新型車比較・ライバル車対決 [2022.01.14 UP]
新型ロッキー/ライズ五番勝負【五】vs クロスビー『出費抑制コスパ対決』
公道試乗に続いては、気になる部分にフォーカスして比較判定!!
ライバル車も引き合いに、多様な視点から新型ロッキー/ライズに迫る。
SUVライバル徹底比較【1】ヤリスクロス vs ロッキー/ライズ
●文:川島茂夫
DAIHATSU / TOYOTA ロッキー/ライズ
DAIHATSU ロッキー ●価格166万7000~234万7000円
/TOYOTA ライズ ●価格:170万7000~232万8000円
SUZUKI クロスビー
ハイトミニバンから生まれた
実用コンパクトSUV
ソリオから発展したこともあり、外観の印象以上に室内が広く、背高でスクエアなボディを活かした後席と荷室が実用面のハイライト。パワートレーンはマイルドハイブリッドの1ℓのみで、小排気量ターボをモーターが補助する。スズキ車随一の運転支援も見所だ。
●価格:180万5100~220万7700円
デザインはハスラーにも通じる個性派。インパネシフトなど、およそSUVらしからぬ仕立てとなるが、半面、使い勝手は折り紙付きだ。
【勝負五】出費抑制「コスパ対決」vs クロスビー
よりコンパクトな車体に
遊び心と実用性が
軽乗用の技術を導入して開発されたのがクロスビー。車格的にはロッキー/ライズと同等だ。ただし、本格ハイブリッドは導入されず、全車ISGを用いたマイルドハイブリッドを採用。なお、全グレードに4WDを設定。ビスカス式4WDだが、悪路走行向けのスリップ制御機能を備えている。
車体平面寸法はロッキー/ライズよりもさらにコンパクトだが、ハイト系軽乗用で培ったスペース効率のよさと後席機能等により優れたキャビン実用性を実現。SUVルックのハイト系実用ワゴンと考えてもいい。
キャビンの実用性はロッキー/ライズを上回り、日常域の乗り心地を重視したフットワークなど短中距離用途向けの走行特性であり、タウン&レジャーを中心とした用途では高く評価できる。
ただ、SUVらしさや先進感を求めるユーザーには嗜好違いの感も濃く、そういったイメージも含めてプラスαの要素を求めるならロッキー/ライズのほうが魅力的。イメージの点でも本格ハイブリッド車の導入は大きく作用する。
【判定】タウン&レジャーの実用性ならクロスビー、+αの先進性やSUVらしさならロッキー
1ℓターボ+マイルドハイブリッドを搭載
登録車最小クラスながら全車速追従機能付ACCに加え、車線維持機能も設定。運転支援の充実でレジャーへのハードルを下げている。
車線維持支援機能でお出掛けを応援
登録車最小クラスながら全車速追従機能付ACCに加え、車線維持機能も設定。運転支援の充実でレジャーへのハードルを下げている。
コンパクトな車体をフル活用
車体サイズはミニマムながら、窮屈さがなく使い勝手に優れる。軽自動車が得意なメーカーならではのパッケージングだ。
■主要諸元比較
ロッキー/ライズより小さくて背高な設定。ターボエンジンは単体では高出力だが、駆動力ではロッキーに逆転される。燃費の差も大きい。
【まとめ】新型ロッキー/ライズはコスパの優等生!
以前のクロスオーバーSUVは2BOX/ワゴンとほぼ同じハードウェアを採用するわりには高価格の値付けが当たり前。スペック比較では割高な印象も強かったが、最近は普及とともに値ごなれしてきたようだ。同車格の2BOXに比べるとまだ高価だが、コンパクトSUVも過渡期に入ったと考えていいだろう。
ロッキー/ライズのハイブリッド車は象徴的だ。ダイハツにとってはこれから始まる低価格ハイブリッド戦略の尖兵、トヨタにとってはヤリス クロス、カローラ クロスとともに実用車としてのSUVの一般化の下支えとなるモデルであり、どちらも一般ユーザー向けのコスパが鍵となる。求める用途や条件によって変わるものの、コンパクトSUVはコスパ重視で選ぶ時代。ロッキー/ライズのハイブリッド車はそんな流れを確実に汲み取ったモデルと言える。
SUVは今後も競争激化必至。先進機能は当然のこと、さらに燃費/走り/使い勝手など、価格以上の価値提供がカギとなっていく。
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