低コストで楽しめる絶好のベース車
「大阪オートメッセ2020」には、いかにも関西らしく華やかにデコレイトされたカスタマイズカーが多数出展されていたが、なかでも異彩を放っていたのが「エクステンド」が展示したトヨタ・プロボックスだ。
トヨタのプロボックスといえば、カローラバンの後継モデルとして平成14(2002)年にデビューした商用車。日常業務における使い勝手が最優先されており、営業マンを中心に高い支持を得ている。そんなプロボックスをベースにエアロパーツやオーバーフェンダーなどで”異色”のカスタマイズを施したワケだ。
いまや、アフター市場におけるミニバン&ワゴン系カスタムの主役はトヨタのアルファードやプリウス。トヨタ・ハイエースといった実用的な車種もあるが、なぜ4ナンバーの商用車でプロボックスをベースにオリジナルパーツを開発したのか、田中代表に聞いてみた。
まず、最大の理由は「コストがかからず手軽に楽しめるクルマ」だから。プロボックス(50系)は平成26(2014)年まで長きにわたって販売されており、中古車市場においてもタマ数が豊富。相場は年式や程度に応じた手頃な価格帯に落ち着いており、カスタム費用とあわせても100万円以内に収めることが可能だという。
そして、トヨタの営業車らしくストリートにおける機能性に優れているのも理由のひとつで、故障が少なく燃費もいい。また、4ナンバーのため契約する任意保険によっては20歳未満のユーザーでも、5ナンバー車または3ナンバー車と比べてかなり割安。つまり、ランニングコストが高くクルマを所有することを諦めて若者たちへ、ドレスアップをして楽しめるという提案でもあるわけだ。
安いから思いっきり楽しめる
開発したボディパーツはフロントリップスポイラーやウイングスポイラー、オーバーフェンダー。ワイドボディに変貌させるオーバーフェンダーは片側45mm幅で、ワイルドなビス止めタイプ。高価なクルマだとボディに穴を開ける加工は躊躇してしまうが、これも手頃な価格の中古車だからこそ、だ。
足元に収まるホイールは、白いボディの展示車が定番の15インチ。オーバーフェンダーが加わったことで前後ともワイドなサイズ(F=15×8・ET-28 R=15×9・ET-11)をセットしている。ピンクの車両には17インチサイズ(FR=17×9・ET-11)を履かせることで、よりイマドキなスタイルを提案した。 また、インテリアに目を向けるとダイヤモンドステッチのシートカバーが目に付く。純正シートはシックかつプアなもので、仕事で使われていた中古車は傷んでいる可能性がある。車内もオシャレを楽しむのもエクステンド流といえるだろう。なお、今後もユーザーからの反響を見ながら、今後も50系プロボックスのパーツを順次開発予定とのこと。
タフで実用的。しかもベース車両の価格は安いうえ、AT以外にも現代では希少となった5速MTも選択できる。そんな商用車をカスタマイズという手法で、若者から大人までの視線を集めたプロボックスの2台。人とは違ったカーライフとして、こういった提案もおおいにアリだと思う。*一部のカスタマイズはショー向けにアレンジしたものです
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