フェラーリのフレデリック・バスール代表は、レッドブルに科せられた予算制限ペナルティは甘すぎたと主張している。
レッドブルは2021年の予算制限をオーバーしてしまったことで、700万ドルの罰金と2022年10月から12ヵ月間の空力開発時間の10%削減を言い渡された。
■フェラーリ、サインツJr.への5秒ペナルティ見直しを求め異議申し立て! バスール代表「議論の再開が最初の一歩」
ワールドチャンピオンのレッドブルは、ペナルティもあって昨年のランキング7位だったアストンマーチンと比べて今年は63%しか風洞やCFD(コンピュータ流体解析)で空力開発できない状況なのだ。
しかし、そんな中でもレッドブルの今季マシン『RB19』は圧倒的なパフォーマンスを発揮し、シーズン序盤3レースを支配した。
レッドブルがこの状況を乗り越えたことに驚いているかという質問に対し、バスールは「それはペナルティではなかったのだと思う」と答えた。
「それはとても軽いものだった。基本的に考えて、空力面でシーズンを通して1秒弱改善すると考えれば、ペナルティはその10%、つまり10分の1以下だ」
「そして開発の進捗は、直接比例するわけではなくおそらくもっと少ないだろう。そしてその分、浮いたお金は別のところに使うことができる。私から見れば、ペナルティはわずかなものだということだ」
レッドブルがペナルティにうまく対処したと思うか、それともペナルティが十分に厳しくなかったと考えているかと聞かれ、バスールは次のように語った。
「どちらもだ。彼らはいい仕事をした。それでも私は、ペナルティが非常に軽かったと確信している」
「シーズン中の開発ペースを考えて、最後の10%でバランスを取ることを考えれば、(時間と効果が)比例するわけではないんだ」
「そして風洞で浮いた分を、軽量化など別のところに使うことができるんだ。支出が多かったことでシーズン当初のアドバンテージになると考えれば、効果が大きかったとは断言できないだろう」
「彼らがいい仕事をしなかったと言いたいわけではない。正直なところ、とても良い仕事をしたと思っているんだ」
「言い訳をしようとも全く思っていない。しかしペナルティが軽すぎたかと聞かれれば、そうだと答えるよ」
バスールは、レッドブルRB19がDRSを開いた際にライバルと比べて大きなアドバンテージがあると認めた。
「彼らは他のどのチームよりも大きなDRS効果を持っている」
「どうやってこんなことができるのか、理解しなければならない。昨年はもっと顕著だったと思うが、我々はそのギャップを一部埋めることができた。しかし、我々はまだこれを改善しなければならない」
また、レッドブルは予選よりもレースでより大きなアドバンテージを持っている。フェラーリは現在、レースでのパフォーマンス向上を大きな課題としており、オーストラリアGPでもその改善に注力していた。
バスールはその点で収穫はあったとしながらも、依然としてレッドブルがアドバンテージを持っていると語った。
「シーズン最初の3レースで、完全なデータが得られるわけではないことを理解する必要があるが、我々は予選ではフロントロウを彼らと争うことができるという感触を常に持っていた。しかし決勝ではもっと難しくなってしまった」
「少なくとも我々の分析でのデータでは、オーストラリアGPのレースでのアドバンテージはもっと低かったと思う。これは燃料やタイヤの状況が違っても限界までクルマをプッシュできるというドライバーの能力にも起因していると思う」
「ピーキーすぎるクルマは、予選でニュータイヤを履けば1周だけならなんとかなるかもしれない。予選でソフトタイヤを5セット履けば、バランスは分かっているはずだ」
「レースではもう少し難しいかもしれない。我々はここ数週間ほど、少しずつこの方向を追求しているんだ」
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