趣味を楽しむギアとしての愛用者の多いピックアップトラックに、新たな選択肢が日本上陸。それがジープ グラディエーターだ。ラングラーと基本を共有するクロカン性能を備えた最強トラックの日本仕様は如何に!?
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文/大音 安弘、写真/FCAジャパン
【画像ギャラリー】いよいよ販売開始!最強トラックのジープ グラディエーターの全て
■ガシガシ使える荷台付きのクロカン「グラディエーター」導入開始
FCAジャパンは2021年11月30日、ジープのピックアップトラックである「グラディエーター」の日本初導入を発表し、同日より受注を開始した。
グラディエーターは、ジープのクロカンである「ラングラー アンリミテッド」をベースに開発されたオフロード性能に長けたピックアップトラックだ。その歴史は古く、初代モデルの登場は1963年と古く、20年以上に渡り、製造されてきた。
その後、「コマンチ」などの後継車は存在したが、やがてジープのピックアップトラックは市場から姿を消した。その復活を告げたのが、2018年のロサンゼルスオートショーで復活された最新型グラディエーターなのだ。
ジープの名を冠するトラックモデルの復活も26年ぶりのこと。2018年に新生グラディエーターとして復活した
■ラングラーを上回る超アメリカンサイズ!!
グラディエーターをシンプルに表現すると、ラングラー アンリミテッドのピックアップトラックとなる。しかし、それはキャビンまでのこと。単に荷室のスペースを荷台とするだけでは、トラックとしての積載容量が不足するため、ホイールベースがアンリミテッド比で480mmも拡大され、3490mmとなっているのだ。
そのため、ボディサイズが全長5600mm×全幅1930mm×1850mmとなり、ラングラー アンリミテッドと比較して、全長+730mm、全幅+35mmとひと回り以上デカいのだ。そのため、アンリミテッドの快適なキャビンスペースを維持しながら、大きな荷台も確保している。
そのサイズは、米国公式サイトの情報によれば、貨物長が60.3インチ(約1532mm)、貨物幅44.8インチ~56.8インチ(約1138~約1443mm)、貨物高33.9インチ(約861mm)となっている。
デカすぎるボディのグラディエーターだがらこそ、広いキャビンと広い荷台を両立できるのだ
■悪路走破性に長けたルビコンを導入
日本仕様はモノグレードとなり、「ルビコン」のみが導入される。ただ、ルビコン自体が特別な存在なのだ。ラングラーアンリミテッドにも用意されている「ルビコン」は、充実の快適装備を誇りながら、特に悪路走破性を高める機能と装備を併せ持つ凄い奴なのだ。
快適装備は、ラングラーアンリミテッドの「ルビコン」と同等なので、街中から郊外まで充実のドライブが楽しめる。ナビも標準だし、サウンドシステムは高性能なアルパイン製となる
任意の駆動セレクトも可能なフルタイム4WDシステム「ロックトラックフルタイム4X4」は、低速走行用の「4L」のギア比を4:1と低くすることで、オフロード走破性を向上。
前後のデフロックも車内から操作できる「トゥルロック ディファレンシャル」と車内の操作でフロントのスウェイバーを切り離し、フロントサスペンションのストロークを拡大させる「電子制御フロントスウェイバーディスコネクトシステム」に加え、FOXパフォーマンスショックアブソーバーと車両前方の障害物を確認できる「オフロードカメラ」を専用装備に備え、ジープ最強の悪路走破性を実現している。
タイヤについては、ラングラーアンリミテッド「ルビコン」と同じ、LT255/75R17のマッド&テレインタイヤとなるので、舗装路での扱いと高速走行での影響も考慮すべきだろう。
足元でシルバーの輝きを見せるのが、FOXパフォーマンスショックアブソーバーだ
パワーユニットは、伝統のアイドリング直後からゆとりのトルクを発揮する3.6LV6DOHCエンジン「ペンタスター」で、最高出力284ps、最大トルク347Nmを発揮する。組み合わせるトランスミッションは、電子制御式8速ATとなる。
現時点では、ラングラー アンリミテッドのV6エンジン搭載車の導入が中止となり、一部モデルに設定されていた高性能な2L直列4気筒ターボエンジンが主力になる。このため、トルクフルなV6エンジンが味わえるのも、グラディエーターの魅力のひとつとなる。
ただ、3ドアのショートボディのラングラーには引き続き、V6が採用されるため、アンリミテッドの限定車に搭載される可能性も否定できないのだが……。
注目の価格は、770万円(右ハンドル車のみ)となる。仕様の近いラングラー アンリミテッド ルビコン(V6エンジン車)が、658万円出ることを踏まえると、112万円高となるのは、やや割高に感じるのも確か……。
しかし、そもそも需要を考えると、多くの人はラングラーで充分というよりも、日常使いまで含めるとラングラーアンリミテッドにしておかないと厳しいのが現実だ。
それでもグラディエーターを選ぶという人にとっては、日本仕様化と充実の保証がついてくることこそが、堪らない魅力だろう。そう考えると、この価格はなかなかのコスパと判断できそうだ。
乗るだけでアトラクション感覚になりそうなグラディエーター。ルーフ着脱機能もラングラー同様に楽しめる
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