この記事をまとめると
■ロングドライブ時にドライバーの疲労を大幅に軽減してくれるACC
使ってる人がいたらいますぐヤメるべき! アダクティブクルーズコントロールを一般道で使用するのはNG
■非常に便利なACCであるが間違った使い方をすると危険だ
■ACCは運転疲労軽減に役立つだけに正しい使い方で大いに活用したい
いまやなくてはならない装備のひとつとなったACC
かつてのクルーズコントロールとは違い、いまでは軽自動車にも採用されている運転支援機能がACC(車間距離制御装置=アダプティブクルーズコントロール)だ。
高速走行中、ACCをセットすれば、アクセルとブレーキの操作なしに、設定速度を維持して走ってくれるだけでなく、前車との車間距離を保って前車に追従。前車がスピードを落とせば、こちらも自動的に速度を調整してくれるから、運転のストレスが低減する。それは交通が流れているときも、低速でノロノロ運転を強いられる場面でも同じ。
なお、速度調整はグイーンと速度を上げ、たとえば80km/hに到達したときにACCスイッチをオン、またはセットボタンをオンにすればOKで、「+」「-」スイッチで速度調整、前車との車間距離も任意で可能となる。それに、レーンキープ機能が付いている車種もあり、車線のほぼ中央を維持して設定した速度、または前車に追従してくれるから便利だ。
とくに高速道路で発進、停止を繰り返す渋滞時には、ことさら威力を発揮。ACCのなかには約30km/h以上でしか作動しない旧来型のタイプもあるにはあるが、いまでは渋滞追従型とも呼ばれ、0km/hまでブレーキ制御が入るタイプが主流になっている。
であれば、高速走行中に大渋滞に遭遇しても、これまたストレスは最小限。ただし、完全停止できたとしても、停止状態の保持時間はさまざま。約3秒で解除され、ブレーキを踏まなければならないタイプもあり、前車が動き出したとすると、ACCを再セットするにはアクセルオンまたはステアリングのACCメインスイッチとともにあるRESボタンを押すことで、ACC走行が再開、継続する。
ちなみに停止保持時間はクルマによってマチマチで、たとえば国産Mクラスボックス型ミニバンでは、トヨタ・ノア&ヴォクシーが約3分、日産セレナが約30秒、ホンダ・ステップワゴンが約3秒となっている。
当然、保持時間が長いほうが使いやすい。その停止保持時間内であれば、前車が動き出したとき、自動でこちらも再発進してくれる車種もある。
正しく使用してロングドライブの疲労を軽減
が、そんな便利なACCも、使い方を誤ると危険だ。そもそもACCは高速道路で使う前提で作られている。前車を検知するセンサーも基本的に一定の角度で前向きに設定されているため、突然の割り込みや他車の動きが激しい一般道ではブレーキ制御が間に合わないケースもある。よって、ACC機能への過信は禁物で、とくに、想定されていない一般道での使用は間違った危険な使い方であり、控えるべきなのである。
一般的なACCは、セットした一定速度の走行、前車追従が基本。だからカーブに単独で差しかかった際、前車のいない高速料金所の進入時でも、セットした速度のまま走ってしまう。カーブの進入速度が速すぎて膨らんでしまう(最悪事故)、料金所においてETCトラブルで停止した車両に突っ込んでしまうなどの可能性もある。
一般的なACCの場合は、カーブ手前ではブレーキを踏んで速度を落とす、あるいはACCの「-」スイッチを何度か押して減速する(機能は車種による)……といった操作が必要になる。ACCの使いっぱなしもまた危険であり、間違った使い方である。
ただし、スバルのアイサイトX、日産のプロパイロット2.0のように、高精度地図データとGPS、天頂衛星などの高精度な測位技術を用いたACCは、走行している車線、カーブ、料金所(すべてではない)を検知し、手前で自動減速してくれる高機能なものも存在するが(ハンズオフドライブを含む)、それでも、いつでもブレーキが踏める用意は必要だ。高機能ACCでも、あくまで自動運転ではないのである。
もちろん、高速道路から下りる際も、手前でACCを解除するべきだし、高速道路の合流ではACCの加速では不足することもあるため、アクセルペダルによる加速が必要になるだろう。また、センサーには限界があり、ゲリラ豪雨、降雪時はセンサーの検知精度が下がるため、ACCの使用は控えるべきだ。
とはいえ、ACCは高速走行時、ロングドライブでのドライバーの運転疲労軽減に役立つ、ぜひとも活用したい運転支援機能といっていい。もし、ACCが付いているクルマに乗っていてまだ使っていない……のであれば、まずは交通量が比較的少なく、一定速度で流れている高速道路で、車間距離の設定を広め(前車との距離が開いた)の設定で、ACCの便利さを体験するとよい。知ってしまえばもう使わずにいられない運転支援機能になるはずだ。
高速追従走行はもちろん、渋滞時にそのありがたみを痛感できるに違いない。
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みんなのコメント
バックカメラといい、機械に頼りすぎると人は愚かになる。