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迫力はF1を凌ぐ! マシンの重量は5トン! 巨大トレーラーヘッドだらけの「ガチレース」が開催されていた

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迫力はF1を凌ぐ! マシンの重量は5トン! 巨大トレーラーヘッドだらけの「ガチレース」が開催されていた

 この記事をまとめると

■ヨーロッパではトレーラーヘッドを使用したレースが開催されている

高速でカッ飛んでいくけど大丈夫? 質素な商用バンが速く走れるワケ

■FIAが主催している本格的なレースで欧州では著名なレーシングドライバーも参戦している

■バイオフューエルやタイヤのリトレッド技術などを導入しており環境対策も考慮されている

 大型トラックを使ったガチレースがヨーロッパで大人気!?

 軽トラが日本の社会や生活などいろいろなシーンに根付いているように、ヨーロッパでは大型トレーラーが人々の間に馴染んでいるようです。

 というのも、かの地ではF1を主催しているFIAが、トレーラーヘッドのレースをオーガナイズしており、年間集客数が50万人をゆうに越える人気イベントとなっているのです。

 トレーラーヘッドといわれてもピンとこないものですが、1500馬力を発生する1万3000ccターボディーゼルエンジンを搭載し、5300kgにおよぶ車重をもった巨大なトラック(キャビンのみ荷台ナシ)といえばお察しいただけるかと。あまりに大きいため、どこのサーキットでもピットのガレージには収まらず、特設カープールが用意されるほど。そんなどデカいクルマ同士が火花を散らして争うレースですから、迫力はF1を大いに凌ぐといっても過言ではないでしょう。

 ヨーロッパのメジャーなトラックメーカーがそれぞれワークス、セミワークス的なチームを組織してエントリーしており、MANやIVECO、昔はサーブ・スカニアと呼ばれたSCANIA、もちろんボルボやメルセデスといった日本でも馴染あるメーカーが名を連ねています。

 FIAがオーガナイズするはるか以前からトラックのレースは開催されていましたが、個人的には「イロモノレース」といった印象がぬぐえないものでした。1990年代にニュルブルクリンクで観戦した際、デカいトラックがわざとぶつけ合っているかのようにクラッシュや接触ばかりで、まともなレースとしては見ていられませんでした。

 しかし、前述のとおりFIAが各メーカーをまとめあげ、練り上げられたレギュレーション、観客を魅了するゲームルールを適用することで、大人気のコンテンツへと生まれ変わったといえそうです。たとえば、時速160kmに制限された最高速によって、激しいバトルは生じるものの目を覆いたくなるようなクラッシュはなくなったとのこと。これだけの質量があるトラックが160km/h以上で衝突した場合、衝撃に耐えうるサーキットの防壁は存在しないのです。

 当然、トラック同士の衝突に際しても安全マージンがとられていることは言うまでもないでしょう。

 トラックレースならではの装備が満載!

 また、こう見えて空力パーツの開発もシビアに行われているといったら驚かれるでしょうか。レースごとに、フロントスポイラーやリヤエンドのカウルパーツなど、細かく変更されているそうです。これは市販車へのフィードバックが最大の目的で、長距離を走る実用車として、レースは願ってもないテストベンチなのでしょう。もっとも、スポイラーなどは接触すればたちまち壊れてなくなってしまうようですが(笑)。

 レースをしているドライバーたちもまた、個性的なキャリアの持ち主が少なくありません。トラックレースからキャリアを積んだドライバーもいますが、イギリス人のジェイミー・アンダーソンは元ラリードライバーで、唯一の女性ドライバー、シュテフィ・ハルムはヨーロッパGT選手権で活躍していたなど、さまざまなジャンルからエキスパートたちが参入しているのです。そして、58歳とレーサーとしてはベテランクラスのルイス・ルクレンコが2019年に4勝をあげるなど、年齢層が厚いこともトラックレースならではでしょう。

 トラックレースならではのテクニックをひとつをご紹介しておきましょう。さすがに5トンからの車重を受け止めるブレーキの過熱がシビアで、水を噴射して冷却する装置が全車に搭載されているそうです。が、1レースにつき100リットルまでしか使えません。ここぞというときに「噴射スイッチON!」(と叫ぶかどうかはわかりませんが)。ライバルよりコンマ1秒でもブレーキを遅らせて、アドバンテージを築こうというもの。あたかもF1でいうオーバーテイクボタンかのようですが、あちらは加速、トラックになると減速パワーというのが面白い対照かと。

 意外なことに、トラックレースはかなりエコや持続可能性を追求しています。バイオフューエルのみというレギュレーションや、タイヤサプライヤーのグッドイヤーがこのレースのために「リトレッド技術」を提供するなど、こうした特徴からも「イロモノレース」から脱却していることがうかがえます。

 2022年のリザルトを見ると、ヨーロッパで8カ国を転戦しているのがわかります。ニュルブルクリンクやハンガロリンクといったF1でおなじみのコースをはじめ、オールドファンには懐かしいハラマやゾルダーといったコースも名を連ね、さすがFIAらしく見ごたえあるサーキットをチョイスしています。

 また、各国ともギャラリーは現役トラックドライバーが数多く訪れるらしく、駐車場は大型トラックで満車になることもしばしばだそう。やっぱり、レースを観戦した帰路ではカウンターあてるような熱いドライブになるのでしょうか(笑)。

 ともあれ、日本では望むべくもないトラックレース、チャンスがあればぜひライブ観戦してみてはいかがでしょう。大迫力に必ずや胸打たれるものがあるはずです!

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みんなのコメント

9件
  • 今更?レース好き、車好きなら知ってる人が殆どでしょ。
  • 30年くらい前に十勝24時間レースの前座レースで目の前で見た。ノーマル車両だったけどピットから目の前を走る迫力はすごかった。
    1台だけメルセデスが走ってたけど、国産メーカーとは桁違いに早くて、うちのチームの車よりタイムが早かったのを見てちょっとショックうけましたね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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