現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【分解検証】どっちが速い? スウィッシュvsアドレス V125S 通勤快速対決/スズキ

ここから本文です

【分解検証】どっちが速い? スウィッシュvsアドレス V125S 通勤快速対決/スズキ

掲載 更新
【分解検証】どっちが速い? スウィッシュvsアドレス V125S 通勤快速対決/スズキ

スズキはずっと、「10インチ」に本気だ。世のスクーターの趨勢は大径化に進みつつあるものの、それがすべてではないことをスズキは強く主張する。そんなスズキの新旧10インチ2モデルを駆動系と足周りを中心に徹底比較してみた。PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)REPORT●宮崎正行(MIYAZAKI Masayuki)取材協力●モトメディコ

まずは乗って実感!別次元の高剛性ボディ

実はコレ、スーパーカブなんです!「フレーム改でBMX風メイク」を解説

 試乗前にまず目に留まったバーグラフ式回転計のデザインは、3000rpmを境にステップアップしている。これは、実際に3000rpm付近でクラッチミートすることへの視覚的アピールなのかもしれない。こういう演出って、ライダーはドキドキするよね(笑)。サスペンションは乗り心地の良さを重視してか少し柔らを広く取ることで、安全マージンを増やす万人向けのセッティングだね。
 また、アドレスをカスタムして乗る人たちの間では、「ブレーキをもうちょっと効かせたい」という意見が多くあったけれど、スウィッシュではそんな風評は立たないと思う。ひと回り以上太いタイヤを履いていることと、シャシー剛性の高さがその理由。アドレスのときは、タイヤのキャパ不足を補うかのようにブレーキを強化したり、サスをハードにセットしたりしたけれど、そんなイタチごっこをしないで済むハズだ。
 ただしスポーティかと問われれば、そうでもない。多くの販売が見込まれるアジア圏の道路環境を想定した場合、サスはソフト方向になっていて当然だけど、「もうちょっと走りに振ったセットにしたい」とも思う。車体剛性ははるかに高いので、そのメリットをしっかり活かしつつチューニングを施したい。スラローム走行では誰もが感じられるほど、ボディは“ガッチリ”している。
 表現が難しいけれど、大きく感じるヤマハ・シグナスXとコンパクトだったアドレスの、ちょうど真ん中くらいにスウィッシュはポジショニングしている。台湾で大人気のシグナスXと、日本で売れに売れたアドレス。その両方のいいところをスウィッシュはすくい上げた。新型スウィッシュには伸び代もバリューも、フル装備なのだ!

バラしてみて分かったのは文句なしに高い完成度

 駆動系をバラしてみて分かったのは、プーリーやランププレートをはじめ、アドレスとスウィッシュに共通する部品はあまり多くない。もちろん同じパーツも存在するが、それとてセッティングが変われば意味合いも変わってくる。
 そう、大事なのはセッティング。その上でもっとも強く感じたのは、「2車はセッティングが大きく異なる」ということ。
 これはイメージだが、年を追うごとに厳しくなっている排気ガス規制によって、パワーダウンを余儀なくされてきたアドレスシリーズに科せられた足かせを、イノベーション(技術革新)という名のエクササイズ(筋力増強)で見事に跳ね返しているように見える。……スズキ万歳!
 バイク本来の基礎体力は個人のカスタムではどうしようもなく、メーカーの高度なセッティングに頼るしかない。そんな基礎体力の上にのみ、われわれが行っているプラスαの「チューニング」が成立する。スウィッシュについて言えば、アドレスよりも確実に基礎体力が高い。そのポテンシャルを自分の手でさらに高めたい、武器となる社外製パーツがたくさん発売されてほしい、そう願ってやまない。

●駆動系の分解比較&解説は次回は後日掲載予定です

 さて、具体的な数字で言うと、たとえばノーマルのウェイトローラーは19gだが、うちのショップでは15g、軽いと13gあたりをチョイスすることも。もちろん個人の好みが前提なので押し付けはしない。センタースプリングについても「ココをこうすると、アソコがこうなってしまい……」のように、なかなか各論だけで正解を出すことがむずかしいのが実際だ。そんな試行錯誤こそがチューニングの楽しさでもあるけれど(笑)。
 スウィッシュの駆動系は、ノーマルのままで十分に優れている。規制の足かせに対して無理に抗おうとせず、直球勝負で戦っているのがカッコいいし、そこに未来のカスタムへの可能性も感じてしまう。スクーターファンをワクワクさせてくれる、作り込みのいい新型車が出てうれしいかぎり!
 分解仲間のアドつ~さんの「クラッチは、重さもミートのタイミングもスリップ率も、どれも絶妙としか言いようがない」というコメントもまさに、スズキのセンスの良さと気合いを感じてしまう部分だろう。もしかして、開発メンバーの中に二種スク好きがいたのかも?
 で、ここから先のさらなるパフォーマンス向上に向けて、アフターパーツメーカーさんやショップさんもトライ&エラーを繰り返さなければいけない。「できるものならやってみな!」級に潜在能力の高いスウィッシュとの戦いは、まだまだ始まったばかり。売られたケンカは買わねばオトコが廃る、の勢いでみなさん、頑張りましょう!

こんな記事も読まれています

カーステイ、能登半島地震からの復興支援キャンペーンを開始
カーステイ、能登半島地震からの復興支援キャンペーンを開始
レスポンス
伝説級の踏切渋滞→“一瞬”に!? 東京を変えた「ワープ道路」3選 組み込めばめっちゃ時短に!
伝説級の踏切渋滞→“一瞬”に!? 東京を変えた「ワープ道路」3選 組み込めばめっちゃ時短に!
乗りものニュース
【角田裕毅F1第11戦展望】損傷したフロアに加えPUを交換。スプリントでデータ取り成功も「本当に悔しい」予選14番手
【角田裕毅F1第11戦展望】損傷したフロアに加えPUを交換。スプリントでデータ取り成功も「本当に悔しい」予選14番手
AUTOSPORT web
ホンダ「快適コンパクト」がスゴい! クラス超えの「小さな高級車」仕様から「めちゃスポーティ」仕様も設定! 上質仕立ての「フィット」 どんなタイプがある?
ホンダ「快適コンパクト」がスゴい! クラス超えの「小さな高級車」仕様から「めちゃスポーティ」仕様も設定! 上質仕立ての「フィット」 どんなタイプがある?
くるまのニュース
運転中の涼しさアップ! MAXWINの車載扇風機がお得に買える!
運転中の涼しさアップ! MAXWINの車載扇風機がお得に買える!
月刊自家用車WEB
ダ・コスタ破竹の3連勝。キャシディ無得点、フロントウイング無しのウェーレイン4位で王座争い混沌|フォーミュラE第14戦ポートランドE-Prix
ダ・コスタ破竹の3連勝。キャシディ無得点、フロントウイング無しのウェーレイン4位で王座争い混沌|フォーミュラE第14戦ポートランドE-Prix
motorsport.com 日本版
登場して10年以上たつけど認知度激低!! SA/PAで見かける「ITSスポット」って何ぞ?[復刻・2013年の話題]
登場して10年以上たつけど認知度激低!! SA/PAで見かける「ITSスポット」って何ぞ?[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
BMW「Z3 Mクーペ」が約970万円で落札! 独特のスタイルで新車当時は賛否両論あるも、現在ではカルト的人気が高まりつつあります
BMW「Z3 Mクーペ」が約970万円で落札! 独特のスタイルで新車当時は賛否両論あるも、現在ではカルト的人気が高まりつつあります
Auto Messe Web
0.1秒差でヌービルを退けた新星セスク「それほど難しいことではない」と不敵な笑み/WRC デイ3コメント
0.1秒差でヌービルを退けた新星セスク「それほど難しいことではない」と不敵な笑み/WRC デイ3コメント
AUTOSPORT web
EVとしてのGTI登場!340馬力のパワーと全輪駆動と約600kmの航続距離 これが新型「VW ID.7 GTX」の重要な性能だ!
EVとしてのGTI登場!340馬力のパワーと全輪駆動と約600kmの航続距離 これが新型「VW ID.7 GTX」の重要な性能だ!
AutoBild Japan
【日本向けの生産終了】 日本で販売する最後の「C3」に限定車「メルシー!」を70台設定
【日本向けの生産終了】 日本で販売する最後の「C3」に限定車「メルシー!」を70台設定
AUTOCAR JAPAN
m-tech の「クロモリアクスルシャフトシリーズ」に油冷GSX-R用が登場!
m-tech の「クロモリアクスルシャフトシリーズ」に油冷GSX-R用が登場!
バイクブロス
ホンダ『モンキー125』、カラーリングを変更し7月25日に発売…価格は45万1000円
ホンダ『モンキー125』、カラーリングを変更し7月25日に発売…価格は45万1000円
レスポンス
メルセデスに5000ユーロの罰金。ハミルトンがジャッキを引きずってピットアウト/オーストリアGP
メルセデスに5000ユーロの罰金。ハミルトンがジャッキを引きずってピットアウト/オーストリアGP
AUTOSPORT web
「えっ…!」どう開けるの? 意外過ぎる開閉方法! パカッと左右に開く「観音開きドア」の国産車3選
「えっ…!」どう開けるの? 意外過ぎる開閉方法! パカッと左右に開く「観音開きドア」の国産車3選
くるまのニュース
オージーケーカブトが「SHUMA」にNEWグラフィック「TREAD」を追加!コンパクトさとスタイリッシュさをより一層際立たせたデザイン
オージーケーカブトが「SHUMA」にNEWグラフィック「TREAD」を追加!コンパクトさとスタイリッシュさをより一層際立たせたデザイン
バイクのニュース
トヨタ『ハイエース』デザイントートバッグ新発売…大人の普段使い
トヨタ『ハイエース』デザイントートバッグ新発売…大人の普段使い
レスポンス
その時、神話は生まれた── 当事者たちが振り返る 1992年のデイトナ24時間レース 日本人チーム優勝への意地とプライド
その時、神話は生まれた── 当事者たちが振り返る 1992年のデイトナ24時間レース 日本人チーム優勝への意地とプライド
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

129.8172.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.079.0万円

中古車を検索
キャパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

129.8172.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.079.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村