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【試乗インプレ】モトグッツィ「V85TT」快適さに活路を見い出したアドベンチャーモデル<ADVenture's 2020>

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【試乗インプレ】モトグッツィ「V85TT」快適さに活路を見い出したアドベンチャーモデル<ADVenture's 2020>

80年代のパリダカマシンを想わせる印象的なスタイルと、信頼性の高さと力強さを併せ持つモトグッツィ伝統の853cc縦置き空冷Vツインエンジンを組み合わせた「クラシック・トラベル・エンデューロ」として注目されるアドベンチャーツアラーがV85TTだ。

撮影:松川 忍 文:濱矢文夫/小松信夫/編集部

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悪路を突き進むだけがアドベンチャーではない !
MOTO GUZZI V85TT

「上品でラグジュアリーな走りを生む独自のパッケージ」

道無き道を進む砂漠での旅、まさに冒険というべきシーンを想定してデザインされた、かつてモトグッツィも挑戦していたパリ・ダカールラリー黄金時代を思い起こさせるクラシカルなラリーマシン風スタイルに、ライダーをサポートするライディングモードをはじめとする電子制御デバイスや軽量で大光量のLEDヘッドライトといった、最新のアドベンチャーツアラーのテクノロジーを融合。

そのバックボーンには、モトグッツィが半世紀にわたり開発を重ねてきた空冷Vツインエンジンを中核とする、信頼性抜群のメカニズムがあるのだ。

豊かなトルクとアドベンチャースタイルの化学反応で生まれた乗り味
「ジャンルを超えたラグジュアリーモード!」

快適さに活路を見出しアドベンチャーモデルで具現化
他メーカーからリリースされるアドベンチャーモデルは、スポーツモデルの様な一線級のハイパフォーマンス&ハイスペックエンジンを搭載するモデルが多い中、モトグッツィは伝統の空冷縦置きVツインエンジンを採用している。

我が道を行くモトグッツィならではの、揺るぎない空冷縦置きVツインへの拘りをひしひしと感じるが、アドベンチャーモデルとの相性はどうなのか興味を惹かれるところだ。

ハイスペックな最新モデルは、排気量を感じさせないほど軽量化を果たしているものも見受けられるが、V85TTに搭載される空冷縦置きVツインエンジンの存在感は、お世辞にも「軽やか」「軽快」といった形容はし難い重量感のあるものとなっている。

また、その重量感をより一層感じやすくさせるかのように、大幅なストローク量を有するショックアブサーバーによるハイト化された車高が大きく影響を与えている。

どうしてもフルパニア装着時にはサイドスタンドを出し停車している状態から、跨ったままで車体を起こすというのは、177cmの身長をもってしても労力を要し、スタート前からその重量感を感じずにはいられなかった。

ネガとも思えるエンジンを含めた車体構成も、それ凌駕する魅力があるからこそ、と信じてスタートしてみた。

進化し続ける空冷縦置きVツインは、環境性能や出力の向上を果たすものの、エンジン回転の上昇下降などの〝ツキ〟で変動するジャイロ効果による、車体を左右に揺らす挙動はV85TTでもハッキリと存在し、アドベンチャーモデルとはいえ「これぞモトグッツィ」といったフィーリングが残されている。

ホンの少ししか味わえないハイパフォーマンスより、信号待ちなど日常で感じて楽しめるフィーリングを大切にしているというのが良くわかり、乗り手としても嬉しく感じる一瞬である。

現在、ストリートユースに照準を当てたアドベンチャーモデルというジャンルにおいて、過度なエンジンパフォーマンスや高い最低地上高&シート高となる足まわりなどを有する車両では、尖った性質上ネガな面だけが浮き彫りとなった評価となってしまうこともあるだろう。

とはいえ、特殊であり突出した機能を備えていることは、所有欲を満たすためにはなくてはならないファクターとなっている。

では、V85TTにおいての他車をも凌ぐハイライトはというと、実は思い浮かばない。いや、むしろ普遍的な構成とチャレンジングなセッティングは、古くからのファンも初めてモトグッツィに乗る方も新鮮であることは間違いないはず。

テイスティな鼓動感が特徴のエンジンは、低速域から中速域までの豊かで太いトルクを生み、アドベンチャーモデルとしてのキャラクター作りに深みを増している。

エンジン高回転域で最高出力を発揮しパフォーマンスする車両とは対照的な、スタートから巡航に至るまで淀みない太いトルクは、きめ細やかに動き大幅なストローク量のある前後ショックとのセットにより、それこそラグジュアリーモデルの様な質の高い乗り心地を提供してくれる。

もちろん一度走り出してしまえば、走り出す前に感じたエンジンや車体の重さによる重量感はなくなり、ただひたすら上品かつ快適な走行フィールに浸ってしまうこと請け合いだろう。

正直、悪路を突き進むイメージの強いアドベンチャーモデルで、ここまでラグジュアリーモデルのような上質な走りを味わえるとは思わなかった。アドベンチャーモデルならではの大らかなポジションは自由度も高くストレスが少ないため、長時間走行も快適。

しかも、程よい反発力でコシのあるシートは、どっしり腰を据えることができるほか、グリップ力のある表皮によって安定したコントロールのアシストに一役かってくれる。また、二段構えのタンデムシートは、ソロシート同様のクオリティのため、タンデムでのロングツーリングにも十分耐え得る仕様となっている。

確かに、一人で乗るには贅沢過ぎるラグジュアリーさなので、「是非タンデムで!」というメッセージを感じずにはいられなかった。

MOTO GUZZI V85TT detail

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