人間の平均寿命にあたる、クルマの平均車齢は、平成30年3月末の乗用車3953万3782台(軽自動車を除く)の平均車齢は8.60 年で、前年に比べ0.07年延び、26年連続して高齢化するとともに24年連続で過去最高を更新しています。
いっぽう、軽自動車の平均車齢も平成20年の6.66年から平成30年の8.50年(軽乗用)と、過去最高を記録しました。
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なぜ、これだけ平均車齢が延びたのでしょうか? では、クルマを長持ちさせるのは、毎日走らせた方がいいのか? それとも週に1、2回もしくは月に1回といった感じで、あまり走らせない方がいいのか?
自身、レガシィを約28万kmを走破し、現在、約18万km走行のモビリオのオーナーでもある、モータージャーナリストの鈴木伸一氏が解説する。
文/鈴木伸一
写真/ベストカー編集部 Adobe Stock
■クルマはどれほど長持ちするのか?
ベストカーの社有車、初代プリウスは37万kmを突破。ちなみに駆動用バッテリーは3個交換
クルマは購入したものの乗る暇がなく、走るのは休日の週1回。場合によっては月1回なんて人も多いことだろう。
そんな使用状況でもバッテリーが生きているかぎり、普通に動いてしまうが、「少しでも長持ちさせたい」と考えた場合、注意が必要だ。年数を経過したときの各部のヘタリ具合に差が出てくるからだ。
ほぼ毎日、クルマを走らせているタクシーの寿命は40万~50万km。そのタクシーのクルマの入れ替え時が、もっとも頑丈なデフレンシャルギヤが壊れたときとのことで、クルマ本来の寿命はかなりある。
距離を走れば当然、消耗品の交換も必要となり、業務車両の場合、それなりのメンテも行われているがゆえ……と捉えることもできる。
しかし、一定のコンディションを維持できる最大の要因は「コンスタントに走らせている」という点にある。
定期的に身体を動かしていた人が日々のトレーニングを怠ったり、ケガや病気で長期間入院したりすると元のペースでは動けなくなり、復帰のためのリハビリに多くの時間が必要となる。
■動かさず置いておくだけが一番最悪!
これはクルマも同様で、動かさずに置いておくだけという状況が、もっともコンディションを悪化させる原因となる。
機械物は「動かさずに置いておく」と動きが渋くなり、スムーズに動かせなくなる。単純な機械でさえ、そんな傾向にあるだけに、何万というパーツが組み合わさっているクルマの場合、多方面に影響を及ぼすことになるからだ。
例えば、粘度のあるオイルといえども時間が経てば垂れ落ちるため、エンジンオイルやミッションオイルは潤滑面から流れ落ちてしまい、回りが重くなる。そんな状態で無理に回せば、エンジンやトランスミッションを傷めることも。
ガソリンも流れていることで新鮮さを保っており、滞留させると腐り(揮発成分が蒸発して異様な臭いを発するようになる現象で、燃料系の詰まりや燃焼不良の原因となる)やすくなる。
川の水は常に流れているからきれいなのであって、流れが止れば澱んで濁ってくる。それと同じだ。
また、冷却水ホースやブレーキホースといったホース類、オイルシールなどのゴムパーツは動かさずに置いておくと、変形したまま硬化。
ヒビ割れやすくなったり、シール面が回転に追従しきれなくなってオイル漏れを起こすようになる。
熱がかかって柔らかくなり、絶えず揉まれて伸び縮みすることで弾力を保っているからで、長期間放置すればタイヤも変形する。駐車中、荷重が一点にかかりきったままとなるからだ。
■1週間に一度はエンジンをかけて最低30分は走らせたい!
愛車のオイルの汚れや量をチェックしていますか?
このようなクルマの倦怠感、筆者も実際に経験している。締め切りの関係で、1~2週間クルマに乗れないことがたまにある。
このようなときの最初の走り出しはエンジンの回りが重く、突然のトラブルに見舞われるケースも多いのだ。
このため、「長期間、乗らずに置いておくなら1週間に1度くらいはエンジンをかけたほうがよい」と、よく言われる。
これは正しくもあり、間違いでもある。エンジン以外の足回りなどのリハビリも必要で、実際に走らせなければ意味がないからだ。
だからといって、ただ走ればいいというものでもない。エンジンオイルには燃焼室から吹き抜けた燃焼ガスも混ざり込むため、十分暖まって燃焼が安定する前にエンジンを止めてしまうと未燃焼ガスが混入。
これはエンジンオイルを劣化(粘度が低下する)させることになるので、近所への「ちょい乗り」はクルマのためにはならない。
1週間以上動かしてなかったら最低30分、距離にすれば往復15km、片道6~7kmくらいは走らせる必要がある。
■長持ちさせるためにはどれくらいのペースで走らせればいいのか?
消耗品であるブレーキパッドは減ってきたらしっかり交換しよう
では、長持ちさせるためにはどれくらいのペースで走らせればいいのだろうか?
筆者は過去に、昭和モデルのカリーナサーフで18万km、平成初期のレガシィで28万km走破した。2車種ともに、コンディションを維持するために細部までかなり手を入れる必要はあったものの、コンスタントに走らせていたため末期まで調子よく走ることができた。
この際の年間走行距離は平均「2万km」。週に2~3回、1日で往復200km弱。多い日にはその倍くらい走るという状況で、近場でも少なくとも15~20kmは走らせていた。1日平均すると50~60kmだ。
現在、平成中期のモビリオに乗っており、年間走行距離は「1万5000km」と若干、減ったものの18万kmを突破して、ドライブシャフトブーツは健在。ウォーターポンプも新車時のままで、水漏れ1つなし。ホイールベアリングも前後ともまだ1度も交換していない。オルタネーターもキッチリ発電。
フットブレーキも一切オーバーホールしていない(ブレーキフルードは2年ごとに交換している)ものの、末端までキッチリ油圧がかかる状態を維持している。サスペンションもフワ付くこなく、路面の衝撃をキッチリ吸収する。
これら各部の耐久性、平成初期までのクルマとは比較にならないほど格段に向上。油脂類とタイヤ、バッテリー、スパークプラグ、ブレーキパッドといった消耗品のみの交換で済んでしまっている。
このように耐久性が格段に増している近年のクルマであれば「年間1万5000km」。「1ヶ月1250km前後」を目処に、あまり日数を空けることなく(長くとも1週間)コンスタントに走らせれば、一定のコンディションは維持できるだろう。
ただし、油脂類と消耗パーツの適切なサイクルでの定期交換は必須で、これが絶対条件となる。
また、長持ちしたとしても、スムーズに気持ちよく走れなければ、乗っていてストレスが溜まるため、走らせ方にも注意が必要だ。
例えば、エンジン回転を抑えてトロトロと走るだけで、アクセルをガバッと開ける走りをしなかったクルマのエンジンはヘンな回り癖がつく。
回さずにいると燃焼室内にカーボーンが堆積してやすくなるからで、吹け上がりがもたつく感じとなり、高回転域の伸びも悪くなってくるのだ。
無理な負荷をかけなければ回したことが原因でエンジンがヘタることはないので、たまには目一杯、引っぱって加速するなど、メリハリのある運転をすることが大切だ。
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