C-HRはトヨタの異端児。デザインと欧州で通用する走りを追求
C-HRは、コンパクトSUVの人気が高まりはじめた2010年代前半、他メーカーにはない個性的なデザインと、欧州でも通用する走行性能を兼ね備えた、独自の世界戦略クロスオーバーを生み出そうと企画したのが原点。最初に披露されたコンセプトモデルから雰囲気を変えることなく市販車に仕上げた容姿は、登場からまもなく5年を迎える現在でも目を引く。
スタイリングは、SUVとスポーツカーの融合を図った斬新造形。たくましくい下半身とクーペのような上半身を組み合わせ、立体的な意匠のディテールを多用している。トヨタSUVの中でよい意味で“異端”である。
特徴的なインテリアもまた異質。割り切ったパッケージングのため後方視界はそれなり。ただし前方の視認性や基本的な操作性は悪くない。乗り込んでしまえば後席の居住性も十分と感じる。ラゲッジも不便に感じない広さだ。スペシャルティSUVというキャラクターながら、利便性にも配慮されているのはさすがである。
走り好きを魅了するGRスポーツを設定。6速MTもチョイスできる!
パワーユニットは1.8リッターハイブリッドと、1.2リッターターボ。1.8リッターハイブリッドはFFのみで、大径タイヤの装着を踏まえて最終減速比がプリウスよりも高められている。1.2リッターのガソリン直噴ターボは、当初は4WDとの組み合わせだったが、その後FFが加わり、CVTに加え6速MTもラインアップ。ハイブリッドを含めGRスポーツが設定されるなど、現在ではワイドバリエーションを誇る。
ハンドリングは優秀。もともと欧州市場を視野に入れて仕上げただけにワインディングで楽しく、高速安定性も模範的。重心高が低くロールが小さいことが効いて、安定感があり正確性に優れる。最低地上高は140mmの設定。SUVの一員ながら、悪路走破性に関するプラスαはとくにない。C-HRはあくまでオンロード主体。スタイルとスポーティな走りを楽しむクルマといえる。
2022年1-9月の販売台数は約1.5万台。2017年にはSUV新車販売台数で1位を獲得したことを考えると、現在はだいぶ落ち着いている。開発責任者はデビュー当時「このクルマは、大好きになってくれた人に買っていただければ本望」と語っていた。C-HRは、好き嫌いがはっきり分かれる個性派である。意外と長く人気が維持しているのはむしろ大したものだ。
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トヨタ信者「ふ~ん」
そのスポーツカーってシビック?