この記事は2019年2月に有料配信したものを無料公開したものです。
アウディは2018年11月に開催されたロサンゼルス・モータショーでコンセプトカー「e-tron GT」を発表した。コンセプトカーとはいうものの、その仕上がりは量産モデルのレベルに達しており、2020年に市販され、デリバリーは2021年初頭と噂されている。価格は1550万円という予想だ。アウディのピュアEVモデル、e-tronGTの詳細を見てみよう。
e-toron GT
今回発表された純電気駆動のe-tornシリーズ第3弾は4ドアクーペの「e-tron GT」で、フラットなフロアアーキテクチャーを備え、ダイナミック性能を重視した低いプロポーションと低い重心が特長だ。550psという最高出力により、スポーツカーに匹敵するパフォーマンスを発揮する。
モーターならではの特性を活かしたトルクベクタリング付きクワトロ(4WD)で、スポーツモデルにふさわしい性能を実現。また、このモデルはアウディのハイパフォーマンスモデルを開発する子会社「アウディ スポーツGmbH」が担当する。このことからもわかるように、プラットフォームは、電動化プラットフォームの高性能モデル用の「スポーツプラットフォーム・エレクトリック(SPE)」を採用している。
e-tron GTのボディサイズは全長4960mm、全幅1960mm、全高1380mm、ホイールベース2900mmで、巨大なボディのグランツーリスモだ。この4ドアクーペは軽量化のためマルチマテリアル(素材)構造を使用している。カーボン製のルーフ、大幅な範囲で採用されるアルミニウム製コンポーネント、そして高強度な超高張力鋼板で骨格部を構成している。このボディ構造は、ポルシェと一体となって開発されているが、デザインとキャラクターはアウディのDNAを保持している。
リヤエンドまで流れるようなアーチを描くルーフラインは、アウディのA7スポーツバック スタイルを採用。しかし細部はよりリファインされ、リヤに向かってキャビンがより強く絞り込まれている。ホイールアーチとショルダー部分には立体的な造形が施され、バッテリーパックをフロア部に配置したことで低重心となり、その低重心を活かすダイナミックなポテンシャルを強調している。
ボディに設置された多くの機能エレメント、ホイールアーチのエアベントやリヤディフューザーは、風洞実験室から生み出され、電費を削減する優れた空気抵抗係数と低い揚力係数を実現している。
前後ホイールアーチ間のサイドシル部は外側に張り出しているが、これはバッテリーがこの位置に搭載されていることを表現しているのだという。また前後のライト類はすべてLEDで、フロントはレーザーハイビームライトも組み込まれている。もちろんライトにはA8で採用されているようなアニメーション機能が組み込まれ、水平方向に広がる波をイメージした短いシーケンスによってドライバーを迎えてくれる。
駆動システム
e-tronクワトロは前後のアクスルにそれぞれ駆動用の電気モーターを搭載。2個のモーターは永久磁石同期式で、最高出力590psに達する。電気駆動のため前後のアクスル間に機械的なリンクがないため、極めて精密に駆動力制御が行なわれている。電子制御により前後のアクスル間だけでなく、左右のホイール間の駆動力もコントロールし、つまり前後、左右輪でトルクベクタリングを可能としている。さらに4輪操舵システムを採用し、ハンドリングなどダイナミック性能は極めて高い。
e-tron GTの目標性能は0-100km/h加速が約3.5秒、0-200km/hはわずか12秒で到達するとされている。航続距離を最大化するために、最高速度は240km/に制限している。このクルマが、多くのライバルと一線を画している点は、連続してフル加速を繰り返すことができるポテンシャルを持っていることだ。通常の電気自動車はバッテリー、モーターの発熱の問題で出力が制限されるが、e-tron GTは完璧な冷却システムによって、モーターとバッテリーのポテンシャルをフルに発揮させることが可能なのだ。
航続距離は、WLTCモードで400kmを超え、搭載するリチウムイオンバッテリーは、90kWh以上の容量を備えている。またe-tron GTは回生システムによって最大で30%航続距離を伸ばすことができる。回生システムは、2個の電気モーターを使用し、電気油圧的に統合されたブレーキコントロールシステムを活用する。そして3種類の回生モードを組み合わせて使用するようになっている。
モード選択はシフトパドルのマニュアル操作によって行ない、コースティング回生、そして自動的に起動する予測効率アシストを活用したコースティング回生、さらに電気と油圧による減速をスムーズに移行するブレーキ回生だ。ちなみに0.3G以下の減速では、エネルギー回生は電気モーターだけが担当し、従来型のブレーキは使用しないようになっている。
通常の油圧ブレーキは、ドライバーがブレーキペダルを踏んで0.3Gを超える減速が発生したときのみに使用する。なおハードブレーキングの繰り返しに耐えられるように高性能セラミックディスクを装備している。
充電は、左側フロントフェンダーの充電ポートケーブルを接続して行なうが、アウディワイヤレスチャージングによる非接触充電も可能だ。非接触充電を行なう場合は、フロアに2次コイルを備えた充電パッドを装備する必要がある。駐車スペースに置かれた1次コイルパッドとの間で交流電圧が生み出される。充電出力が11kWの場合は一晩でフル充電することができる。
なおe-tron GTの充電システムは、超高圧の800V充電に対応しているこの方式は、現在使用されているシステムと比較して、充電時間が大幅に短縮される。バッテリーがゼロの状態から80%まで充電するのに必要な時間は約20分で、これにより、再び320km以上の距離を走行することができる。もちろん、従来の低い電圧での充電も可能で、あらゆる充電ステーションを利用することができる。
インテリア
2900mmというロングホイールベースで、4ドア、4シートのインテリアは、上質で広々としている。センターコンソール、トップセクションの大型タッチスクリーン、ドアレールとコックピットのラインがドライバーを取り囲むようにレイアウトされ、各種機能やインフォテインメントをはじめとする操作系は、人間工学的に最適化されている。センターコンソールとインスツルメントクラスターは、まるで宙に浮かんでいるようなデザインだ。
このコンセプトカーでは、一貫して持続可能な素材を意図的に採用し、現在のクルマに対するメッセージを表現。素材はすべて植物由来のもので、シート地やトリム地には洗練された合成皮革を使用。シートクッション、アームレスト、センターコンソールには、リサイクル繊維で作られたファブリックを採用し、ヘッドライニングとウィンドウピラーのトリムはマイクロファイバー素材だ。起毛のカーペットも使用済みの漁網で作られた再生ナイロンを使用している。
ラゲッジスペースは大型のテールゲートを備えたリヤコンパートメントが最大450Lの容量で、ボンネットの下にも100Lの収納スペースが用意されている。
アウディの電動化「e-tron」シリーズ
アウディは、2015年にA3 e-tronを発売しているが、これはMQBプラットフォームを採用したプラグインハイブリッドだった。その後、フォルクスワーゲングループ全体での電動化戦略の再定義を行ない、アウディの電動化プログラムも見直しを受けている。その詳細は既報だ。
※関連記事:フォルクスワーゲンの電気自動車戦略とMEBプラットフォーム:フォルクスワーゲンの電気自動車戦略とMEBプラットフォーム
新たなグループの電動化戦略では、電気自動車専用の「MEB(モジュラー・エレクトリック・プラットフォーム)」、アウディ、ポルシェが採用するプレミアムEV向けの「PPE(プレミアムプラットフォーム・エレクトリック)」、その上の超高級スポーツカー向け「SPE(スポーツプラットフォーム・エレクトリック)」を展開することが決定している。
アウディは2019年春には「e-tron SUV(正式名称はe-tron 55クワトロ)」をヨーロッパで発売する予定で、すでに生産に入っている。この「e-tron SUV」は、MLB evoプラットフォームをEV用にモデファイしたDセグメントの電動AWDモデルだ。バッテリー容量は95kWhで、航続距離は370km。
さらに2017年4月の上海モーターショーで、電気自動車e-tronの第2弾となるコンセプトカー「e-tron スポーツバック コンセプト」を発表している。このe-tron スポーツバックはすでに量産準備を整えており、2019年秋には発売されると予想されている。
e-tron スポーツバックのボディサイズはe-tron SUVと大差ないが、ポルシェと共有する新開発のプレミアムプラットフォーム・エレクトリック(PPE)を採用する。なおPPEはBセグメントからDセグメントまでカバーできるモジュラー・プラットフォームだ。
前後のモーター出力も合計435ps(ブーストモードでは503ps)、最大トルク800Nmと強力で、0-100km/h加速は4.5秒、最高速度210km/hという動力性能を発揮し、航続距離はWLTCモードで400kmに達すると発表されている。当然バッテリーも95kWhと大容量で、販売価格はe-tron SUVとほぼ同レベルの1100万円前後と予想されている。
アウディは、EV第1弾のe-tron SUVモデルにより電動化攻勢を開始した。2025年までに、アウディは全世界の主要な市場で12モデルの電気自動車を発売し、電動化モデルの販売台数を全体の約1/3にすることを目指している。
さらに、アウディはアバントやスポーツバックなど従来モデルの電動化も行なうという。そして従来型のボディを備えた電動化モデルも導入される。つまりMQB、MLB evoを採用した既存モデルにも電動化モデルをラインアップするのだ。その結果、コンパクトからフルサイズクラスまで、全セグメントを電気駆動モデルが網羅することになるという。
アウディ 関連情報
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