デッキボード下段では369リットル、さらに床下に80リットルもの収納スペースを備えているのだから、びっくり。具体的には奥行755mm、幅1000mm、高さ865mmと、5ナンバーサイズのコンパクトSUVとは思えないスペースでもあるのだ。ちなみに3ナンバーサイズとなるヤリスクロスはデッキボード下段で390L、奥行820mm、幅913mm、高さ715mm(デッキボード上段)である。
が、ラゲッジスペースの使い勝手は、容量、スペースの寸法だけでは語れない。もし、4人乗車でスキー板のような長尺物を”車内に”積み込みたい場合、後席が6:4分割可倒式では不可能に近い。しかしヤリスクロスの4:2:4分割なら、後席左右に人が座り、2部分の中央をトランクスルーとし、長尺物を積むことも可能(片側4部分だけ倒せば、4名乗車でゴルフバッグ2セットをフラットフロアに縦積みも可能)。ペットをラゲッジスペースに乗せざるを得ない場合も(後席が基本です!!)、エアコンの風が届きやすく、また乗員とペットがアイコンタクトしやすくなるというメリットもあったりする。
最後に、アウトドアや災害時に威力を発揮するのが、2モーターのハイブリッドモデルの一部に用意されるAC100V/1500Wコンセント。これがあると車内外で1500Wまでの家電品が使えて便利。ヤリスクロスのHVモデルにはそれが4万4000円のオプションで用意されるのだ。さすがにガソリン車だけのライズ&ロッキーなどでは叶わない装備と言える。
ちなみに、見知らぬ土地での不測の事態、緊急時、あおり運転被害にあったときなどに絶大なる安心をもたらしてくれるヘルプネット、SOSコールボタンが車載専用通信機とともに備わるのは、ヤリスクロスとフィットクロスター(合わせてトラブルサポートボタンもある)などである。
また、都会のユーザーがアウトドアライフを楽しむ場合、高速道路を延々と走り、目的地に向かうこともままあるはずだが、そんなときに有用なのが、前車追従走行ができ、渋滞時にも頻繁なペダル操作から解放されるACC(アダプティブクルーズコントロール)。それが用意されているのは、ヤリスクロス(X以上ほぼ全車)、フィットクロスター(全車)、ライズ&ロッキー(ライズZのみ、ロッキーG以上)、CX-3(一部グレード)となる。
というわけで、コンパクトSUVを誰と乗るか、どう使うか、なにを期待するかで、自身に、家族にベストな1台を選んでいただきたい。
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なんじゃそりゃ。