長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価し、ベスト5のドライバーを選出した。今回はハンガリーGPの週末を振り返る。
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ノリスを先にピットインさせる戦略の根底に、責任を負い「状況を管理する」マクラーレン代表の意図/F1第13戦
ハンガロリンクはドライバーにとって最もチャレンジングなサーキットというわけではないが、現在は全体の力が拮抗しているために、全員が週末のどこかの段階で限界を超えてプッシュしなければならなかった。
【2024年F1第13戦ハンガリーGP ベスト5ドライバー】
■評価 9/10:初優勝にふさわしいパフォーマンスを見せたピアストリ
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選2番手/決勝1位
グランプリ初優勝にふさわしいパフォーマンスを見せたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)ではあるが、満点を与えるには至らなかった。予選でわずか0.022秒差でノリスに敗れた後、決勝では完璧なスタートを切ってトップに立った。最後の20周のドラマの一部となってしまったのは、気の毒というほかない。ただ、バックマーカーをラップし始めた後、ターン11でワイドになったことで、不利な立場になった。それがなければ、チームメイトが2周早くピットインしたとしても、ピアストリをアンダーカットするのは難しかっただろう。
■評価 9/10:辛い決断をしたノリス、真のチームプレイヤーであることを証明
ランド・ノリス(マクラーレン):予選1番手/決勝2位
ランド・ノリス(マクラーレン)はまたしても手痛い敗北を喫した。スタートがうまくいかず、ターン1に3台並んで入っていくことになった。マックス・フェルスタッペンの後ろで数周走り、後にフェルスタッペンがペナルティを避けるために後ろに下がったものの、ノリスはレース前半では、ピアストリに追いつくことができなかった。
しかし非常に高いレベルで走り続けたノリスは、最終スティントの初めに自分にやれる限りのことをした。ピットストップの順序によってチームメイトをアンダーカットしたノリスは、ポジションを返すようにというチームの指示に長い間従わなかった。しかし最終的にはチームオーダーを受け入れるという正しい判断を下した。ドライバーにとっては辛い決断であり、ノリスは自分が真のチームプレイヤーだということを証明した。
■評価 9/10:200回目の表彰台を記録したハミルトン
ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選5番手/決勝3位
ルイス・ハミルトン(メルセデス)にとってハンガリーの週末は、シルバーストンの優勝ほど感動的なものでなかったかもしれないが、通算200回目の表彰台にふさわしいレースをした。予選Q1でラッセルが敗退した後、唯一のメルセデスドライバーとして戦い、Q2では痛いミスを犯して危うく脱落しそうになったものの、Q3でベストの結果を出した。
レースではスタートからプッシュし続け、シャルル・ルクレールよりもうまくタイヤ管理を行って、トップ3の座を確実なものにした。フェルスタッペンがロックアップした際に、ハミルトンは避けることもできただろうが、フェルスタッペンがターン1でしたようにランオフを使って勢いを維持するつもりであると判断したのかもしれない。
■評価 8/10:暗黒時代を抜け出したルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選6番手/決勝4位
ついにシャルル・ルクレール(フェラーリ)が暗黒の時代から抜け出したようだ。今回は素晴らしいレースを展開し、4位でフィニッシュした。SF-24が彼の攻撃的なスタイルに合っていないようで、予選ではまだ最高レベルに達してはいない。しかし決勝では、最初のラップをうまく走り、第1、第2スティントでタイヤマネジメントをうまく実行し、冷静さを保って戦った。最後にフェルスタッペンの後退によりルクレールは4位を獲得した。
■評価 7/10:スタート失敗でチャンスを失ったサインツ
カルロス・サインツ(フェラーリ):予選4番手/決勝6位
カルロス・サインツ(フェラーリ)は、予選ではルクレールより今回も上だったが、決勝スタートが悪く、最初の2スティントでのペースがチームメイトほど良くなかったため、表彰台争いには絡めずに終わった。最後のタイヤセットを最大限に使って、ハミルトン、フェルスタッペン、ルクレールに迫ったものの、終盤はタイヤが終わってしまい、フェルスタッペンに挑戦することができず、6位にとどまった。
【ベスト6以下のドライバーとその戦い】
角田裕毅(RB):予選10番手/決勝9位
=評価 6/10:予選Q3での大クラッシュで土曜夜にはチームに苦労をかけたが、見事なタイヤマネジメントで2ポイントを獲得し、チームの努力に報いた。
ダニエル・リカルド(RB):予選9番手/決勝12位
=評価 6/10:予選で良い仕事をしたが、チームの戦略によって不利な立場に置かれた。だが、彼は経験豊富なドライバーなのだから、チームが明らかに誤った判断を下したときには疑問を呈するべきだった。
ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):予選11番手/決勝13位
=評価 6/10:チームメイトより成績は良かったが、最近のヒュルケンベルグにしては、輝きが足りなかった。
バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー):予選12番手/決勝16位
=評価 6/10:予選で通常より良い位置に立ち、Q3進出に近いところまでいった。しかし決勝ではペースが良くなかった。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選7番手/決勝11位
=評価 6/10:予選で優れたパフォーマンスを見せた。しかし決勝ではタイヤ戦略が大きな不利をもたらし、最終ラップではチームメイトに裏切られた。
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選8番手/決勝10位
=評価 6/10:予選ではチームメイトのペースにおよばなかった。決勝ではアロンソよりはるかに良い戦略で走り、1点を獲得した。チームオーダーに背き、アロンソにポジションを返さずにつかんだポイントだったが。
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選13番手/決勝14位
=評価 6/10:ウイリアムズのマシンに適さないサーキットで懸命に戦ったが、14位が精一杯だった。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選3番手/決勝5位
=評価 5/10:マクラーレンに対抗できるマシンではなかったのに、必死に勝利をつかもうとした結果、貴重なポイントを失った。いくつかのインシデントから、彼がまだ成熟していないことが分かった。無線での暴言は、チームにとって何の役にも立たなかった。
セルジオ・ペレス(レッドブル):予選16番手/決勝7位
=評価 5/10:後方グリッドから堅実な走りで7位を獲得し、自身の週末を救った。しかし2回連続でQ1でクラッシュしたのはいただけない。
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選17番手/決勝8位
=評価 5/10:予選Q1で、自分がすべきことを見誤り、その代償を払った。レースで挽回したが、ペレスに勝つにはペースが足りなかった。
ケビン・マグヌッセン(ハース):予選15番手/決勝15位
=評価 5/10:週末を通して、ヒュルケンベルグに対抗できなかった。
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選19番手/決勝18位
=評価 5/10:マシンのペース不足に苦しんだ。Q1ではチームの誤った戦略によってチャンスを失った。
ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選20番手/決勝リタイア
=評価 5/10:2戦連続でメカニカルトラブルのためリタイア。ほとんど戦うことができないまま週末を終えた。
ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選14番手/決勝17位
=評価 5/10:アルボンとの差は縮まる傾向にあるが、まだタイヤマネジメントに課題がある。
周冠宇(キック・ザウバー):予選18番手/決勝19位
=評価 5/10:スタンダードなパッケージでできることをやったが、レースペースが著しく劣っていた。
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