この記事をまとめると
■「リターダー」はトラックやダンプの第4のブレーキ
【今さら聞けない】ブレーキを踏んだときの「キィー」という音の正体は?
■大きくわけて流体式と磁性式の2種類がある
■磁性式のユニークな仕組みについて解説
トラックやダンプには第4のブレーキが存在する
クルマのブレーキにはいくつかの系統がある。各車輪にはドラムブレーキやディスクブレーキが組み込まれていて、フットブレーキやパーキングブレーキとして機能する。また、走行速度とエンジン回転のギャップを抵抗として利用するエンジンブレーキはドライバーの操作技術のひとつだ。
ハイブリッド車にはモーターを発電機として利用して、その発電抵抗をブレーキとして考える回生ブレーキが機能として備わる。トラックの場合、エンジンブレーキの効果を高める排気ブレーキも使われている。フットブレーキを第1の、サイドブレーキを第2の、そして排気ブレーキを含めたエンジンブレーキを第3のブレーキと考えることができるわけだ。
トラックやダンプにはもうひとつ第4のブレーキたる、リターダーという制動補助装置がある。これは、フットブレーキを酷使してしまうとブレーキが高温になりすぎて、摩材の摩擦力が低下してしまうフェード現象が起こり制動不能に陥ってしまうため、摩擦ブレーキの補助として利用するものだ。このリターダーは変速機の後部、プロペラシャフトの前に組み込まれ、制動時に抵抗を発生させることでフットブレーキの負担を軽減する。リターダーには大きくわけて流体式と磁性式の2種類がある。
流体式は液体(水やオイルなど)を使って、その攪拌抵抗をブレーキとして利用する。大きな制動力を発生することができるのが特徴だ。磁性式は文字どおり磁力を利用するもので、磁力の大きさによって制動力の強さを選択して搭載することになる。比較的安価で重量も重過ぎず、耐久性が高いことが特徴だ。流体式は流体クラッチ、すなわちトルクコンバーターと原理は同じだ。磁性式の仕組みがユニークなので、ここでちょっと解説したい。
中心にあるアルミ合金性の円盤の外周には磁石が連続的に埋め込まれており、極性が交互になっている。SとNの引き合う力を利用するのだが、リターダーを利かせないときには、外側の円盤に埋め込まれた鉄のブロックが、SとNの磁石を直接つないでいる。これによって、電気抵抗は発生しない状態なのである。
逆にリターダーをきかせるときには、外側の円盤をわずかに回転させて円盤の外側まで磁力を経由させる。これによって円盤内に電気抵抗が起こり、熱エネルギーに変換されるのだ。
家庭などで使われているIHクッキングヒーターと同じようなことを行い、回転エネルギーを熱エネルギーへと変換する。これは非常に効率がいい部分だが、最終的には熱エネルギーを有効活用せず捨てているのが現状だ。
考えてみれば、この磁性式リターダーはモーターが発電する仕組みに近い。ならば回生充電する装置へと発展してもよさそうなものだが、磁性式はシンプルな構造で実現できるのに対し、モーターや発電機になると2ランクくらい生産のハードルが上がってしまう。それゆえ、メーカーとしてはかなりリスクの高い挑戦となるようで、結局、リターダー以上の発展へと繋がっていないのだ。
しかし今後は電動車両への移行は確実。そうなったらリターダーも単に制動力確保だけでは生き残れない。これからどのように磁性式リターダーが発展するのか、興味をもって見守っていきたい。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「コンパクトSUV」で32年ぶりの復活! “カクカク”デザインのレトロスタイルが超カッコイイ! 新型「4(キャトル)」フランスで発表
全長3.7mで「7人乗れる」! トヨタ「シエンタ」より小さい「国産3列ミニバン」が凄い! ほぼ「軽サイズ」で“街乗り最強”の「超小型モデル」とは!
軽自動車初!! 新型[ワゴンR]がフルHV搭載!? 燃費に期待大でしかも130万円で登場なるか
ホンダが新型「プレリュード」まもなく登場! 22年ぶり復活の「2ドアクーペ」に反響多数! 美麗デザインの「新モデル」に「名前だけでも欲しくなる」声も
「100km信号なしの国道バイパス」全通秒読み! 名豊道路“現在の終点”が最終形態に 残り区間の工事進む
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
電動化への移行は確実?
何を元に?