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タイヤ選択が命運を分けパワーが今季初勝利。琢磨は下位に沈む/インディカー第7戦デトロイト

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タイヤ選択が命運を分けパワーが今季初勝利。琢磨は下位に沈む/インディカー第7戦デトロイト

 デトロイト・ベルアイルパークで開催されたNTTインディカー・シリーズ第7戦。5日に行われた決勝レースは、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が通算41回目の勝利を飾った。

 2番手からスタートした佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング)は、タイヤ選択がかみ合わず後退。13位でフィニッシュした。

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 今年のデトロイトはダブルヘッダーではなく、シリーズ第7戦として1レースのみが行われた。予選ではジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が最終アタックラップの大逆転で佐藤琢磨をトップの座から弾き出してのポールポジション獲得。7戦目で7人目のポールウイナー誕生となった。

 気温が摂氏20度ほどにまでしか上がらない過ごしやすいコンディション下で行われたレースでは、7戦で6人目のウイナーが生まれた。

 しかも、16番グリッドからスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が、フルコースコーションの出るタイミングなどといった大きな幸運を得ることなく、圧倒的なスピードと安定感で勝利へと突っ走ったのだった。

 ゴール前1周でアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が背後に迫ったが、それはパワーが相手との差を把握し、自分のペースをコントロールしていたからだった。彼は燃費をセーブし、タイヤにも負担をかけ過ぎないようにを走る余裕すらあったということ。まさに貫禄の勝利だった。


 デトロイトでのパワーといえば、昨年のレースで優勝目前まで行きながら、赤旗中断後にエンジンがかからずレースに復帰できないという悲惨な目に遭ったことが思い出される。

 それだけに今日の優勝は彼に大きな喜びをもたらした。来年からデトロイトGPはダウンタウン開催に戻る。ベルアイルでの借りを見事にベルアイルでパワーは返した。さらに嬉しいことに、この勝利は2012年にデビューしたシボレー2.2リッターV6ツインターボエンジンの通算100勝目となった。

 2014年のインディカーチャンピオンであるパワーは、今シーズンは7戦目にして初勝利を飾った。ベルアイルでの3勝目はキャリア41勝目。2012年にシボレーがインディカーに復活して以来、パワーはずっとチーム・ペンスキーでシボレーエンジン搭載マシンに乗ってきた。そして、毎年少なくとも1勝を挙げ続けてきている。


 今回でチーム・ペンスキーは早くもシーズン4勝目だ。開幕戦でいちばん若いスコット・マクラフランが勝ち、その後にジョセフ・ニューガーデンが2勝を挙げていた。ペンスキー歴が最も長いパワーが3人の中で初勝利は最後になった。

 シボレーはこれで今シーズン5勝目だ。ペンスキー勢以外にはパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)がバーバー・モータースポーツパークで1勝をマークしている。

 今年のデトロイトでのパワーは驚くべき速さを70周にわたって保ち続けていた。リードラップは55周にも上った。ハードコンパウンドのブラックタイヤでスタートした作戦が第一の勝因だった。

 上位陣はソフトコンパウンドのレッドタイヤでスタートしたが、ペースが遅い上にタイヤのグリップダウンが激しかった。パワーはブラック連投でリードを広げた。最終スティントではレッドを履かなければならないが、彼には勝算があった。

「アウトラップからプッシュし過ぎず、ゆっくりとタイヤに熱を入れていった。そうすることでレッドの持ちが長くなる。走り出しではコーナリングでもタイヤへの負担をかけないように走っていた」

「フルコースコーションが出ないか、という心配はあった。大きな差をつけていても、それが消えてしまうから。しかし、今日のレースはずっとグリーンだった。それは結構な驚きだ」とパワーは語った。

 ゴールではロッシが1秒0027差の背後にいたが、パワーはその差がひっくり返されるものではないことを知っていた。レース終盤には敢えてリードラップ最後尾のマシンに近づかず、空力的な悪影響でタイヤが傷まないよう走っていた。


 この勝利で彼はポイントリーダーの座に復活してもいる。ランキング2番手となったマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)との差は僅かに3点しかないが……。

 3位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。9番手スタートだった彼はセカンドスティントにレッドをチョイスしたことでパワーに引き離され、レース終盤にはロッシの先行を許した。

 4位はポールスタートだったジョセフ・ニューガーデン。オーソドックスなレッドタイヤスタートの2ストップではこれが今日望めた最上位だった。5位はオーワード。ペンスキー、マクラーレンは作戦が裏目に出ても確実に上位でのフィニッシュを実現する。

 佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)はスタートしてすぐにシモン・パジェノー、エリオ・カストロネベスのメイヤー・シャンク・レーシング・コンビに先行されて4番手を走行。


 そのポジションで粘り続ける考えだったが、レッドタイヤのグリップがなくなったために9周でピットイン。イエローフラッグが出ない展開が続いたために3ストップに作戦変更してゴールを目指した。

 しかし、3回目のピットストップに時間がかかったこともあって結果は13位と悔しいものになった。

「予選での自分たちは速く、フロントローにグリッドを確保できた。1周でのスピードは持っていた。しかし、連続走行で速さを保てるマシンにはできていなかったということかもしれない」と琢磨は分析していた。

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