現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【鈴鹿8耐決勝】灼熱の8時間、Team HRCがレースを支配して完全勝利。カワサキ連覇の夢砕く

ここから本文です

【鈴鹿8耐決勝】灼熱の8時間、Team HRCがレースを支配して完全勝利。カワサキ連覇の夢砕く

掲載 2
【鈴鹿8耐決勝】灼熱の8時間、Team HRCがレースを支配して完全勝利。カワサキ連覇の夢砕く

 新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、鈴鹿8時間耐久ロードレースは2019年以来開催中止が続いていた。今シーズンは3年ぶりの開催が実現し、多くのファンが久しぶりの夏の祭典を楽しんだ。そんな中優勝を手にしたのは、長島哲太、高橋巧、イケル・レクオナと超豪華メンバーを揃えた#33 Team HRCだった。

 今年注目されたチームは、2019年以来の連覇を狙う#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8H(ジョナサン・レイ/レオン・ハスラム/アレックス・ロウズ)、そして8耐での勝利から遠ざかっているホンダのワークス体制となる#33 Team HRCだった。ともにスーパーバイク世界選手権やロードレース世界選手権MotoGPなど世界で活躍しているライダーを招聘するなど、力の入れようは明らかだった。

■“ホンダミュージック”のプライドか? HRC、SFエンジン音テストで攻めの排気レイアウト採用。F1技術も駆使

 またEWC(世界耐久選手権)にレギュラー参戦する#7 YART - Yamaha Official Team EWCや、今季限りでEWC撤退の決まっているスズキの#1 Yoshimura SERT Motulも、優勝候補の一角に挙げられた。

 予選とトップ10予選では、#33 Team HRCが速さを発揮し、特に長島は唯一の2分4秒台のタイムを記録してHRCにポールポジションをもたらした。

 土曜日までは天候が不安定な状態が続いていたが、決勝日は天候が回復。夏らしい暑さと明るさでレース開始を迎えた。

■序盤から2度セーフティカー出動波乱の展開

 8耐のスタートは、恒例の”ルマン式スタート”。抜群の蹴り出しを見せたのは#5 F.C.C. TSR Honda Franceのジョシュ・フックで、HRCから先頭を奪取する形でレースが始まった。

 2周目にはいきなりアクシデントが発生。スプーンカーブで#17 Astemo Honda Dream SI Racing(作本輝介)がスリップダウンし転倒。コースを滑ったマシンが#73 SDG Honda Racing(浦本修充)を直撃し、巻き添えにする形でクラッシュしてしまった。この事故によりセーフティカーが出動した。

 レース再開後はHRCとカワサキが先頭を争ったが、ホームストレートで抜群の速度を生かしてHRCが先頭の座を盤石とすることに成功した。ジョナサン・レイと長島哲太によるエースライダー同士のタイムの叩き合いという状況もあったが、ここは長島が一枚上手。2台の差は拡大していった。

 スタートから2時間あまりが過ぎると、カワサキにとっては受難の展開となっていく。#51 T.MOTOKIDS TAKADA I.W. NACのクラッシュをきっかけに出動した2度目のセーフティカーで、HRCと同じセーフティカーの集団に入ることができず、ギャップが更に拡大してしまったのだ。

 レイはこのギャップを削るべく、レース中盤に2分7秒台連発の攻めた走りを見せた。しかしレースの折返しとなる4時間経過を目前としたところでレイが転倒を喫してしまい、一度は縮めつつあったギャップが2分以上まで再び広がってしまった。

 ただ転倒のダメージは少なく、その後もピットに入ることなくレースを継続。HRCとの差は劇的に変わること無いまま、周回を重ねていった。

 レースの残りが1時間となった頃、#7 YARTヤマハが#74 AKENO SPEED.YAMAHAとともにスプーンカーブでクラッシュ。3度目のSC出動となったが、これは優勝争いの情勢に大きな影響は与えなかった。

 トップを快走するHRCは最後のスティントに長島を起用。最後は8時間経過直前にコントロールラインを通過したことで、長島は鈴鹿を”もう1周”してトップチェッカー。#33 Team HRCが優勝を果たした。なおホンダ勢として8耐優勝は2014年以来8年ぶりのことだ。2位はカワサキ。2019年から3年越しの連覇を狙ったが、最終的にはHRCに1周差で敗れる結果となった。

■EWCレギュラー参戦チームの争い

 ワークス・チーム同士が激しい争いを展開している傍らでは、FIM EWC(世界耐久選手権)のレギュラー参戦チームによる戦いも繰り広げられた。

 序盤に上位を走っていた#5 F.C.C. TSR Honda Franceは2時間経過時のピットストップでタイヤ交換に手間取ってしまい、通常より1分以上長い2分を費やすことになった。さらに彼らは後にライドスルーペナルティも科されたため、さらにポジションを落とすことになった。

 結果的に上位争いは#7 YARTヤマハと、22番手スタートだったにもかかわらず序盤からグレッグ・ブラックが驚異的な追い上げを見せた#1 Yoshimura SERT Motulの2台に絞られることになった。

 YARTヤマハは3人のライダーがそれぞれ好ペースを発揮し、ヨシムラSERTに対して優位を築いていた。しかし残り1時間というタイミングで、YARTヤマハは転倒。なんとかマシンをピットに持ち帰り、チームはわずか6分ほどで修理を完了させる離れ業を見せてレースに復帰することになったが、SC出動中とはいえヨシムラSERTに先行されることになってしまった。

 労せず総合3番手に浮上したヨシムラSERTは、このポジションを最後までしっかりと守りきり、チェッカーを受けた。

 なお今回ヨシムラSERTはEWC参戦ライダーのシルヴァン・ギュントーリがテストで左腕に怪我をし欠場。さらにザビエル・シメオンも直前の検査で新型コロナウイルス陽性と判定され、こちらも欠場を余儀なくされた。その結果レースは、グレッグ・ブラックと渡辺一樹の2人体制で臨まなければならなかった。

 YARTヤマハは最終的に7位でフィニッシュ。終盤のアクシデントが結果に大きく影響することとなったが、見事なピット作業はファンを沸かせた。

 FIM EWCは9月17~18日にかけて行われるボルドール24時間レースが、今季最終戦。ヨシムラSERTがスズキ参戦最終年にタイトルを獲得できるか、注目が集まる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
AUTOSPORT web
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

2件
  • YARTの転倒は完全に判断を誤り他車を転倒させたものだったが、ペナルティーでなかったおかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村