シルバーストン・サーキットは、F1オーナーであるリバティ・メディアと新契約を締結。2024年までF1イギリスGPの開催地としてF1カレンダーに残ることになった。
元々、シルバーストンは2026年までのグランプリ開催契約を持っていた。しかし、以前F1のCEOだったバーニー・エクレストンと2009年に結んだこの契約は、開催権料がエスカレーター式に毎年5%ずつ上昇するようになっていた。
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2017年7月、シルバーストンのオーナーである英国レーシングドライバーズクラブ(BRDC)は、契約の途中解除条項を行使。2020年以降のイギリスGP開催について、新たにF1のオーナーとなったリバティ・メディアとの再契約に動いていた。
そして、今週末のイギリスGPを前にした10日(水)、F1のCEOであるチェイス・キャリー、シルバーストンのマネージングディレクターであるスチュアート・プリングル、BRDCのジョン・グラント会長が記者会見を行い、新契約が発表された。
キャリーは、シルバーストンとの新契約締結について次のように話した。
「イギリスGPが少なくとも今後5年間はカレンダーに残ることを発表できて本当に嬉しい。イギリスGPは、長年のホームであるシルバーストンに留まる」
「我々がこれまでにも言ってきたように、長期的な将来を見据えるためには、スポーツの歴史的な出発点を維持しなければならない。シルバーストンとイギリスは1950年にF1(世界選手権)がスタートした場所であり、このスポーツにとっての揺りかごだ」
「現在、F1は5大陸で開催され、世界中で5億人以上のファンが観戦するグローバルスポーツだ。我々の目標は、このスポーツのルーツを維持しながら新しい国に持ち込むことで、ファンの数を増やしていくことだ。そのビジョンにおいて、シルバーストンとイギリスGPは不可欠だ」
F1マネージングディレクターのロス・ブラウンによれば、シルバーストンとの契約延長は3月に決まっていたようだ。その後は契約条件の詰めを行っていたが、シルバーストンとリバティ・メディアは”条件にそれほど大きな差はなかった”と発表している。
私有企業であるシルバーストンは、公的な補助金を一切受領していない。近年、BRDCはサーキットのビジネスモデルを再構築し、イギリスGPに財政的に依存しないようにしてきた。
グラントは契約更新ができたことはF1やファンにとって良かったと語った。
「シルバーストンは、F1カレンダーの中でも最も象徴的なグランプリのひとつだ。素晴らしい伝統を持っているので、我々が前進する道を見つけられなければ、ファンやF1にとって悲惨な結果になるところだったので良かった」
「2020年は、1950年5月13日にシルバーストンでF1世界選手権の初戦が行われてから70周年の年であり、さらに特別なイベントになるだろう。BRDCやシルバーストン、F1だけでなく、何百万というイギリスのモーターレースファンにとっても素晴らしいニュースだ」
昨シーズン、イギリスGPには週末合計で34万人、決勝日は14万500人が訪れたと発表されており、全21戦中最多の観客動員数となっている。
リバティ・メディアは、F1カレンダーにヨーロッパの伝統的なサーキットを残したいと述べている。一方で来季はベトナムGPの新開催やオランダGPの復帰により、既存のレースがふたつ姿を消すことになると見られている。
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