スポーツハイブリッドは3種類を設定している
先日、報告したようにホンダが「スポーツハイブリッドi-MMD テクニカルワークショップ&エクスペリエンス」というイベントをメディア向けに開催した。イベントが開催された地は静岡県・浜松。本田技研工業発祥の地といえる浜松は、ホンダの原点といえる場所だ。あえて浜松を選んだのは、ホンダ初の工場(現在のトランスミッション製造部)で生産しているハイブリッド用モーターについてアピールするためだ。イベント名からもわかるように、メインテーマは「スポーツハイブリッドi-MMD」にある。
約10年後は全体の65%に! スポーツハイブリッドi-MMD生産現場で見えたホンダの電動車戦略
スポーツハイブリッド・シリーズとして「i-DCD」、「i-MMD」、「SH-AWD」と3種類のシステムを用意しているホンダ。スポーツハイブリッドの展開当初は7速DCTにモーターを内蔵させた「i-DCD」が多数派だったが、2018年に登場したハイブリッドカーを並べていくと、クラリティPHEV、CR-V、インサイトといずれも2モーター式のシステムとなっている。いや、2018年のブランニューモデルがこの3モデルであるから、ホンダの新車はすべてi-MMDをベースとしたパワートレインを有しているということもできる。
もともとアコードに搭載された段階から「スポーツハイブリッドi-MMD」は高効率なシステムであることで知られていた。発電用モーターと駆動用モーターを持つハイブリッドシステムというのはホンダに限らずエンジンの高効率ゾーンを維持しやすく、なおかつホンダのエンジンの最大熱効率が40%を超えていることを考えると、世界最高レベルの効率を持つパワートレインが「スポーツハイブリッドi-MMD」といえる状況だった。
ただし、デビュー当初は性能が優れているのは認めてもコスト高なシステムという印象もあって、なかなか普及させるのは厳しかった。それが主流になりつつあるのは生産性が向上してコストダウンが進んだからでもあるが、ホンダとして電動化ロードマップにおいて「スポーツハイブリッドi-MMD」を中心に置くと決断したからともいえる。
なぜならクラリティPHEVを市販したことからもわかるように「スポーツハイブリッドi-MMD」はプラグイン車に展開するのも容易であり、中国や欧州で進む電動化トレンドに対応するのにベストソリューションといえるからだ。今回、「スポーツハイブリッドi-MMD テクニカルワークショップ&エクスペリエンス」というイベントが開かれたのも、これからのホンダ車において「スポーツハイブリッドi-MMD」がメインストリームになると宣言するためであった。
実際、次世代パワートレインのロードマップによると、2030年にはホンダ車の電動化比率は65%になっているという。そのうち50%がハイブリッドカーとPHEV、15%が電気自動車と燃料電池車になると予想されている。「i-DCD」や「SH-AWD」が消えるとは思えないが、プラグインへの展開しやすさを考えると50%のうち大半が「スポーツハイブリッドi-MMD」由来のパワートレインとなることだろう。
i-MMDは走りを楽しめる気持ちいいハイブリッド!
また、「スポーツハイブリッドi-MMD」の特徴は街乗りの速度域ではモーターだけでタイヤを駆動、高速域になるとエンジンをタイヤに直結するという風に切り替える点にある。そうした使い分けにより環境性能とドライビングファンを両立するのもホンダの狙いだ。電動化だからといってクルマの楽しさを諦めるわけではない。1980年代に登場したVTECはカムを切り替えることで低中速と高回転域での両立を図った。その意味では「スポーツハイブリッドi-MMD」は電動化時代のVTECと呼ぶにふさわしい、ホンダのDNAを感じさせるハイブリッドシステムといえる。
前置きが長くなったが、今回のイベントでは「スポーツハイブリッドi-MMD」搭載車の比較試乗もプログラムとして用意されていた。前述した3台(クラリティPHEV、CR-V、インサイト)に加えて、オデッセイ、ステップワゴン、アコードと並べられた試乗車から選んだのは、オデッセイ、インサイト、CR-Vの3モデル。順に、2Lエンジン+i-MMD、1.5Lエンジン+i-MMD、i-MMD唯一のAWD(四輪駆動)と異なるパワートレインとなっていることがチョイスの理由。せっかく比較する機会だけに、エンジンの組み合わせや駆動方式の違いによって、どのような違いがあって、どこに共通点があるのかを確認しようと考えたのだ。
しかし、実際に乗り比べてみるとパワートレインの制御がクルマごとに細かくチューニングされていること、また電動化を活かすにはシャシーが重要であることが実感できた。具体例をふたつ挙げよう。
「スポーツハイブリッドi-MMD」は高速域でエンジン直結モードになるというが、多くのモデルでは65km/h以上にならなければ直結モードにならない。それも高負荷なシチュエーションに限った話で、通常の使い方では高速道路の制限速度近くでしか直結モードにはならないだろう。しかし、この3モデルの中でオデッセイだけは50km/h台の後半からエンジン直結モードに切り替わるのが感じられる。
これはフル乗車を考慮したためだろうが、逆にいうとエンジンとモーターの組み合わせによっては街乗りの高負荷からエンジン直結モードを多用するような使い方もありえるし、そうした余地を残したハイブリッドシステムといえる。
4WDとの組み合わせは理想的な走りを披露!
そして「スポーツハイブリッドi-MMD」の特徴はモーターゆえのハイレスポンスにある。アクセル操作にリニアに、欲しいだけのトルクを発生する様は、内燃機関では不可能なレベルにあると実感できる。しかし、トルクフルなパワートレインのFWDにおいてはトルクステアといって発進時などにステアリングを左右どちらかにとられる現象が発生する。そうした部分での仕上がりを3モデルで比較すると、もっとも洗練されていたのはインサイトだった。逆にオデッセイは燃費を意識したような大人しい走りでもトルクステアが気になった。
電動パワートレインというのはクリアな乗り味がセールスポイントだが、その良さを活かすにはシャシーも高いレベルにある必要があると実感できた。いまだに『電気自動車はモーターとバッテリーを組み合わせるだけで簡単に作れるようになる』と考えているエコノミストもいるようだが、電動化だからこそ雑味のない優れたシャシーが求められるといえそうだ。
その点でいうと、「スポーツハイブリッドi-MMD」とAWDを初めて組み合わせたCR-Vの走りは、現時点での理想形という走りを見せてくれた。以前、試乗した北米仕様のCR-Vではステアリングやアクセルの反応をあえてマイルドにしている感があり、それがホンダの考えるクロスオーバーSUVらしさなのかと思っていたが、日本仕様のCR-Vはいずれのレスポンスも向上させている。
とくにアクセル操作に対するダイレクト感は秀逸で、けっして小さくないボディなのにドライバーと一体になったかのように思い通りに動かせるフィーリングがあった。この一体感こそ電動パワートレインの魅力であり、一度味わってしまうと内燃機関には戻れないというユーザーがいるのも不思議な話ではないと再確認できた。
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