日本グランプリから角田裕毅に代わってリアム・ローソンが加わることになったレーシングブルズ。同チームのマシンは今季ここまで、安定したパフォーマンスを発揮している。しかし、戦略ミスで多くを取りこぼし、現時点ではコンストラクターズランキング9番手。ここから脱却できるかが、重要になりそうだ。
2025年のF1シーズンが始まる前の段階では、プレシーズンのデータに基づいて中団グループの序列を把握するのは非常に困難であり、データ上は接戦であると言われていた。
■F1分析|角田裕毅”5位”の可能性を奪った戦略ミス……なぜストロールのペース推移から、1ストップを想像できなかったのか
しかし実際に開幕してみると、中団グループを一歩リードしているのはレーシングブルズ。角田裕毅は開幕戦オーストラリアGP、第2戦中国GPとそのスプリントに向けた予選の全てでトップ10入り。角田のチームメイトであり、今季F1デビューを果たしたばかりのアイザック・ハジャーも、中国GPの予選で7番手に入るなど速さを見せている。
しかしここまでの獲得ポイントは、中国GPのスプリントで角田が獲得した3ポイントのみで、コンストラクターズランキングでも9番手に低迷している。その理由は戦略ミスである。
■雨で一変したレース展開に乗り切れず
雨に見舞われたオーストラリアGP決勝では、角田が大半で6番手を走ったものの、一度コースが乾き、再び雨が降り始めたタイミングでタイヤ交換するのを先送りしたことが裏目に出て、結局12位でのフィニッシュとなった。
最適なタイミングでのピットストップできなかったとしても、ダメージを最小限で抑えるための選択もあったはずだ。レーシングブルズはそれもできず、中国GPの際にローレン・メキーズ代表は「損失を確定させることが重要だ」と語った。
「先頭集団におらず、そしてチャンスがあったのにそれを活かせなかったならば、すぐにピットストップしたチームと比較して、既に何かを失っていると認めなければいけない」
「その立場で、どれだけ損失を抑えることができるかということだ」
「我々はまだ若いチームだが、こういう状況でも非常に良いパフォーマンスを発揮するために必要なモノは全て揃っていると確信している」
ただレーシングブルズはレッドブルのジュニアチームであり、今季から今の名前を名乗っているものの、若いチームと呼ぶのは無理がある。チームの母体は1985年に誕生したミナルディで、その後トロロッソ、アルファタウリ、RBと名を変えて今に至っている。歴史だけ言えば、レッドブル・レーシング(チームの母体は1997年に誕生したスチュワート)よりも長いのだ。しかも2008年(セバスチャン・ベッテル)と2020年(ピエール・ガスリー)のイタリアGPでは、巧みな戦略を駆使して勝利を手にしている。
■中国GP、2ストップを選択し下位に沈む……ライバルの大半が1ストップ
中国GPでは、開幕戦に続き戦略ミスを繰り返してしまった。角田がスプリントで6位に入り今季初入賞を手にし、決勝ではもっと大きなチャンスが目の前にあったが、それを掴み損ねた。
タイヤサプライヤーのピレリはレース前に、メインの戦略は2ストップであると名言していた。「3ストップにはならないはずだ」と付け加えていたものの、1ストップ作戦の可能性についてが言及すらしていなかった。
しかし、タイヤのデグラデーションは予定よりもはるかに小さく、ほとんど全車が1ストップに戦略を変更した。2ストップを選んだのは、追加のピットストップを行なっても失うモノが何もなかったルイス・ハミルトン(フェラーリ)と大いに苦戦していたリアム・ローソン(レッドブル)以外には、レーシングブルズ程度であった。
レーシングブルズの2台は入賞は間違いないというポジションを走ったが、2ストップにしたことで大きくポジションを落とした。そして交換したタイヤでのペースは、ピットストップしたことで失ったタイムを補うほどではなかった。
ハジャーはまだF1で2戦目であたため、戦略に疑問を呈するような権限はないと感じていたという。つまり、経験不足が浮き彫りになった。
「結局、僕にとっては2回目のレースだ。F1でレースをフルに戦うのはこれが初めてだったから、戦略を編み出すつもりはなかった」
「計画がこうだと言ったら、それに固執する。それだけだ。1回目のレースで、(チームと)戦うつもりはない」
「1ストップだったら、ポイント圏内でフィニッシュできたと思う。少なくとも7位だったはずだ」
一方で角田も、「とてもがっかりした」と嘆いた。
「この2戦でポイントをかなり失いました。この厳しいシーズンでは、1ポイント1ポイントがとても重要で、マシンのペースがある時には、確実にそれを最大限に活用しなければいけません。今はマシンのペースを無駄にしてしまっているだけです。次のレース以降は、再び集中してポイントを獲得できるようにしなければいけないです」
レッドブルに移籍することになった角田にとって、このことはもはや問題ではないのかもしれない。しかし角田の指摘は、チームにとって重要なことであるのは間違いない。
中団グループのランキング首位はウイリアムズで、17ポイントを獲得して4番手。フェラーリとは同点ながら、ウイリアムズの方が上位に位置している。しかしレーシングブルズがこの2戦で逃したポイントは開幕戦の6位8点、中国GPの5位10ポイント&8位4ポイントの合計22ポイントであった可能性が高い。つまり合計の獲得ポイントは25になっていたかもしれず、そうすれば悠々とランキング4番手であったはずだ。
今季残りは22戦。レーシングブルズが失ったポイントを取り戻すチャンスは十分残っている。しかしもうこれ以上、戦略ミスでの取りこぼしを続ける余裕はないはずだ。
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みんなのコメント
いつものイタリアン
歴史も経験も豊富なはず古参チームの継承系譜なので
経験不足とかいう言い訳は「ない」
実際、フェラーリもたまにやる
摩訶不思議ストラテジー
はい
何をいまさら…