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【試乗】4代目オデッセイが、ボディとサスペンションの高剛性化で獲得した性能とは【10年ひと昔の新車試乗記】

掲載 更新 16
【試乗】4代目オデッセイが、ボディとサスペンションの高剛性化で獲得した性能とは【10年ひと昔の新車試乗記】

2008年、4代目ホンダ オデッセイが登場した。奇をてらうことなく3代目から正常進化を果たして、当時、「オデッセイのコンセプトは完成の域に達した」と言われた。「コロンブスの卵」はどのように成長していたのか。ここでは登場後まもなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年1月号より)

低床・低重心・低全高のパッケージをさらに追求
初代オデッセイのデビューは1994年のこと。その誕生に至る経緯で興味深いエピソードがある。当時、「売れる新型車」を模索していたホンダは新しいミニバンを世に問うことに決めた。しかしアコードを生産していた狭山工場のラインではボディの全高に制約があって「背の低いミニバン」しか作れない。かといってラインを新設する余裕はない。ならばアコードのラインで作ってしまおう。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

それがオデッセイだった。ホンダはオデッセイをミニバンとは名乗らず、「新ジャンルの乗用車」と位置付け、クリエイティブ・ム-バー(生活創造車)なるキャッチコピーで売り出した。アコードワゴンよりはるかに室内空間が広い3列シートの乗用車。おまけに運動性能も好ましい。それがユーザーの求めていたクルマ像にドンピシャだった。

まさしく「コロンブスの卵」。よくいえば柔軟な発想の勝利であり、いかにもホンダ流だ。この初代オデッセイの大ヒットのおかげで1990年代前半、苦境にあったホンダは息を吹き返したといっても過言ではない。一方、1993年にデビューしたスズキのワゴンRは背の高さをセールスポイントとしたト-ルワゴンで、爆発的にヒットした。ワゴンRとオデッセイの大成功によって日本の乗用車のカタチは大きく様変わりし、現在に至るのだ。

第ニ世代のオデッセイは1999年に登場、これは初代の正常進化型だったが、2003年の第三世代となってホンダは思いきったモデルチェンジを敢行した。それは地を這うような背の低いGTカー風味のミニバンであり、並みのスポーツセダンを凌駕する動力性能、ハンドリング性能を大いにアピールした。そして今回いよいよ第四世代にバトンタッチする運びとなり、都内のホテルを起点に試乗会が行われた。

新型オデッセイはひとことでいえば、第三世代の進化型で低床・低重心・低全高のパッケージは変わらない。目新しい仕掛けはないが、その進化内容がとても濃い。

まず、エクステリアデザインは従来型の全体的にノッペリした印象から抑揚の強い立体的な造形に生まれ変わった。とくにフロントビューの押し出し感、大きく張り出したリアフェンダーなどのデザインは躍動感に溢れる。ボディ各部分にも大幅な改良が施された。たとえば、従来型の欠点であった太いAピラーによる斜前方の視界の悪さがほぼ解消されている。これはAピラーを高強度化しながら30%スリム化したことによる。

試乗したのはトップグレードのLi(FF)。2.4Lの173psエンジン(レギュラーガソリン仕様)にCVTの組み合わせで、10・15モード燃費が13.2km/Lとこのクラスでトップを誇る。従来型エンジンより13psパワーアップした上で燃費が改善されたのは内部のフリクション(摩擦抵抗)を徹底的に低減させたからだ。

走り出すとまず、あれっと思うくらい乗り心地が良くなった。従来型はスポーティなのはいいけれど、ハードに過ぎると感じたが、新型はカドがとれてしなやかだ。実はここが最大の美点。

とにかくホンダは昔からサスペンションが「硬いのが好き」なメーカーだ。初代フィットはガチンコの足で第二世代でようやく快適性が向上した。よほど頑固な開発エンジニアが「硬い足」にこだわっていたのだろう。

この件をエンジニアに尋ねてみると、「乗り心地の向上はボディとサスペンションの高剛性化による産物」という。それらによってスプリングを低バネレート化(柔らか)できるので、結果乗り心地がよくなっているという。

もう一点、確実に進化したのがブレーキである。ローターの大径化や取付け剛性のアップによってタッチ、コントロール性ともに優秀。なお、ハードな足まわりと206psの強化版エンジン(プレミアムガソリン仕様)を搭載した、よりスポーティな味付けのアブソルートではトランスミッションがパドルシフト付きの5速ATとなる。また全クレードにデュアルポンプ式4WDもラインアップされる。(文:Motor Magazine編集部/写真:保坂 明)

ホンダ オデッセイLi(FF) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4800×1800×1545mm
●ホイールベース:2830mm
●車両重量:1630kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2354cc
●最高出力:127kW(173ps)/6000rpm
●最大トルク:222Nm/4300rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●10・15モード燃費:13.2km/L
●車両価格(税込):338万円(2008年当時)

[ アルバム : 4代目ホンダ オデッセイ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

16件
  • 駐車場の環境や走行性能を含め、3列シートを考えればトータルバランスは一番だと思う。
  • オデの登場した時、そのワンボックス形状らしからぬスタイルに度肝を抜かれた。
    このモデルはある意味オデの進むべき方向の究極だった思う。
    コレはコレでニーズが有ると思うんだがなぁ。
    多様化した多人数乗車の選択肢が増えて結果オデの販売台数が減った事がその後の方向性を誤らせた気がする。
    売れなくても良いのでは無く目表販売台数で何を目指すのかがブレてしまっていたのでは無いかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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