バーレーンで開幕した2024年シーズンのF1。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅は、予選で惜しくもQ3進出は逃したものの11番手を確保し、入賞も狙えるポジションから決勝レースを迎える。
グランプリ初日はセットアップに苦しみ、チームメイトのダニエル・リカルドにやや押され気味だった角田。しかし予選に向けては大幅なセット変更が功を奏し、Q1、Q2で共にチームメイトを上回ってみせた。Q3進出ラインにはわずか0.007秒届かず本人としては悔しい結果に終わったが、ここでもリカルドを上回り、アタックでは目立ったミスもなくマシンからパフォーマンスをかなり出し切れたという感触があるようだ。
■予選5番手のペレス、ターン1のミスでフロントロウ失った? 「望んでいた位置じゃないのは確か。0.1秒はロスしてしまった」
「いつものことですが、ターン8の出口では少しホイールスピンしてしまいました。ただそれでも、かなり出し切れたと思っています」
自身のQ2のアタックをそう振り返る角田。RBはテストの結果からQ3進出を争えるチームではないかという下馬評もあったが、角田は今回のセッションを次のように総括した。
「正直、Q3に行くとかそういった目標を立てていたわけではありません。(テストでは)みんなそれぞれ違ったことをしているのは分かっていましたからね」
「それに、新しいチームになっていきなり最大限のパフォーマンスを発揮するのは簡単ではありません。ただ11番手というのは悪い位置ではありません。特に僕たちの方はセットアップで苦労していました。昨日から、チームは良い方向に転換するために素晴らしい仕事をしてくれました。マシンの感触は良いです」
「もちろん、0.007秒差でQ3に行けなかったことは悔しいですが、かなり満足しています」
予選に向けてはどれほどのセットアップ変更を施したのかについて角田は、次のように語る。
「実際のところかなりの変更をしました。ほとんど正反対にしました」
「僕たちが追い求めていたのは、望んでいた所からは逆方向だったんです。ですが、少なくともそれを理解できたことは良かったです。何が間違った方向性なのかを知るために方向転換したわけですし、まだクルマを速くする方法を理解する過程にあります。将来的に同じミスをしないようにする、という意味でも良かったと思います」
そしてやはり気になるのは、決勝レースでのペースがいかほどかという点だが、その点については角田も楽観視しているようだ。
初日FP2のロングランでは、ややペースの下落が大きかった角田。ただこの時角田はターン1でタイヤをロックアップさせており、その影響がどれだけあったのかも気になるところ。また、セットアップ変更の影響もそこに関わってくるかもしれない。
「基本的に僕たちのマシンはレースのパフォーマンスが良いので、そこは楽観的に考えています。まだ最大限の準備が必要ですが、ポイントを獲得できるかどうかというところが現実的なラインだと思います」
「とにかくロングランは良さそうです。僕が心配しているのはそこではなくて、むしろショートランのパフォーマンスでした。だから11番手からどうなるかですね。デグラデーション(性能劣化)はかなり大きいと思いますが、それが僕たちにとっては良いことかもしれないですし、蓋を開けてみないと分からないですね」
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