順調に開発が進む吸排気系&足回り
いま、もっとも巷の注目を集めている新型車ともいえるトヨタ GRスープラ。急いでオーダーを入れても海外工場からの出荷目安は約半年後というほど人気のようだ(7月上旬現在)。そしてカスタマイズの可能性も世界中から関心が集まっている。そんななか、いち早くパーツ開発をアピールしてきたのが、日本を代表するチューニングパーツメーカー「HKS(エッチ・ケー・エス)」だ。
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筑波サーキット・オーバルコースで行なわれたメディア向け試乗会で用意されたデモカーは、直6ターボエンジンを搭載する”RZ”グレード。市販を前提としたオリジナルサスキットや海外市場向けの試作スポーツマフラーが装着されたライトチューンで、ほどよいローダウンと横浜ゴムのアドバンレーシングGT・ホイールを装着することで、フォルム全体がグッと引き締められた印象だ。
まず足まわりからチェックしていこう。こちらは純正ダンパーにアダプターを使って装着するスプリングキット。つまり、ドライブモードや路面状況に応じて減衰力を自動調整する、純正アダプティブバリアブルサスの仕組みはそのまま生かせるわけ。さらにアダプターにはネジ式の車高調整機能が装着されているので、自分好みに足まわりをセットアップできるようになる。
ちなみにスプリングは、純正ダンパーの減衰力で対応できる限界まで引き上げたというバネレートに設定。純正比でフロントが約1.5倍、リヤは約1.2倍だという。伸び側のストロークを確保するために、スプリングはタル型のバリアブルレートを採用した。
デモカーは車検に通る範囲内の前後30mmダウンにセット(車高調整幅は純正比−20mm~−45mm/推奨値−20mm)。様々なサーキットで走りを詰めたと自信作というだけに、助手席での試乗でもスポーティでありつつも質感に溢れる走りを体感できた。しかもロールがほどよく抑えられているうえにトラクションも高く、よほどサーキットをハードに攻めるユーザーでもない限り、必要にして十分なフットワークをみせてくれた。車高調整式サスペンションと比べて手頃な価格帯になるだろうから、チューニングのファーストステップとしても手を付けやすいといえよう。
マフラーは先述の通り、海外市場向けの試作品。85φ→65φ×2のデュアルレイアウトを採用し、ブーストアップやタービン交換のステップアップにも対応できそうな仕様だった。また、ビジュアル面にもこだわり、テールエンドはチタン仕上げの左右出し。迫力のリヤビューを演出する。
GRスープラに純正採用される電子制御の静音バルブを、カプラーオンでそのまま移植できるにしているのもトピックス。これなら近所迷惑も気にならないことだろう。
となると気になるのはサウンド面。スープラらしい重厚感のあるエキゾーストノートは、やる気にさせる迫力の音質となっているではないか。担当者に聞けば、国内の騒音規制(加速騒音規制)にはまったく収まらないという話もうなずける。
また、ノーマル比で約75%となる軽さを達成しているのも、性能に一切妥協したくないスポーツカーだからこその好ポイント。もちろん日本市場向けのスポーツマフラーも今後、開発していく予定というから期待したい。
そして吸気系チューニングでは純正形状タイプのエアフィルターを展示。こちらは、フィルターを徐々に細かくしていくことで集塵性能と吸気効率を高次元で両立させた仕様となっている。
さらに純正の優れた電子制御技術を生かす方向でのチューニングも実践。さらなるパワーを狙っていくうえで必至となる純正コンピュータ解析をはじめ、パーツ開発のハードルは決して低くはないかもしれない。しかし、これまでも攻略困難といわれた新型車を掌握してきたHKSだけに、魅力的なパーツのリリースにはおおいに期待していいだろう。
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