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BTCC共通ハイブリッド“実戦テスト”は「我々が望むすべてを達成した」来季の新燃料導入も発表

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BTCC共通ハイブリッド“実戦テスト”は「我々が望むすべてを達成した」来季の新燃料導入も発表

 9月25~26日に開催されたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第8戦シルバーストンでは、2022年の本格導入を予定する共通ハイブリッド機構搭載のテストカー『トヨタ・カローラBTCCハイブリッド(現『トヨタ・カローラGRスポーツ』)』が実戦参加を果たし、BTCCの新たなハイブリッド時代に向け「堅実なスタートを切ると同時に最高の『クランクアップ』も迎え、我々が望むすべてを達成した」と盤石の船出を飾った。

 加えてBTCCのシリーズ運営を担うTOCAは、初のハイブリッド技術導入を前に『持続可能な新燃料』に移行する計画も発表し、同時に競技中のトラック上の安全性を向上させることを目的に、新たな“車載信号システム”の導入もアナウンスしている。

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 2020年よりTOYOTA GAZOO Racing UKとして参戦するスピードワークス・モータースポーツ(SWM)が車体製作を手掛け、コスワース・エレクトロニクス社が開発を担当した共通ハイブリッド機構を搭載した『トヨタ・カローラBTCCハイブリッド』は、このシルバーストンの週末に向け、従来のスウィンドン・パワートレイン社に代わり、来季から新たに“TOCA共通エンジン”の供給を担うMスポーツ社製の新共通エンジンとの組み合わせでトラックに姿を現した。

 この車両のテスト兼開発ドライバーを担当する2013年BTCC王者アンドリュー・ジョーダンのドライブでレースウィークエンドに参加したカローラ・ハイブリッドは、土曜のセッションを通じてセットアップとシステムチェックに取り組んだ後、計画どおりにピットレーンから3ヒートのレースすべてに挑むと、20位のベストフィニッシュを記録した。

 また、スピードトラップでの最高速こそトップではなかったものの、レース2では全体のファステストラップも計時。開発中のシステムとカローラは週末を通してハイブリッド・パワーを首尾一貫して展開し、ラップあたり最大15秒間で約10%のパワー増加を実現していることを証明するパフォーマンスを披露した。

「ハイブリッドカーが達成した速いラップは、グリッドの他のモデルとまったく同じタイヤで走り、通常のレースセットアップと同様に、マシン固有のパフォーマンスを強調するものでもある」と語るのは、シリーズの最高経営責任者であるアラン・ゴウ。

「今回は実戦参加したとは言え、実際に競技の場で順位を競うのが目的ではなかった。しかしハイブリッド・システムは、そのパフォーマンスを達成するために“単に走った”だけでなく、実際にタイミングデータが示しているように、レース2で最速のラップタイムを設定した。そのヒート間で最速のスピードトラップを記録していなくても、ね」と続けるゴウ。

■「全体として非常に成功したデモンストレーションになった」と評価

「この週末にシルバーストンで目撃した新開発ハイブリッドの成果を、我々は皆喜んでいる。このクルマは我々が望むすべてを達成したからね。主な目標は、週末の『レース・シークエンス』全体を無事に経験することだった」と、改めてその狙いを解説した同氏。

「マシン、システム、そしてパートナーであるコスワースとMスポーツに、レースウィークエンドがもたらす“ストレステスト”を実施したようなものだ。競争の激しいライフサイクルの最初の段階ではあるが、現行のNGTC規定車とのパフォーマンスを比較し、全体として非常に成功したデモンストレーションになった」

「2022年シーズンの完全な導入に先立ち、ハイブリッド・プロジェクトの開発サイクルは(BMW125i Mスポーツ・ハイブリッドも含め)次のフェーズに進んでいくだろう」

 またBTCCは、過去26年間にわたりノーブランドのガソリン供給を担当してきた地元石油企業ホルターマン・カーレス社と2022年から2026年までの新たな供給契約を締結し、ここ数か月の入札プロセスを経て「新しい、より持続可能な新燃料に移行する計画」をアナウンスした。

 この『Hiperflo R20(ハイパーフローR20)』と呼ばれる燃料は、9月初めにイギリス市場で導入された新しいE10燃料よりも「さらに環境負荷が低い」とされ、15%の第2世代エタノール含有量と、5%の再生可能炭化水素を含む合計20%の再生可能成分を特徴としている。

 すでにMスポーツを筆頭に、名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のBMWエンジンや、ホンダ系トップチームのチーム・ダイナミクスのエンジンチューンを手掛けるニール・ブラウンや、フォード系のマウンチューンなども、パフォーマンス低下がないことを確認する新燃料の小規模バッチテストを実施したという。

 また、2022年に向けては新たな視覚信号システムの導入も計画され、オフィシャルやレースコントロールより、各車両のダッシュボード上にイエローフラッグゾーンやレッドフラッグによるセッション停止を通知することが可能な、新ビジュアルシステムを搭載する。

 これにより、ドライバーにはトラック制限を超えた場合の警告や、セーフティカーをトラックに送り出すかどうかの導入タイミングも告知され、システムはトラックサイドにある従来の旗やライトボードと一緒に運用される。

「これはBTCCドライバー、そしてトラックサイドのマーシャルにとって非常に重要な安全性の強化であり、我々の大切なサポート選手権(ポルシェ・カレラカップGB、ミニ・チャレンジ、ジネッタJr.チャンピオンシップなど)でも採用される」と前出のアラン・ゴウ。

「この重要なセイフティ・ツールは、安全プロトコルの本質的な部分であり続ける従来のフラッグシステムを補完する存在であり、置き換えるものではないことは強調しておきたい」

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