ピニンファリーナの最新作が日本上陸
ピニンファリーナは、2024年5月10日に東京のイタリア大使館で「バッティスタ」と「B95」をローンチしました。最高出力1900ps/最大トルク2340Nmという驚異のスペックを誇る電動ハイパーカーは、すべてが桁違いの仕様。その全貌に迫ります。
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ランチア フロリダから着想を得たモデル
カロッツエリアの名門・ピニンファリーナの最新作「バッティスタ」がついに日本に上陸した。ピニンファリーナは1930年にカロッツェリアとして創業し、2024年に95周年を迎える。1951年にはフェラーリとのパートナーシップを構築。さらに1955年からは本格的に自動車の生産ができる工場をトリノ郊外のグルリアスコに建設、ここからボディ生産メーカーへと躍進をした。
しかし、自動車メーカーがカロッツェリアへの依存度を引き下げる時代へ移るとカロッェリアの業態自体が衰退し、ピニンファリーナも2015年にインドのマヒンドラグループに買収されて現在に至る。そしてマヒンドラ傘下となった2018年に子会社としてラグジュアリーなBEVを生産する「アウトモビリ・ピニンファリーナ」を創設。本社をドイツのミュンヘンに置き、ここから「バッティスタ」が誕生するのだ。
誕生は今から5年前の2019年に遡り、当時ジュネーブショーにその姿を現した。クロアチアのリーマックから供給を受ける120kWhのバッテリーを用い、4輪にモーターを配し、最高出力1900ps/最大トルク2340Nmを発揮する超ハイパフォーマンスのいわゆるハイパーカーである。恐るべき加速力は0-100km/h加速でわずか1.86秒というから、想像を絶する。
今回日本にやってきたモデルは、「バッティスタ チンクァンタチンクェ」(55を意味する)と呼ばれるモデルだ。1955年に誕生したピニンファリーナの名作、ランチア「フロリダ」から着想を得たモデルで、白のルーフに青のボディカラーのカラーリングは当時のフロリダと同じものである。ちなみにこのクルマ、わずか3台しか作られなかった幻のクルマともいえるもので、創業者であったバッティスタ・ファリーナのプライベートカーでもあった。
レザーはポルトローナ・フラウの特注品
そして、バッティスタの独特な風合いを持つインテリアのレザーは、マハゴニと呼ばれるポルトローナ・フラウの特注品。かつてのランチア フロリダに使われていたシートの質感や色を再現している。
「バッティスタ・ チンクァンタチンクェの生産は150台限定です。日本市場に導入する台数に関してはまだ未知数ですね」
と、ピニンファリーナを取り扱うスカイグループ、ムーブ株式会社海外事業部のゼネラルマネージャーの柳原拓郎氏は話す。
そして今回はもう1台、「B95」がお披露目された。イタリア語でオープンモデルを意味するバルケッタの頭文字と親会社であるピニンファリーナが2025年に創業95周年を迎えることを表すもので、生産台数はわずか10台。イタリア・カンビアーノの工場で手作業により製作され、すべてのモデルが顧客の要望を取り入れたいわゆるビスポークで作られるという。
また、コクピット前に装備される小さなスクリーンはヴィンテージ航空機から着想を得た調整可能なエアロスクリーンとなっており、これについては世界初の特許を取得済みだという。前出の柳原氏いわく、こちらについては日本の顧客次第で導入するか否かが決まるといい、正式な値段はまだ決まっていない。
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