新規サテライトチーム、ペトロナスYamahaのファビオ・クアルタラロ&フランコ・モルビデリの予選1-2フィニッシュというサプライズのあった、ヘレス“アンヘル・ニエト”サーキットで行なわれたスペインGP。一気に世代交代か、それとも韋駄天マルク・マルケス(レプソルホンダ)、前戦優勝のアレックス・リンス(TeamスズキECSTAR)、ポイントリーダーのアンドレア・ドビツィオーゾ(Mission Winnowドゥカティ)の逆襲かが注目されたグランプリは、ある意味まっとうな、そしてある意味驚きのレース展開となりました。
決勝日朝のウォームアップでも、モルビデリが4番手、クアルタラロが7番手と好タイムをマークし、決勝日のコンディションにうまく合わせた調整ぶりを見せます。
ちなみにトップタイムは、セッション開始早々になぞのエンジンストールでピットロード入り口で(ほぼ)立ちごけしてしまったマルケス。なんかシフトが入らなかったようなアクションを見せながらのぽてゴケで、前戦のドライブチェーン外れといい、決勝レース中の転倒といい、RC213Vに何かが起こってる?
2番手にマーベリック・ビニャーレス(モンスターヤマハ)で、しかしビニャーレスはQ1落ちからQ2進出、予選は2列目5番手と、速いんだか遅いんだか読めません。5番手に中上貴晶(LCRホンダIDEMITSU)が入りました。
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決勝レース、スタートからホールショットを奪ったのはマルケス。ここヘレスはパッシングポイントの少ないコースとしても知られていますから、スタートが肝心。このままマルケスは、前戦アメリカズGPの(転倒するまで)ように逃げまくる作戦だったのだと思います。
「アメリカズGPでの失敗から、そうスタートから逃げきれないものだとは思っていたけど、ここヘレスではバイクも僕も調子がよくて、スタートから逃げるだけのペースがあると思っていたんだ」(マルケス)
マルケスのロケットスタートを見て、これはマルケスが逃げてぶっちぎるレースなんだな、と思ったんですがさにあらず。なんとマルケスの背後にモルビデリが貼り付き、その後方にクアルタラロ&ビニャーレスと、3台のヤマハYZR-M1がマルケスを追走。オープニングラップから速いマルケスが逃げていくものだと思ったんですが、3台のヤマハがそれを許さず、ずっと僅差のままトップ争いが展開されていきます。
しかし、ポールシッターを譲ったとはいえ、韋駄天マルケスのスピードは2番手以下より一枚上で、ジリジリと単独走行に持ち込むような展開。マルケスが後方を引き離し、その2秒後方にモルビデリ、クアルタラロ、ビニャーレス、それからリンスが集団を形成。この中では、9番グリッドからスタートしたリンスのペースがよかったですね。
この集団で動きがあったのはレース中盤。ポールシッターのクアルタラロが、チームメイトであるモルビデリをかわして2番手に浮上すると、リンスもビニャーレスを捕えて4番手に浮上。2位集団のオーダーはクアルタラロ→モルビデリ→リンス→ビニャーレスという顔ぶれになります。
しかし、ここで大きな動きがあります! 2番手に浮上、徐々に3番手以降を引き離してマルケス追撃に入っていたクラルタラロが14周目のバックストレートエンドで突如失速。シフタートラブルでギアが3速固定になってしまって、惰性でピットまで戻っての失意のリタイヤです。ピットに帰ってからのクアルタラロ、取り乱していましたね。泣きながらスタッフにトラブルを伝えていたようで、ホント残念! このスピード、また見たいです!
レースはクアルタラロ転落と同じタイミングでリンスがモルビデリをかわして、リンスはすぐにモルビデリ×ビニャーレスのパックを引き離し、これでポジションはマルケス→→→リンス→→モルビデリ×ビニャーレスのような様相となって、ビニャーレスの後方からドビツィオーゾとペトルッチが接近。レース中盤からはモルビデリのペースが落ち始め、モルビデリはビニャーレス、ドビツィオーゾ、ペトルッチにかわされてポジションを落とすと、終盤にはバレンティーノ・ロッシ(モンスターヤマハ)、カル・クラッチロウ(LCRホンダCASTROL)にもかわされて8番手へ。しかし、ラスト2周でクラッチロウを抜き返し、7位でフィニッシュしました。
序盤は、追いすがるペトロナスYamahaの2台を引き離せなかったものの、終わってみればジリジリと後続を引き離したマルケスが今シーズン2勝目を獲得! 2位には前戦アメリカズGPウィナーのリンス、3位に復活(したのかな?)のビニャーレスが入りました。
「アルゼンチンGPの時みたいに……っていうか、アメリカズGPも転ぶまでは同じだったんだけど、ああいう(逃げ切りの)レースをしようと思っていたんだ。あの転倒で自信を失ったなんて言われないようにね。最初の10周は集団でのレースになるとわかっていたけど、自分のペースで、自分のラインを走っている時には、誰が後ろにいるかはわからないもんだよ。タイヤは新品のうちはみんな速いのは当たり前、そこからグリップが落ち始めたときに、僕はライバルたちより速い、いいフィーリングをキープする自信がある。きちんとペースをコントロールして勝つことができたんだ。ここヘレスはホームグランプリみたいなものだし、僕はベストチーム、ベストバイク、ベストパッケージだって信じてるから!」とマルケス。
抜きにくいコース、最初から前に出たい、タイヤのグリップが落ち始めてからもペースが落ちないようなマシンを作る――その当たり前のことを、きっちり準備できたマルケスの完勝でした。こういうレースができている時のマルケスは強いですね。シーズン序盤、特にヨーロッパに来るまではもたつくことがあるマルケスですが、ここから平常運転――いつもの「絶対王者」マルケスが復活してしまったのかもしれません。
2位に入ったリンスは、まず予選順位をもう少し上げないと。開幕戦は予選10番手で決勝4位、アルゼンチンは予選16番手から決勝5位、アメリカズでは予選7番手から優勝、そして今回は予選9番手から2位に入っています。すべて後方からのスタートで、予選順位を上回るポジションでフィニッシュしてはいますが、リンスのレース後半の速さ、つまりタイヤグリップのマネージメントがあれば、序盤で集団に巻き込まれずにレースをするだけで、もっと楽に上位フィニッシュできるはずです。もちろん、そんなことチームもライダーもとっくに知っているとは思いますが(笑)。
そして気になるのはヤマハ勢ですね。今回はサテライトのふたりが予選1-2からレース前半をリードしていたのに対して、ファクトリーのふたりは今ひとつ。ビニャーレスは2列目スタートから、今回はレース序盤でポジションを落とさずに済みましたが、ロッシは5列目スタートですから、6位まで追い上げてのフィニッシュは素晴らしいけれど、レース序盤に集団を抜けるまでにタイヤを使っちゃうから、トップグループに絡めずに終わってしまった。今年のヤマハYZR-M1は、2シーズンにわたる不調を脱したのかそうでないのか、なかなかわからないんです。
マルケスが最強モードに入って手がつけられなくなる前に、ヤマハ勢に復活してほしいし、スズキ勢は予選がんばれ、ドゥカティは知らないうちに上昇してくるでしょう。マルケスのチームメイトだって、ケガが癒えたら上位に進出してくるでしょうしね。
やっぱりレースは、優勝候補が多い方が面白いですからね!
■MotoGP第4戦 スペインGP
MotoGPクラス 正式レース結果 ()内は予選順位
1 (3) マルク・マルケス ホンダ 41m08.685s
2 (9) アレックス・リンス スズキ +1.654s
3 (5) マーベリック・ビニャーレス ヤマハ +2.443s
4 (4) アンドレア・ドビツィオーゾ ドゥカティ +2.804s
5 (7) ダニロ・ペトルッチ ドゥカティ +4.748s
6 (13) バレンティーノ・ロッシ ヤマハ +7.547s
7 (2) フランコ・モルビデリ ヤマハ +8.228s
8 (6) カル・クラッチロウ ホンダ +10.052s
9 (8) 中上貴晶 ホンダ +10.274s
10 (14) ステファン・ブラドル ホンダ +13.402s
これで4戦を終わってポイントランキングは以下の通り。マルケスは、1レースを転倒で落としましたが、4戦を終わっての獲得ポイントは昨年と全く同じ70ポイント。ただし、昨年にはこの時点でランキング2位(ヤマハ時代のヨハン・ザルコ)と12ポイント離れていたんですが、今年は2位までのポイント差はわずか「1」。昨年のポイントと比べると、リンスが16Pから69Pと躍進、ドビツィオーゾが46Pから67P、ロッシも40Pから61P、中上も9Pから29Pと増やしているのに対し、ビニャーレスが50Pから30Pに、ザルコなんか58Pから7Pまで減らしてしまっています。うーむ……ザルコが心配ですねぇ。
次戦は2週間後の5/19に決勝が行われるフランスGP。クアルタラロのホームグランプリです。
■ポイントランキング(4戦終了時)
1 マルク・マルケス ホンダ 70P
2 アレックス・リンス スズキ 69P
3 アンドレア・ドビツィオーゾ ドゥカティ 67P
4 バレンティーノ・ロッシ ヤマハ 61P
5 ダニロ・ペトルッチ ドゥカティ 41P
6 マーベリック・ビニャーレス ヤマハ 30P
7 ジャック・ミラー ドゥカティ 29P
8 中上貴晶 ホンダ 29P
9 カル・クラッチロウ ホンダ 27P
10 フランコ・モルビデリ ヤマハ 25P
写真/Honda Yamaha SUZUKI Michelin 文責/中村浩史
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