4月2日、東京・六本木で『F1 Tokyo Festival』が開催され、今季からマネーグラム・ハースF1チームの代表を務める小松礼雄氏が登壇。集まったファンの前で笑顔を見せ、鈴鹿への意気込みを語った。
今週末のF1日本GPを目前に2日間に渡って六本木ヒルズアリーナで行われているF1日本グランプリ公式プロモーションイベント『F1 Tokyo Festival』。初日に行われたトークショーに多くのファンが駆けつけた。
SFドライバー6名が集結「どのF1マシンに乗りたいか」の回答に会場が沸く。『F1 Tokyo Festival 2024』開催
この日いちばんの賑わいを見せたのが小松ハースF1代表と日本GPのFP1にRBから出走することになった岩佐歩夢が登場するグループ2のトークショーだ。
進行を務めるピエール北川氏の呼び込みでトークショーのステージに登壇した小松ハースF1代表。ファンの大きな拍手と声援で迎えられると、自身の大きな顔のお面をつけたファンを見つけて満面の笑みを見せる。
北川氏からハースF1代表に就任した経緯を聞かれると「(代表就任の話が)ないことはないだろうなとは思っていたんですが、実際に起こるとびっくりしたというのちょっと違いますけど、来たなって感じでした」と語る小松代表。
「転機はこれまでいろいろありましたが、何か行動を起こしているとありがたいことに恵まれて、いろいろな人たちに助けられてきました。(F1を舞台に仕事を始めて)ここまで21年、長いと思ったことはなく、あっという間という感覚でもない。常に目の前のことを一生懸命やっていて、中期的、長期的なゴールも見なきゃいけないし、毎年違ったチャレンジがある。すべてが延長線上ですね」
「レースエンジニアからチーフエンジニアになった時も、車走らせるのが大好きだったのレースエンジニアを10年くらい続けたかった。でも、チーフエンジニアの機会なんて毎年あるわけではないし、レースエンジニアをやっていた4年間で自分だったらどう走らせようかいろいろ考えてもいたので、(チーフエンジニアを)じゃぁやってみようって。今までなんでこうやらないんだろうってことが自分の責任でできるので面白いですよ」
「今回(代表就任)も同じです。前の立場でも、ずっとギュンター(・シュタイナー元ハースF1代表)に提案をしてきた。じゃぁ、お前がやれと言われたら責任持ってやればいいわけですよ」
「いい挑戦だと思うんですよね。自分の中では、失敗ということはないと思っています。例えば、結果が出なくてクビになったとした時、世間的に見たら失敗に見えるかもしれないけれど、僕の中では全力を尽くしてやっていれば絶対失敗ではないと思います。次に活きてくるはずだから。そういう機会に恵まれた時は、やっぱりやりたいですよ!」と何事にも常にチャレンジ精神で向き合っているようだ。
ここまでの3戦については、「今年の車というのは、僕が代表になる前からもう作り始められていて、ベースは何も変えられない。これまでチームがひとつとなって戦えていなかったので、とにかくひとつのチーム、戦えるレースチームにしたいというのにフォーカスしました」
「就任発表から言い続けて、プレシーズンテストをして、ここまで第3戦までやってきて、チーム一丸となって戦えているというのがあるので、すごくうれしいです。みんな活気があるし、明るい。ドライバーも今年よくやってくれているんですよね。運転だけじゃなくて、他のすべての面でチームの一員として。本当に真価が問われるのはアップデートを入れた時ですよね」と振り返る。
現在、6ポイントを獲得しコンストラクターランキング7位に付けるハース。
「思った以上に戦えています。まさか6位とか7位で戦えると思っていなかった。やることはいっぱいあるけれど、レースチームとしての機能は良くなってきたので、レースペースはまだよくないにも関わらずポイントが狙える位置にいられる。肝心な時のピットストップなども徐々に良くなっている。チームも活気に満ちていますね」と小松代表。今の状況が楽しいかと聞かれると「めちゃくちゃ楽しいですよ」と笑顔で即答する。
春開催となった鈴鹿戦については、「秋から春に変わるのはエンジニア目線ではあまり関係ないですね。車がまだアップデートを入れらる段階じゃなく開幕仕様の車なので、エンジニア目線で言えばセクター1が本当に辛いだろうなと思っています(苦笑)」
「うちのチームの車の弱みが、残念ながら高速コーナーなんですよ。だからあの鈴鹿のセクター1をどうやって切り抜けて、予選でまぁまぁのところにつけて、あとはレースでちゃんとストラテジーをやれるか……。観戦に来られる方は大変かもしれないですが、雨が降ってくれた方がうちにはチャンスがあるかもしれない」とコメント。
最後に今後についてのビジョンを聞かれた小松代表。
「今ある規模のチームで、まだいろいろよくできることがいっぱいある。時間の効率なり、お金の効率なり、組織なり、いろいろありますが、とにかく効率良くしていって、今の枠組み、今の資金の中で、もうこれ以上ないというところまで早くいきたいんですよね」
「そこまで行けば、オーナーは絶対投資してくれると思う。その投資がないと次には行けないので、ここまでチームとしてできるんだよということを証明しなきゃいけない。能力ある人がいっぱいいるのでチーム一丸となってやれば行けると思う」
「マジックなんてないんですよ。ちっちゃいことの積み重ねで、レース結果を考えていてもしょうがない。自分のチームをどうしたら良くできるかということだけに集中していけば、結果はついてくると思うんですよね」と力強く語り、集まったファンからは小松代表に期待する大きな拍手が起きていた。
終始、笑顔を見せトークショーを後にした小松代表。鈴鹿でもハースF1が快進撃を見せられるだろうか?
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