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試乗 メルセデス・ベンツCLA220d 大正解の方程式 英国一番人気の2ℓディーゼル

掲載 更新
試乗 メルセデス・ベンツCLA220d 大正解の方程式 英国一番人気の2ℓディーゼル

もくじ

どんなクルマ?
ー Aクラスとは見かけだけでなく走りも別物
どんな感じ?
ー ハッチバックとクーペとのみっつの違い
ー 先進機能の完成度が玉に瑕
「買い」か?
ー Aクラスの中では大正解の方程式
スペック
ー メルセデス・ベンツCLA220dのスペック

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どんなクルマ?

Aクラスとは見かけだけでなく走りも別物

CLAがどんなクルマかひとことで表現するなら、Aクラスとは別物、というフレーズが的確かもしれない。

もちろん、プラットフォームはメルセデス・ベンツ製の最新ハッチバック、Aクラスと同じものだし、エンジンやトランスミッション、その他のコンポーネンツもAクラスのものと共有している部分は多い。アピアランスは写真のとおり、Aクラスとは異なるモデルに見えると思うが、運転した印象までも異なるとは、なかなか想像しにくい事実だろう。

英国には今年の夏に5種類のガソリンエンジン仕様が登場する事になり、注文を受け付け始めている。 CLA180とCLA200には、ともに1.3ℓターボユニットが搭載され、CLA220とCLA220 4マティック、CLA250には2.0ℓユニットを搭載。すべてのクルマに7速デュアルクラッチ・トランスミッションが組み合わされる。

読者の中には気にしないひともいるかも知れないが、メルセデス・ベンツ製のエンジンはCLA220やCLA250に搭載される2.0ℓユニットのみ。1.3ℓターボユニットは、ルノー・日産・三菱アライアンスのものとなっている。CLA250には4輪駆道の4マティックも存在するが、英国には上陸しない模様。先週発表されたAMG CLA35と明確な差が設けられないからだろう。

今回のレビューで取り上げるのは、前回のCLA220に続いて、ディーゼルエンジン仕様のCLA220d。英国ではガソリン仕様からやや遅れて導入される予定になっている。排ガス不正操作「ディーゼル・ゲート」や環境規制などの影響でディーゼルエンジンは逆境ともいえる状況ながら、新モデルでも高い人気を得るパワーユニットとなるだろう。ちなみに1.5ℓのCLA180dも存在するが、英国には導入予定はない。

前回のガソリンユニットに引き続きとなるが、仕上がりの良さを確かめてみたい。

どんな感じ?

ハッチバックとクーペとのみっつの違い

AクラスとCLAには、シャシーに大きくみっつの違いがある。ひとつ目は、グレードを問わずCLAのリアサスペンションはマルチリンク式となること。Aクラスには、他のハッチバックでも一般的な洗練性で劣るトーションビーム式が採用されている。

ふたつ目はトレッド値がハッチバックよりも広げられていること。フロントで63mm、リアで55mmもタイヤが外側に取り付けられ、より確かな足取りを可能にしている。みっつ目は、CLAには専用チューニングのサスペンションが設定されていること。スプリングやダンパー、アンチロールバーは、オリジナルのAクラスよりもスポーティな味付けに整えられている。

さらに新しいCLAには、ルックスに負けないハイテクと高い品質が備わっている。特に今回われわれが試乗したクルマはトップグレードのもので、メルセデス・ベンツのモデル・ヒエラルキーでみた場合は一番底辺にあるモデルながら、装備はとても充実していた。

車内は開放的で初代CLAよりも全方向で空間も大きくなっている。だが、ヨーロッパ圏の体格だと、大人4名で乗車すると、狭くはないが広々というわけではない。ダッシュボードにはAクラスと同じ先進的なMBUXオペレーティングシステムを採用したインフォテインメント・システムがレイアウトされ、アップルのシリやグーグルのアレクサなどと同等の音声認識システム「ヘイ・メルセデス」も実装される。

先進機能の完成度が玉に瑕

高精細のTFT液晶モニターはタッチ式で見やすく操作もしやすいが、音声認識システム自体の動作はいまひとつ。3台のクルマに順番に試乗したが、どれも会話としては成り立たかなった、というのが本音。

またCLAには様々な安全運転支援技術も搭載されており、路肩の縁石に近づきすぎるとステアリングホイールを振動させて警告してくれるし、ドライバーが判断ミスをした場合などでは、被害を軽減するためにブレーキも作動する。われわれはこの機能は高く評価するものの、動作自体はやや過敏すぎるように感じた。

せっかくの機能をオフにもできるが、デフォルトでは作動する設定になっており、動作させないためにはエンジンを始動させるたびにオフにする必要がある。クルマの安全性を高めるということと、ドライバーの操作を優先させてクルマを走らせることとのバランスが重要だと思うが、CLAの場合はまだ最適な状態にはなっていないようだ。

これ以外、CLAの完成度は極めて高い。むしろ、ほぼ理想の仕上がりだ。ディーゼルエンジンは力強く、フィーリングも充分に洗練されているし、トランスミッションの変速も素早く完了する。だがそれ以上に際立つのが、シャシー性能。落ち着いた挙動とグリップ、快適な乗り心地に良好なステアリングのレスポンスなどは、標準のAクラスには備わっていないもの。もちろん、例えAMG A35であっても。

「買い」か?

Aクラスの中では大正解の方程式

クーペの美しいアピアランスと4ドアの優れた実用性とのコンビネーションは、極めて高い訴求力を持っている。これほどの完成した方程式に並べるモデルは、驚くほどに少ない。

このエクステリアデザインが気に入り、やや勇み足気味のエレクトロニクスを気にしないのなら、CLAは日常的に利用するクルマとしても相当高い実力を備えているだけでなく、得られる満足感も大きいはず。

Aクラスのアーキテクチャで成り立つクルマとしては、AMGモデル以外で初めて、優れたドライビングを味わわせてくれるクルマでもある。CLAのシャシーに施された改良は大正解と呼べる結果を生んでいる。Aクラス・ファミリーのすべてに、同じ展開がなされることを期待してしまう仕上がりなのだ。

メルセデス・ベンツCLA220dのスペック

■価格 未定
■全長×全幅×全高 4549×1796×1446mm
■最高速度 244km/h
0-100km/h加速 7.1秒
■燃費 -
■CO2排出量 -
■乾燥重量 -
■パワートレイン 直列4気筒1950ccターボ
■使用燃料 軽油
■最高出力 189ps/3800rpm
■最大トルク 40.7kg-m/1600rpm
■ギアボックス 7速デュアルクラッチ・オートマティック

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