現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 迫力はF1を凌ぐ! マシンの重量は5トン! 巨大トレーラーヘッドだらけの「ガチレース」が開催されていた

ここから本文です

迫力はF1を凌ぐ! マシンの重量は5トン! 巨大トレーラーヘッドだらけの「ガチレース」が開催されていた

掲載 9
迫力はF1を凌ぐ! マシンの重量は5トン! 巨大トレーラーヘッドだらけの「ガチレース」が開催されていた

 この記事をまとめると

■ヨーロッパではトレーラーヘッドを使用したレースが開催されている

高速でカッ飛んでいくけど大丈夫? 質素な商用バンが速く走れるワケ

■FIAが主催している本格的なレースで欧州では著名なレーシングドライバーも参戦している

■バイオフューエルやタイヤのリトレッド技術などを導入しており環境対策も考慮されている

 大型トラックを使ったガチレースがヨーロッパで大人気!?

 軽トラが日本の社会や生活などいろいろなシーンに根付いているように、ヨーロッパでは大型トレーラーが人々の間に馴染んでいるようです。

 というのも、かの地ではF1を主催しているFIAが、トレーラーヘッドのレースをオーガナイズしており、年間集客数が50万人をゆうに越える人気イベントとなっているのです。

 トレーラーヘッドといわれてもピンとこないものですが、1500馬力を発生する1万3000ccターボディーゼルエンジンを搭載し、5300kgにおよぶ車重をもった巨大なトラック(キャビンのみ荷台ナシ)といえばお察しいただけるかと。あまりに大きいため、どこのサーキットでもピットのガレージには収まらず、特設カープールが用意されるほど。そんなどデカいクルマ同士が火花を散らして争うレースですから、迫力はF1を大いに凌ぐといっても過言ではないでしょう。

 ヨーロッパのメジャーなトラックメーカーがそれぞれワークス、セミワークス的なチームを組織してエントリーしており、MANやIVECO、昔はサーブ・スカニアと呼ばれたSCANIA、もちろんボルボやメルセデスといった日本でも馴染あるメーカーが名を連ねています。

 FIAがオーガナイズするはるか以前からトラックのレースは開催されていましたが、個人的には「イロモノレース」といった印象がぬぐえないものでした。1990年代にニュルブルクリンクで観戦した際、デカいトラックがわざとぶつけ合っているかのようにクラッシュや接触ばかりで、まともなレースとしては見ていられませんでした。

 しかし、前述のとおりFIAが各メーカーをまとめあげ、練り上げられたレギュレーション、観客を魅了するゲームルールを適用することで、大人気のコンテンツへと生まれ変わったといえそうです。たとえば、時速160kmに制限された最高速によって、激しいバトルは生じるものの目を覆いたくなるようなクラッシュはなくなったとのこと。これだけの質量があるトラックが160km/h以上で衝突した場合、衝撃に耐えうるサーキットの防壁は存在しないのです。

 当然、トラック同士の衝突に際しても安全マージンがとられていることは言うまでもないでしょう。

 トラックレースならではの装備が満載!

 また、こう見えて空力パーツの開発もシビアに行われているといったら驚かれるでしょうか。レースごとに、フロントスポイラーやリヤエンドのカウルパーツなど、細かく変更されているそうです。これは市販車へのフィードバックが最大の目的で、長距離を走る実用車として、レースは願ってもないテストベンチなのでしょう。もっとも、スポイラーなどは接触すればたちまち壊れてなくなってしまうようですが(笑)。

 レースをしているドライバーたちもまた、個性的なキャリアの持ち主が少なくありません。トラックレースからキャリアを積んだドライバーもいますが、イギリス人のジェイミー・アンダーソンは元ラリードライバーで、唯一の女性ドライバー、シュテフィ・ハルムはヨーロッパGT選手権で活躍していたなど、さまざまなジャンルからエキスパートたちが参入しているのです。そして、58歳とレーサーとしてはベテランクラスのルイス・ルクレンコが2019年に4勝をあげるなど、年齢層が厚いこともトラックレースならではでしょう。

 トラックレースならではのテクニックをひとつをご紹介しておきましょう。さすがに5トンからの車重を受け止めるブレーキの過熱がシビアで、水を噴射して冷却する装置が全車に搭載されているそうです。が、1レースにつき100リットルまでしか使えません。ここぞというときに「噴射スイッチON!」(と叫ぶかどうかはわかりませんが)。ライバルよりコンマ1秒でもブレーキを遅らせて、アドバンテージを築こうというもの。あたかもF1でいうオーバーテイクボタンかのようですが、あちらは加速、トラックになると減速パワーというのが面白い対照かと。

 意外なことに、トラックレースはかなりエコや持続可能性を追求しています。バイオフューエルのみというレギュレーションや、タイヤサプライヤーのグッドイヤーがこのレースのために「リトレッド技術」を提供するなど、こうした特徴からも「イロモノレース」から脱却していることがうかがえます。

 2022年のリザルトを見ると、ヨーロッパで8カ国を転戦しているのがわかります。ニュルブルクリンクやハンガロリンクといったF1でおなじみのコースをはじめ、オールドファンには懐かしいハラマやゾルダーといったコースも名を連ね、さすがFIAらしく見ごたえあるサーキットをチョイスしています。

 また、各国ともギャラリーは現役トラックドライバーが数多く訪れるらしく、駐車場は大型トラックで満車になることもしばしばだそう。やっぱり、レースを観戦した帰路ではカウンターあてるような熱いドライブになるのでしょうか(笑)。

 ともあれ、日本では望むべくもないトラックレース、チャンスがあればぜひライブ観戦してみてはいかがでしょう。大迫力に必ずや胸打たれるものがあるはずです!

こんな記事も読まれています

「えっ…9000円!?」 ガス欠って“違反”なの!? 条件次第で変わる道交法…何がアウト?「給油ランプ点灯後」にどれくらい走る?
「えっ…9000円!?」 ガス欠って“違反”なの!? 条件次第で変わる道交法…何がアウト?「給油ランプ点灯後」にどれくらい走る?
くるまのニュース
U-NEXTがBMWで観られる! 車内コントロール・ディスプレイにU-NEXTアプリを導入開始
U-NEXTがBMWで観られる! 車内コントロール・ディスプレイにU-NEXTアプリを導入開始
月刊自家用車WEB
改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(2) 夢中にさせる最高水準の操縦性 妥協ない動的能力
AUTOCAR JAPAN
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
さらにワイルド&ドラマチック! 改良版マクラーレン・アルトゥーラへ試乗(1) アプデで総合700psへ
AUTOCAR JAPAN
まさに[小さなハリアー]!! 売れまくり[ヤリスクロス]は使いやすさ抜群! GRスポーツを勧めたいワケ
まさに[小さなハリアー]!! 売れまくり[ヤリスクロス]は使いやすさ抜群! GRスポーツを勧めたいワケ
ベストカーWeb
旧車の維持費は思ったほどじゃなかった! それより大変なのは……旧車オーナーが実体験を語る
旧車の維持費は思ったほどじゃなかった! それより大変なのは……旧車オーナーが実体験を語る
WEB CARTOP
[元警察官が解説] 制限速度1km/hオーバーでも捕まるのか? “検挙”と“指導/警告”の微妙な境目
[元警察官が解説] 制限速度1km/hオーバーでも捕まるのか? “検挙”と“指導/警告”の微妙な境目
WEBヤングマシン
欧州vs中国「EV戦争」 最高48%の関税賦課も、中国の“報復措置”はまだ起きそうもないワケ
欧州vs中国「EV戦争」 最高48%の関税賦課も、中国の“報復措置”はまだ起きそうもないワケ
Merkmal
トヨタ、部品欠品で稼働停止のランクルシリーズ 21日夕方から順次生産再開
トヨタ、部品欠品で稼働停止のランクルシリーズ 21日夕方から順次生産再開
日刊自動車新聞
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
くるまのニュース
酷暑の夏到来!! ヒトも自転車もこれまでにない状況に耐えられるのか?
酷暑の夏到来!! ヒトも自転車もこれまでにない状況に耐えられるのか?
バイクのニュース
マセラティ史上最速の市販車に敬意、『MC20』に白+青の「イコーナ」…20台限定
マセラティ史上最速の市販車に敬意、『MC20』に白+青の「イコーナ」…20台限定
レスポンス
4WDターボはランエボ&インプSTIだけじゃない! [マツダスピードアテンザ]は熱かった!!!
4WDターボはランエボ&インプSTIだけじゃない! [マツダスピードアテンザ]は熱かった!!!
ベストカーWeb
[バイクの仕組みQ&A] 油圧式/ワイヤー式クラッチ、何がどう違うのか?
[バイクの仕組みQ&A] 油圧式/ワイヤー式クラッチ、何がどう違うのか?
WEBヤングマシン
トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
トライアンフ、限定モデル『ボンネビル T120 エルヴィス・プレスリー リミテッド エディション』発表
レスポンス
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
時代を超えた「ご長寿モデル」! 登場から“60年以上”続く「すごいクルマ」も存在! 長く愛されている「国産ロングセラー車」3選
くるまのニュース
あと数台分がガマンできないのか!? 「もうちょいで右折レーン」「もう少しで右側の駐車場入口」なときの「チョビ逆走」は立派な交通違反だった
あと数台分がガマンできないのか!? 「もうちょいで右折レーン」「もう少しで右側の駐車場入口」なときの「チョビ逆走」は立派な交通違反だった
WEB CARTOP
スマホメーカーが開発する本気のEVスーパーカーは、ポルシェ『タイカン』を超えるか
スマホメーカーが開発する本気のEVスーパーカーは、ポルシェ『タイカン』を超えるか
レスポンス

みんなのコメント

9件
  • 今更?レース好き、車好きなら知ってる人が殆どでしょ。
  • 30年くらい前に十勝24時間レースの前座レースで目の前で見た。ノーマル車両だったけどピットから目の前を走る迫力はすごかった。
    1台だけメルセデスが走ってたけど、国産メーカーとは桁違いに早くて、うちのチームの車よりタイムが早かったのを見てちょっとショックうけましたね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

435.0726.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

435.0726.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村