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GRヤリス駆る勝田範彦、スバルの新井敏弘を0.7秒差で破り移籍後初優勝/全日本ラリー第7戦

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GRヤリス駆る勝田範彦、スバルの新井敏弘を0.7秒差で破り移籍後初優勝/全日本ラリー第7戦

 JRC全日本ラリー選手権第7戦『ARKラリー・カムイ』が7月2日~4日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催され、TOYOTA GAZOO RacingのトヨタGRヤリスGR4ラリー(勝田範彦/木村裕介組)が今季初優勝を果たした。

 今季初のグラベル(未舗装路)ラリーであるとともに、2021年のシーズン折り返し地点となったラリー・カムイ。今戦は道央エリアを舞台にした『ラリー北海道』に対し、道西を舞台に争われているイベントで、2018年よりニセコ町を舞台に開催されてきた。

トヨタ、今季初のグラベルラリーで勝田/木村組GRヤリスが初優勝飾る/全日本ラリー第7戦

 ステージの路面コンディションは概ねスムーズなグラベルなのが特徴で、速度域も高く、中低速コーナーと高速セクションを併せ持つなど、SSのキャラクターも多彩なラインナップを誇る。

 新型コロナウイルスの影響により、2020年の大会が中止となったことから、2021年のラリー・カムイは2年ぶりの開催に。今大会では、3日(土)のレグ1に6箇所、4日(日)のレグ2にも6箇所と、2日間で合計12本SSの設定され延べ108.84kmの競技区間で争われた。

 8月に第8戦『ラリー横手』、9月に第9戦『ラリー北海道』とグラベルイベントが続くことから、“グラベル3連戦”の初戦として、同時に今後のタイトル争いを占ううえでも注目を集めるなか、最高峰クラスのJN1クラスで幸先の良いスタートを切ったのは、WinmaX DLシムス WRX STIを駆る鎌田卓麻/松本優一組だった。

 地元ドライバーの鎌田は好天に恵まれた3日、オープニングのSS1でベストタイムをマーク。しかし、続くSS2では同じくスバルWRXを駆る新井敏弘/田中直哉組(富士スバル AMS WRX STI)がベストタイムをマークすると、新井はSS3でもベストタイムをたたき出し、総合トップで午前中のループを折り返す。

 一方、午後のループではトヨタGRヤリスGR4ラリーで初めてのグラベル戦に挑む勝田範彦/木村裕介組が猛追を開始。同じくGRヤリスを駆る奴田原文雄/東駿吾組(ADVAN KTMS GRヤリス)がSS5でミッショントラブルに祟られてマシンを止めるなか、勝田がSS4、SS5でベストタイムをマークし、一気に総合2番手に浮上した。

 結局、SS6でベストタイムをマークした鎌田がレグ1をトップでフィニッシュし、わずか2.4秒差の2番手で勝田、6.4秒差の3番手で新井がレグ1を走破。シュコダ・ファビアで第3戦から3連勝を飾って今戦を迎えた福永修/齊田美早子組(アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア)が4番手につけるものの、すでにトップから15.3秒も引き離されていたことからトップ争いは“鎌田vs勝田vs新井”の3台に絞られることとなった。

■「これ以上ないぐらい攻めたけれど勝田選手が速かった」と新井敏弘

 明けた4日も好天に恵まれるなか、レグ2がスタートする。しかし、前日を総合首位で終えた鎌田がいきなり躓いてしまう。

「先頭スタートなので砂利が多くて苦労しました。新井選手と勝田選手のペースについていけなかったのでポジションキープに切り替えました」と語るように、鎌田はこの日のオープニングステージ(SS7)で4番手タイムと出遅れて総合2番手に後退すると、続くSS8で総合3番手に後退。JN1クラスの三つ巴のトップ争いから事実上脱落することとなった。

 対照的に好タイムを連発したのが勝田と新井で、今季トヨタに移籍した勝田がSS7でベストタイムを叩き出し、総合首位に浮上すると、スバルの新井も負けじとSS8、SS9でベストタイムをマークして首位を奪還するなど激しいシーソーゲームが展開された。

 こうしてトップ争いは新井VS勝田の一騎打ちとなるなか、SS10で両ドライバーは同タイムでベストタイムを分け合うなど、午後のループでも互いに譲らないバトルを披露。SS11を制した勝田が首位に浮上するものの、新井も0.5秒差の2番手につけるなど僅差の戦いが続くなか、勝負は最終ステージのSS12まで縺れることに。

 このSS12を制したのは勝田/木村組で「最後のSSは思いきり走りました。最後で勝つことができたのでうれしいですね。メカニック、エンジニアに感謝したいと思います」と勝田が語るように、GRヤリスが僅差の戦いを制し初の総合優勝を果たした。

 わずか0.7秒差で敗れた新井は「これ以上ないぐらい攻めたけれど勝田選手が速かった。クルマの調子は良かったので走り負けましたね」とコメント。惜敗の新井が2位、鎌田/松本組が2戦連続で3位表彰台を獲得した。

 JN2クラスではトヨタGR86-R3を武器に3連勝を果たしているヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(AICELLOラックDL速心GT86R3)がレグ1をトップでフィニッシュするものの、ホンダ・シビックを駆る上原淳/漆戸あゆみ組が1.3秒差で2番手につけるなど序盤から激しいバトルを展開。

 レグ2はSS7を制した上原が首位に浮上するほか、SS8およびSS9でトップタイムをマークし、後続とのギャップを引き離していたのだが、SS10でリタイアを喫したことでコバライネン/北川組がこのグラベル戦を制し4連勝を達成した。

■JN3でもクラストップの車両がリタイア

 JN3クラスではトヨタ86を駆る曽根崇仁/竹原静香組が、レグ1のすべてのSSでベストタイムをマークするなどラリー序盤から猛威を発揮し、後続に23秒以上の差をつけてトップを快走する。しかし、レグ2のSS10で曽根/竹原組はリタイアに。代わってADVAN KTMS ヌタハラRS86をドライブし、レグ2の全ステージでベストタイムをマークした大竹直生/藤田めぐみ組が今季2勝目を獲得している。
 
 JN4クラスは、DLテインBRIG鋳造魂JPCシビックを駆る香川秀樹/松浦俊朗組が計4回のステージウインを飾ってレグ1を制覇。香川はレグ2でも計4回のベストタイムをマークするなど勢いをそのままに今季初優勝を果たしてみせた。

 マツダ・デミオを駆る地元ドライバーの松倉拓郎/尼子祥一組がSS1でベストタイムをマークしたJN5。このクラスではSS2以降、豊田自動織機・DL・ヴィッツをドライブする天野智之/井上裕紀子がベストタイムを連発し、2番手つける松倉/尼子組に26秒以上の差をつけてレグ1をトップでフィニッシュ。翌日のレグ2では松倉が4度のステージウインなどで猛追を披露したものの、天野がポジションをキープし今シーズン初のクラス優勝を飾った。

 JN6クラスではKYB DL アップガレージ Yarisの吉原將大/石田裕一組がレグ1から好タイムを連発。2日間で都合8回のステージベストタイムをマークするなど圧倒的なスピードをみせ見事、開幕5連勝を達成している。

 開幕戦の中止により、全9ラウンドとなったシーズンの前半5戦が終了した全日本ラリー。次戦第8戦『横手ラリー2021』は秋田県横手市を舞台に8月20~22日に開催される予定だ。

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みんなのコメント

3件
  • 最新型の専用車両ヤリスGRがWRXと競ってるてどんたげなんだよw
  • 最近、JRCの動画を見始めて、女性のコ・ドライバーが結構英語で指示を出しているが多いのに驚いた。
    そうか、もしかして息子勝田もこういうのに鍛えられたので、WRCで英国人コ・ドライバーとやっていけるんだと思った。
    ただ、私が見たJRC動画で、お父ちゃん勝田は日本語指示で走っていましたけどね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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