4月21日に行われたENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第1戦『SUGOスーパー耐久4時間レース』のグループ1決勝では、タヌキがコース上に姿を見せ、石浦宏明がドライブしていたST-Qクラスの32号車ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptとあわや接触、という場面があった。
両者のニアミスが起きたのは、チェッカーまで残り20分というレース終盤。小動物は、レインボーコーナー手前付近からコースに侵入したとみられ、直前にあるハイポイントコーナーのマーシャルポストでは注意を促すためにイエローフラッグが出されていた。そこに石浦が乗る32号車が到達し、緊急で小動物を避けるシーンが公式放送の『S耐TV』に映し出された。
TOYOTA GAZOO Racing、2024年もスーパー耐久を通じてもっといいクルマづくりに臨む
レース後の石浦に聞くと「タヌキとすれ違いました!」とのこと。ただ、一瞬の判断で回避したという。
「ハイポイントの手前でイエローフラッグが出ていたので、用心しながら切り込んでいきました」と石浦。
「そうしたら『あれ、クルマはいないけど、コース上に何か“茶色いモノ”がいるぞ……』と。ちょうどライン上で、右から左に移動するのが見えたので、右側を目指せば何とかなるんじゃないかと思って、(最終的には)尻尾をかすめていく感じで避けられましたが、だいぶギリギリでした」
ちなみに、石浦とコース上で遭遇したタヌキは、レーシングカーのあまりの速さから状況が掴めなかった様子で、アウト側の白線上に2秒間停止。幸い後続車はいなかったものの、ST-2クラスの225号車KTMS GR YARISが接近していることに気づくと、アウト側のランオフエリアでトコトコと退散した。その後どこへ消えたのか、消息は不明である。
「(タヌキを避けたことで)レインボーコーナーはインベタで入ることになりましたけど、ちゃんと横切ってくれたから、良かったです。『アイツ』の命の恩人は僕です」と半ば胸を撫で下ろしていた石浦。32号車も無事にチェッカーを受け、147周走破で総合10位に入った。
今回の32号車は、水素エンジンのカローラではなく、DAT仕様のGRヤリスで参戦。他の車両と遜色ないパフォーマンスを出せるように開発が進められている。
「予選では225号車のGRヤリスにちょっと離されていましたが、決勝ペースはそこまで差はなかったです」とレースを振り返った石浦。
「現段階では、トルクの出方やレスポンスの部分でまだ少し課題がある状況です。ST-Qクラスは色々なことを試すことができるので、すでにアイデアがいっぱい出てきています。なので、そこを次までにやれればいいなと思っています」
「もう少し仕上げていって、MT車にも勝てるところまでいければ、他のユーザーさんもいずれ増えてくれると思います。そのためにも、今のうちに速さを磨きたいなと思います」と、スーパー耐久での実戦を通して、ST-2クラスで参戦中のMT車のGRヤリスと比較しながらパフォーマンス向上を狙っていく模様だ。
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スレッタ「ひとのナワバリで轢き殺しにきて恩人とかナメんな」