はたらくクルマ図鑑「加藤製作所のクレーン車」のヒミツ5

車のエンタメ [2023.08.22 UP]


はたらくクルマ図鑑「加藤製作所のクレーン車」のヒミツ5

建設や土木などの現場で大活躍するのがクレーンだ。そして、そのクレーンとクルマが合体したものがクレーン車である。ではそのクレーン車には、どのような種類があるのか？　そして、その仕組み、そして操縦方法とはどのようなものなのか？　「KATO」ブランドで知られるクレーン車の大手、加藤製作所を取材した。
●取材・写真・文／鈴木ケンイチ　●取材協力／(株)加藤製作所


加藤製作所のプライベートミュージアムを見学
今回、取材に訪れた加藤製作所の茨城工場の一角には、プライベートのミュージアム・スペースが設置されていた。一般公開はされていない貴重な車両ばかりのため必見！その一部を紹介しよう。


「4t ガソリン機関車」

製造銘板が欠品しており、製造年不明。ただし、海軍省の標識があるため戦前の車両であることは確実だ。

「3.5t F型ガソリン機関車」&「4t ガソリン機関車」

手前が「3.5t F型ガソリン機関車」（1929年製造・推定／BUDAエンジンを搭載）、奥が「4t ガソリン機関車」（製造年不明）。

「油圧式トラッククレーン」

昭和43年（1968年製造）のトラッククレーン(NK-8A)。トラックの車両は、いすゞ製。クレーンは油圧で作動する。

「本線用　15t B型ディーゼル機関車」

1961年製造・太平洋ニッケルの新発田工場へ納入。日野のエンジン、岡村製作所の変速機を搭載。

「ホイールクレーン」&「農耕用鉄輪式トラクター」

左が「ホイールクレーン」（製造銘板欠品・1942年製との説があり）と奥の「農耕用鉄輪式トラクター」（製造銘板欠品）。

「農耕用鉄輪式トラクター」

「農耕用鉄輪式トラクター」（製造銘板欠品）。北海道の古谷農園へ納入。カトウ製（1946年製造）のガソリン・エンジンを搭載。

「10RM型マカダム型ロードローラー」

「10RM型マカダム型ロードローラー」（1959年12月に神戸建設に納入）。いすゞ製のディーゼル・エンジンを搭載。自重10tだ。

「ホイールクレーン」

「ホイールクレーン」（製造銘板欠品・1942年製との説があり）の後ろ側。エンジンはいすゞ製のディーゼル・エンジンを搭載（換装の可能性大）。

●今回取材でお世話になったのは……「株式会社 加藤製作所」
「KATO」ブランドの大手クレーンメーカーが加藤製作所だ。その創業は1895年。あと少しで創業130年を迎えようという歴史ある「はたらくくるま」のメーカーだ。鉄道用モーターカーに始まり、内燃機関車、トラクター、ショベルなどを幅広く手掛けてきた。中でも主力となるクレーン車（ラフテレーンクレーン）においては、国内トップを争う存在だ。


取材したのは加藤製作所の茨城工場。茨城県五霞町にある建設用クレーンの主力工場だ。

エンブレムは「KATO」の「K」。街中で見かけるクレーン車の半分ほどが「KATO」製だ。