北米発のエクストリーム系ラリークロス選手権として、昨季2023年よりNitroRX改め『Nitrocross(ナイトロクロス)』へとリブランドしたシリーズは、今週末3月1~2日に開催される2023-24年シーズン最終戦ラスベガスの詳細を発表。シリーズの前身たる2018年ナイトロ・ワールド・ゲームズ初代チャンピオンで、WorldRX世界ラリークロス選手権2019年王者でもあるティミー・ハンセンや、元イギリスラリークロス王者パトリック・オドノバンらのゲスト参戦に加え、従来より併催されてきたサイド・バイ・サイド(SXS)に“プロクラス”を追加することをアナウンスした。
この2月4日に予定されていたカナダ・カルガリーでの雪と氷のイベントを「季節外れの暖かさによる路面状況への懸念」を受け、急きょチャンピオンシップ賞典外のエキシビション戦に変更し、事実上のキャンセルとする措置を取っていたシリーズだが、この週末にラスベガスのプラネット・ハリウッドに建設した特設トラックで行われるダブルヘッダーイベントに向け、新たにビッグネームの招聘を決めた。
フォルクスワーゲン代表を務めたヨースト・カピートが運営側アドバイザーに就任/Nitrocross
現在のチャンピオンチームたるドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)に合流し、改めてシリーズ復帰を果たすハンセン・ブラザーズの長兄は、シリーズ創設者兼初代シリーズチャンピオンのトラビス・パストラーナ(バーモント・スポーツカー)らとの2021年以来の邂逅に意欲を示す。
「こうしてDRR JCと一緒にレースする機会を得られて光栄だ。ラスベガスのイベントはエキサイティングなものになりつつあり、僕はこうした才能あるチームと一緒に競争したいと思っていたんだ」と意気込みを語ったハンセン。
そんな北欧出身の元王者は、今回はファミリーチームのハンセン・モータースポーツで参戦するのではなく、コナー・デイリーやブライアン・ディーガンらがドライブしたDRR JCの4台目を任される。
「ティミー・ハンセンをファミリーに迎えられることに興奮している」と語るのはチームオーナーのデニス・レインボールド。
「彼の才能とスポーツに対する献身は、我々のチーム全体を通じた価値観と野心に完全に一致している。ティミーの存在が我々のパフォーマンスを向上させ、プラネット・ハリウッドのアリーナでさらなる成功に向け、チームを駆り立ててくれると信じている」
■新設“プロクラス”にヤマハやポラリスの車両が参加可能に
同じく、今季序盤に参戦したクリス・ミークやタナー・ファウストの足跡をたどり、元イギリスラリークロス王者オドノバンもXITEエナジー・レーシングからラスベガス戦に出場することが決まった。
「もちろん、シリーズ最高峰のグループEカテゴリーでデビューを果たすというのは素晴らしい展望と光景だ。ラスベガスで新たな挑戦を始めることに本当に興奮している」と、北米のモータースポーツ専門サイト『RACER.com』に語ったオドノバン。
昨季の最終戦香港でWorldRXデビューを果たし、当時は暫定的措置でステップアップ選手権のRX2e用ワンメイク電動車両をドライブして3位フィニッシュを果たしたオドノバンは、キャリアを通じて電動モータースポーツに精通し、今季もワンメイク電動オフロード選手権エクストリームEのリザーブ兼コース設定を担う“チャンピオンシップドライバー”を務める。
ただし、現在のナイトロクロスで採用される水素燃料電池スタックを搭載した最高出力1080PS(800kW)、0-100km/h加速約1.4秒というフル電動ワンメイクEVの専用モデル『FC1-X』に関しては「確かな挑戦になると思う」と述べた。
「そこにはトップレベルのドライバーが何人かいて、なかには僕が過去にレースをする機会に恵まれた数人のドライバーもいる。そして、それは間違いなく挑戦することを楽しみにさせる最高峰の水準だ」と続けたオドノバン。
「正直に言うと、僕の個人的な期待はまったく未知数で、自分のペースがどの程度になるのか、週末がどのようなものになるのかについては正確に予想できない。初日にこのクルマのパワーとポテンシャルを最大限に引き出すために必要なドライビングスタイルを理解できれば、本当に幸せだと考えている」
さらに、これまでは『カンナム・マーベリックX3』のワンメイクで開催されてきたSXSクラスは、今回新たに“プロクラス”としてポラリスやヤマハの車両も参加可能とし、こちらもエクストリームEレギュラー経験者であるRJアンダーソンやアマンダ・ソーレンセン、パストラーナなどのエントリーが見込まれている。
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