現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本車が求め続けてきた「小さな高級車」の最適解か?? レクサスLBXの魅力と実力

ここから本文です

日本車が求め続けてきた「小さな高級車」の最適解か?? レクサスLBXの魅力と実力

掲載 27
日本車が求め続けてきた「小さな高級車」の最適解か?? レクサスLBXの魅力と実力

 2023年6月5日にイタリア ミラノで世界初公開された、レクサスの新型コンパクトSUV「LBX」。ヤリスクロスとほぼ同サイズという、コンパクトなハイブリッドカーながら、ラグジュアリーで清潔感のあるレクサスクオリティを備えているとして、期待されているモデルです。

 「小さい高級車」として販売されたモデルといえば、シックで上質な内外装としたマツダ「ベリーサ」(2004年~2016年)や、「コンパクトミーツラグジュアリー」の謡い文句で登場した日産「ティーダ」(2004年~2012年※国内)、トヨタ車でいえば、(そこまで小さくはなかったですが)「プログレ」(1998年~2007年)などが登場していますが、どれも大成功したとはいえない販売に終わっています。はたしてこのレクサス新型LBXは、「小さな高級車」の最適解となるのでしょうか。

日本車が求め続けてきた「小さな高級車」の最適解か?? レクサスLBXの魅力と実力

文:吉川賢一
写真:LEXUS、TOYOTA

ワイド&ショートなボディに大径タイヤ、欧州で好まれそうなスタイリング

 レクサス新型LBXの(プロトタイプカーの)ボディサイズは、全長4190×全幅1825×全高1560mm。ヤリスクロス(4180×1765 1580)と比べると、全長はほぼ同じですが、全幅は60mmもワイドボディとなっており、これは、都市部では路上駐車をするためにコンパクトな全長が、郊外に出れば高速道路を安定して走るために広い全幅が、それぞれ求められる欧州市場を強く意識していることを表しているといえます。欧州では、全長は抑えて全幅を広げる傾向が強くなっており、スモールカーのスタンダードだったフォルクスワーゲンポロですら、いまや全幅1750mもあります。

 欧州市場には、アウディQ2やフィアット500Xなど、ラグジュアリー系のスモールSUVも少なくなく、新型LBXはこれら強豪相手に、販売競争を繰り広げていくことになりますが、新型LBXのワイド&ショートなデザインや、大径タイヤなどは、欧州で好まれそうなスタイリングです。ただ、インテリアに関しては、写真で見る限り、造形が無難すぎるようにも感じられ、近年のトヨタ車クオリティにとどまっているようにもみえます。

新型LBXは全幅1825mm、ヤリスクロスよりも、全幅は60mmもワイドボディとなっている

LBXのインテリア。質感の高さは流石のレクサスクオリティだが、無難にみえる造形は好みがわかれるところかも

[usedcar-search brand_cd="1010" body_cd="5,7" car_cd="10101081" keyword="ヤリスクロス" limit=30]

3気筒エンジンのプアな音質が、どれほど対策されたかが気になる

 パワートレインは1.5L直列3気筒のガソリンエンジン+モーターで、電気出力のレスポンスがいいバイポーラ型ニッケル水素電池によるハイブリッドユニットを搭載。このバイポーラ型ニッケル水素電池といえば、日本のアクアで初採用されたユニットで、アクセルに対する反応の良さや力強さは、非常によいものがあります。

 プラットフォームには、ヤリスクロスなどが使ってきたGA-Bプラットフォームを改良し、ハイスピード走行でも細かい修正操舵ができるハンドリングのよさと、荒れた道でも安定して走り続けることができる、しなやかなサスペンションセッティングを施したことで、あらゆる速度域での乗り心地を向上させたそう。ヤリスクロスで体感できる軽快さを、さらに進化させているレベルを想像すれば、なかなかのハンドリングマシンに仕上がっているものと考えられます。

 不安なのは、ヤリスクロス(ハイブリッド)でどうしても気になった、3気筒エンジンのプアな音質。「ガー」という音が聞こえた瞬間に、他の性能がどれほどよくても、残念な印象になってしまいます。新型LBXでは、エンジンにノイズや振動を抑えるバランスシャフトを追加したり、モーターやトランスアクスルを最新世代のユニットを採用し、ロードノイズやエンジン騒音対策を念入りに行っているとしていますが、この点がどれだけ解消されているかは、気がかりなところです。

ヤリスクロスハイブリッドの「ガー」というプアな音質は、ラグジュアリーSUVからは聞こえてほしくない!!

日本では微妙ながら、欧州では活躍が期待できる!!

 現時点のレクサスラインアップの最小モデルのUXは、全長4500mm。全長4200mmのLBXがデビューすれば、レクサスの新たなエントリーモデルとなりますが、価格は400万円オーバーが予想され、国内ではハリアーが買えてしまう値段となります。

 おそらくセカンドカーとして購入するケースが多数となると思われますが、それでも、所詮はBセグメントのコンパクトカーに、400万円ものお金をつぎ込むユーザーがどれほどいるのかは気がかりなところ。LSやRXなど、より大きくて高価なレクサス車を所有しているユーザーの中には、「LBXなんてレクサスじゃない」と考える人もいるかも知れません。肩肘張らずに乗ることができるコンパクトな高級車があってもいいとは思いますが、「大きいからこそ高級車」という思想を持つ人は多いはず。見栄を張り勝ちの日本人に、この手のコンパクト高級車がささるのかは、非常に興味があるところです。

 日本で売れなくても、メイン市場である欧州で売れればいいわけですが、欧州ではレクサスのブランド力が日本や北米ほど強くなく、その点に関して不安はあるものの、前述したような理由で、欧州ではコンパクトな高性能車の需要が高いことを考えれば、実力を備える新型LBXは、欧州ではそこそこ活躍してくれるのではないでしょうか(思いきって300万円台前半のグレードを用意すれば、レクサスブランドの切り込み隊長として日本でも一気に普及する可能性もある)。

 ラグジュアリーメーカーのコンパクトカーとして、新型LBXは、羨望される存在になれるのか!!? 目の肥えた富裕層にも受け入れられるのか!?? 登場が非常に楽しみです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
日本発の「ペダル踏み間違い防止装置」、世界標準へ…国連が基準化
レスポンス
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
写真で見るニューモデル 光岡「M55ゼロエディション」
日刊自動車新聞
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
旧ビッグモーター、車両の修理不正もビッグに8万件、補償総額数十億円も[新聞ウォッチ]
レスポンス
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
motorsport.com 日本版
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
レスポンス
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
motorsport.com 日本版
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
くるくら
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
くるまのニュース
これはクセスゴ!!  オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
これはクセスゴ!! オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
バイクのニュース
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
レスポンス
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
カー・アンド・ドライバー
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
日刊自動車新聞
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
AutoBild Japan
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
VAGUE
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
Webモーターマガジン
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
WEB CARTOP
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
くるまのニュース

みんなのコメント

27件
  • あん
    小さな巨人軍
  • hab********
    求められてこなかったから出しても売れなかった。
    いまだに大きいが偉いがまかり通る”足るを知らない”日本市場。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村