清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)
Number101(SEASON.12):スバルのプライド、WRX STIに挑む4WSで武装したニュル・マイスター
スバルWRX STI、ルノー メガーヌRSともに改善すべき点はあるが加減速ともにテスト結果は優秀!【清水和夫のDST】#101-2/4
ルノー・メガーヌ RS カップ vs スバルWRX STI タイプS/Test02:ウェット旋回ブレーキテスト
●テストの「方法」と「狙い」:ドライ路面からウェット路面に100km/h(±2%)で進入、半径40Rのカーブをフルブレーキングしながら曲がる。路面はハイドロプレーニングよりもウェットグリップが問われる水深5mmに設定。ABSやタイヤを含めたクルマの総合的なブレーキ性能と、シャシーの旋回性能(ラインが外に膨らむクルマは危険)をみる。
ルノー メガーヌ RSカップ vs. スバル WRX STI タイプS(ウェット旋回ブレーキ編)【DST♯127-05】
タイヤコンデション
SUBARU WRX STI TYPE S
タイヤの山は4本とも6mm以上も残っていたので、ハイドロプレーニング現象は発生しなかった。専用のヨコハマ・アドバンスポーツV105はウェットグリップもよく、路面の接地感が高かった。
RENAULT MEGANE RS CUP
ブリヂストン・ポテンザS001のタイヤ山は、特にフロントが4mm程度まで減っていた状態だった。ドライグリップでは大きな影響は出なかったものの、ウェットグリップは少し物足りなかった。
スバル車の優秀さは揺るがず、タイヤ状態が影響したメガーヌRS
SUBARU WRX STI TYPE S
●制動距離:48.0m(★★★★☆)
WRXが履くヨコハマ・アドバンスポーツV105の残溝は4輪とも6mmオーバーだったため、安心してウェット路面に進入できた。雨の高速道路ではこの1~2mmの違いが命取りとなる場合がある。40Rに侵入し、1回目はステアリングとブレーキを同時に操作したが、その瞬間から十分なストッピングパワーが発生し、ステアリングも正確に機能する。ABSの制御がきめ細かいので、ライントレースは素晴らしい。1回目は43mとすごく短い距離で止まれた。2回目のロバストチェックではステアリングをやや先行してブレーキを踏むが、さすがのスバルもブレーキはやや減圧気味となった。それでも制動距離は53m。ここ10年、スバルはこのテストが完璧だ。
RENAULT MEGANE RS CUP
●制動距離:69.0m(★★★☆☆)
与えられたブリヂストンS001はスポーツタイヤのスタンダードだが、問題は溝が減っていたこと。フロントタイヤは左右とも4mm前後で、この磨り減ったタイヤの状態で水深2-3mmのウェット路に侵入するにはかなり勇気がいるが、案の定、旋回路に進入した瞬間にタイヤが水の上に乗ってしまうハイドロプレーニング現象が生じた。当然、ブレーキは効きにくいし、ステアリングを操舵してもドライバーの意思は尊重されない。2回目はいつもどおり、ステアリングをやや先行させたが。クルマ側が低μ路に進入したと誤判定し、リアブレーキは減圧気味となって、制動距離は想像以上(1回目は67m、2回目は74m)に伸びてしまった。
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