軽自動車の装備は実用車として使うためのアイデアが満載
最新の軽自動車の便利装備は目を見張るものがある。たとえば、スズキ・スペーシアや日産ルークス、三菱ekスペースに用意される、室内全体の空気を循環させ、エアコンの冷風を後席にもまんべんなく届かせるリヤサーキュレーターや、多くの軽自動車に採用される、花粉症の人にうれしいティッシュボックス収納、豊富すぎる収納、スマホを置く場所にあるUSBコンセント。
一度経験すると付いていないクルマに乗れなくなるほど便利な装備11選
さらには、子育て世代にうれしい、子供を後席に乗せる際に圧倒的な使いやすさを提案する、ダイハツ・タントの助手席側Bピラーレスのミラクルオープンドア、日産ルークスの運転席ロングスライド、ホンダN-BOXの車内でペットボトルを開けたときに、蓋を置いておけるボトルホルダーのそばに設置したくぼみ(実際には専用の小さなキーホルダーを置く場所だが)、日産デイズの助手席側ドア内張りの車検証入れ。
また、「そこまで装備するかっ!!」と言えるスズキ・ワゴンRやホンダN-WGNの傘置きスペース(ワゴンRはリヤドア、N-WGNは後席下)、さらには、限られた荷室スペースを拡大するための後席ロングスライド+後席を前方にスライドさせても段差や凹みができない可動ラップなど、軽自動車の装備はアイデア満載すぎるほどなのだ。
しかし、そんな軽自動車にある便利装備の多くは、意外にもコンパクトカー以上のクルマに用意されないことがほとんどだ。実際、コンパクトカー以上のクルマだと、サーキュレーターの装備などまずなく、ティッシュボックスをスマートに収納できる専用スペースがないことも多い。それこそ、スマホを置く場所に悩まされたりもするのだ。後席がスライドし、荷室の奥行を拡大できたとしても、三菱エクリプスクロスやVW T-CROSSのように、荷室フロアと前方スライドさせた後席の間に凹み=へこんだ隙間ができたりする。
軽自動車が、便利装備にこだわるのは、もちろん、国内専用車であり、日本の生活密着型のクルマだからだ。そう、毎日の足となり、女性が運転し、子供を乗せる機会も多く、ある意味、趣味性よりも道具としての便利さがより求められるクルマなのである。だから、車内のスタイリッシュさや整然としたレイアウト、生活感のなさなどは優先されない。あくまで、ユーザーの”わがまますぎる”使い勝手の要望に応え、満足度を高めることこそ、商品性の根源。目指すところなのである。
クルマ選びのポイントとして、走行性能、絶対的動力性能、室内デザインの高級感、見映え、洗練度などよりも、乗って使って便利かどうか、小物やバッグが置きやすいか、ティッシュが取り出しやすいか、子供を抱いた状態で乗り降りしやすいか、荷室をフレキシブルに使えて、ベビーカーなどの荷物を乗せやすいか……が重要なのである。
ユーザーが望むポイントが軽自動車と普通車では異なる
一方、コンパクトカー以上の普通のクルマは、実用車であったとしても、室内にはデザイン性、質感、価格を超えた商品性が不可欠。生活臭を感じさせるティッシュボックスを置くスペースなど、優先されない。また、コストをかける部分が、デザイン性、シートのかけ心地、静粛性、もちろん、走行性能にウェイトが置かれることになる。ユーザーが望むポイントが、一部、超実用コンパクトカーを除いて、異なるということだ。
とくにコスト重視のコンパクトカー、それも海外市場でも売られるクルマにおいては、世界基準での便利装備類のありなしが決定されるはずで、日本ではファミリーカー然として使われたとしても、ティッシュボックス置き場などは優先順位のはるか下になってしまうのだ。新型コロナウィルスで注目されたマスクが、欧米ではなじみのないアイテムだった……ということにもつながる、文化の違い、クルマの装備の優先度の違い、といってもいい。
そう、なぜ普通車には軽自動車並みの便利装備がないのか? の答えは、ズバリ、軽自動車が、便利装備にこだわる日本人のための”日本専用車”だということ。ゆえに、普通車でも、生活密着型の日本専用車だったりすると、軽自動車並みの、欧米のユーザーに到底、理解できないような、かゆいところに手が届く、日本的センスの便利装備が設定されていることもあるわけだ。
便利装備満載のクルマと、便利さよりも室内のデザインや質感の高さを優先しているクルマのどちらが好みかは人それぞれ。実際、筆者はコンパクトカーの世界基準と呼ばれるドイツ車に乗っているのだが、グローブボックスの容量が少なすぎて分厚い車検証ケースや取扱説明書が入らないし(仕方がないのでドアポケットに)、ティッシュボックスやスマホ専用置き場などあるはずもない。しょうがないので、超花粉症の家族が助手席に乗るときはティッシュボックスをひざに抱え、その家族がひとりで運転するときはティッシュボックスを助手席の上に(かえって生活臭が出る!?)。スマホもふたつしかないボトルホルダーのひとつを占領。当たり前だが、サーキュレーターや傘置きなどのガラパゴス的便利装備など一切なし。だから、たまに試乗の仕事で軽自動車に接すると、なんて便利なんだ!! と痛感、感動してしまうことも、しばしばなのである。
ただ、世界的にも、コンパクトSUVのボルボXC40のように、日本車を研究し尽くした収納にこだわった輸入車もあるから、普通車に乗りたい便利装備歓迎派ユーザーも、悲観することはないかもしれない。
勝手な想像だが、もしかするとこの先、普通車でも、輸入車でも、あるきっかけでマスクが不可欠になったように、非常識が常識になり、軽自動車に代表される便利装備が多くのクルマにもてはやされる時代がくる可能性もある。新しい生活様式に照らし合わせれば、例えば、マスク除菌乾燥BOXや、ウイルス抗菌内装のオプション装備とか……!?
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