2023年12月6日、スズキのコンパクトカー「スイフト」が4代目へ進化を果たした。2023年10月に開催されたジャパンモビリティショー2023に参考出品され話題を呼んだ新型スイフトは、より先進的で、より個性が増した。そんな期待のグローバル戦略車を姿を解説する。
ひと目見て印象に残るエクステリアデザイン
エクステリアデザインは歴代スイフトの特徴であるスポーティな雰囲気はそのままに、どこか柔らかさや優しさを感じさせる。これは、先代のスタイリッシュなデザインはスポーティな乗り味を想像させるものだったが、それたがゆえに購入を控えたという人もいたからだという。
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ある意味、スポーティなイメージはスイフトが目指した姿だったと思われるが、一定数の顧客予備軍からはそれが購入へのハードルを上がってしまった。そこで新型スイフトではハードルの高さを巧みなデザインによって低くしたというわけだ。実車を見ると、確かにスイフトとわかる見た目ながら、尖った感じはない。また丸みを帯びたデザインは、実寸よりも大きく伸びやかに見える。
ボディサイズは全長3860×全幅1695×全高1500mm、ホイールベース2450mmと先代とほとんど変わらない。最小回転半径も4.8mと、取り回しのしやすさは新型でも健在である。
7年かけて開発された新しいボディカラーを採用
新型スイフトのエクステリアにおいて、もうひとつの注目点がボディカラーである。2カラーを新色として採用したが、そのこだわりぶりに驚いた。というのも、2色のうちの「フロンティアブルーパールメタリック」は、じつに7年の歳月をかけて量産までたどり着いたというのだ。
この新色、ブルーとパールの顔料を塗る前に、微細なアルミ顔料を塗膜している。これによってボディの造形に陰影がはっきりと出る効果があるという。そしてこの美しいブルーの品質を維持しながら、量産体制に持ち込むまでに7年かけるというこだわりようには驚かされた。
そのこだわったボディカラーを目の当たりにすると、陰影の濃さによる造形の豊かさを感じることができた。これまではブルー系のボディカラーを選択してこなかった人でも、実車を見れば積極的に選択したくなるかも、そう思わせる魅力的ないろだった。
まったく新しい造形のインテリアに新時代のスイフトを感じる
こだわりの外装色や造形を採り入れたエクステリアもさることながら、インテリアの大胆な意匠チェンジも要注目だ。丸型のパーツを随所に採り入れた先代と異なり、伸びやかで一体感のあるインテリアとなっている。
まず注目したいのが、全車共通で採用されたホワイトカラーのオーナメントだ。立体造形の3Dテクスチャーを施したことで、樹脂パーツながら思わず触れたくなるような質感が特徴だ。さらにこのオーナメントがフロントドアトリムからインパネまでを包み込むように配置されたことで、広々感とパーソナル感をうまく両立している。
機能的な進化に目を向けると、先代比で140mmも高く配置されたセンターディスプレイは、9インチの純正ナビゲーションやディスプレイオーディオと組み合わせるという、非常に先進的でイマドキな装備。またドライバーの使いやすさを考慮して、ディスプレイやエアコンパネルがドライバー側に傾けられているのはスイフトらしくて好印象だ。さらに純正ナビゲーションには「ドライバーモニタリングシステム」をスズキで初めて搭載。眠気や居眠り、脇見をカメラで検知して警報で知らせる。安全性能も向上したのもトピックだ。
このほかにも安全性能は大幅な進化を遂げた。最上級グレード「ハイブリッド MZ」には電動パーキングブレーキを搭載。これによりブレーキホールドやACCの渋滞追従機能に停止保持も加わった。これ以外のグレードにおいても、ACCの採用や新開発の衝突被害軽減ブレーキを搭載した「デュアルセンサーブレーキサポートII」を全車に標準装備しているのも嬉しい。
新開発のエンジンを搭載し、ハイブリッド車で初のMTを用意
スイフトはスズキ随一の走行性能を持つ車種だが、その新型に与えられたパワーユニットは新開発の1.2L直3エンジン「Z12E」だ。このエンジンは圧縮比を高めることで燃焼効率を上げ燃費を向上。さらに上位2グレードにはマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、力強い走りと低燃費を両立させた。
ここで注目したいのが、マイルドハイブリッドの「HYBRID MX」の2WD(FF)車にはCVTのほかに5速MTを用意している点だ。これはスズキの国内販売車種では初であり、新型スイフトで最も省燃費なグレードがこのMT仕様であることも興味深い。気になる燃費はWLTCモードで25.4km/Lを実現し、エコカー減税も唯一の免税対象である。積極的に選んでみたくなる、そんなグレードだ。
ちなみに、走り好きの方は当然スイフトスポーツの存在を期待するだろう。しかし残念ながら、今回の取材ではその詳しい情報は得られなかった。続報にご期待いただきたい。
あえて選びたくなる、そんな魅力を秘めた新型スイフト
軽自動車の高性能化で5ナンバーサイズのコンパクトカーの販売状況は正直なところ苦しい。ここ数カ月のスズキの国内販売データを見ても、登録車の販売台数は軽自動車の1/5~1/4といったところだ。軽自動車の方がコンパクトカーよりも、ボディが小さくわりには車内は広く運転しやすい。さらに税金も安く、そして走りも年々歳々、急成長しているからだ。一方でコンパクトカーはカーシェアやレンタカーでよく見かけるが「愛車」としては選択されないセグメントになっている気がする。
そんな状況において、自分の愛車としてコンパクトカーが選ばれるために必要な魅力とはなんだろうか。その答えとして、唯一無二のデザインとこだわりの詰まったコンセプト、高い走行性能、パーソナル感などが挙げられると筆者は考える。すると新型スイフトは、そういった魅力を存分に秘めているのではないかと感じられた。
新型スイフトは、生粋のファンからこれまでスイフトに硬派なイメージを持っていた方まで、ぜひ一度触れてほしいと思えるような仕上がりだった。今回は試乗こそ叶わなかったが、走りにも相当な期待を持っても裏切られることはなさそうである。
[ アルバム : スズキ スイフト はオリジナルサイトでご覧ください ]
スイフト HYBRID MZ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3860×1695×1500mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:950kg(2WD)/1020kg(4WD)
●エンジン種類・排気量:直3DOHC+モーター・1197cc
●エンジン最高出力:60kW(82ps)/5700rpm
●エンジン最大トルク:108Nm(11.0kgm)/4500rpm
●モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1100rpm
●モーター最大トルク:60Nm(6.1kgm)/100rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF/4WD
●WLTCモード燃費:24.5km/L(2WD)/22.7km/L(4WD)
●タイヤサイズ:185/55R16
●車両価格:216万7000円(2WD)/233万2000円(4WD)
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みんなのコメント
当たり前です他社はウソついてます
CVTの方が燃費が良い というウソをみんな信じてます
CVTは燃費スペシャルをわざわざ作って
データを取ります そう良い燃費データを取る為だけに
M/Tの方が 軽い 効率がいい なので
実走行では M/Tの方が燃費が良いです
正直なデータを出すスズキさんに拍手します