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【未来のクラシックを探せ】トヨタGRスープラに、クラシックカー専門誌の編集長が試乗

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【未来のクラシックを探せ】トヨタGRスープラに、クラシックカー専門誌の編集長が試乗

戦略的提携の産物

text:Alastair Clements(アラステア・クレメンツ)

【画像】トヨタGRスープラ 全245枚

image:Max Edleston(マックス・エドルストン)

新型スープラは、もうすでにクラシックのように感じられるかもしれない。この第5世代モデルが誕生するまで、長い年月が経っているからだ。

そして2019年、ついにトヨタとBMWの戦略的提携によって、新型スープラは世に出た。皮肉な見方をすれば、「戦略的提携」という言葉は「バッジ・エンジニアリング」と言い換えることができる。

その仕様書は、1978年に登場した歴代スープラから受け継がれている。フロントに搭載する直列6気筒エンジンによる後輪駆動。だが、クーペ型ボディの下は、実質的には最新型BMW Z4と共通だ。

A80スープラ+FT-HSコンセプト

外から見ても、それはわからないだろう。外観はトヨタ車以外の何物でもないからだ。シャープで、アグレッシブで、個性的なラインは、明らかに先代であるA80型スープラを思わせる。そこに、2007年のニューヨーク国際オートショーで発表されたFT-HSコンセプト(覚えているだろうか?)のデザイン要素が組み合わされている。

しかし、車内に乗り込むとすぐにBMWの記憶が蘇ってくる。全体的なレイアウトもスイッチの類も、一足先にデビューしたZ4で見たことがあるものだ。とはいえ、ダブル・バブル形状のクローズド・ルーフによって、雰囲気は異なっている。

Z4より硬派なマシン

Z4には、ポルシェ・ボクスターあたりと比べると、ややもすると軟派な選択という評判があるのに対し、スープラはもっと専心的で硬派なマシンに感じられる。乗り心地は固く、かなりうるさいが、チャレンジングな道では大いに運転に熱中できる。少なくとも秋の路面が濡れた道路では、極めて活発だった。

ほんの少し挑発するだけでテールは跳ね回るが、怖さを感じることはほとんどない。シートは後輪の真上に座っている気がするほど後方にあり、背中と尻を通して車体の動きが実に良く伝わってくるからだ。

やや残念なステアリングと素晴らしいドライブトレイン

残念なことに、やや感覚が鈍いステアリングはそれほど饒舌に情報を伝えてこない。十分にクイックで、適度な重さを感じさせるが、確実なフィードバックに欠けるのだ。BMW製の大きなステアリングホイールにも、その原因があるのかもしれない。その後ろに備わるギアシフト・パドルも、BMWからそのまま流用したものだ。

もっとも、見事な8速オートマティック・ギアボックス自体の働きに何ら不平があるわけではない。素早くシフトダウンすると、力強いターボチャージド3.0L直列6気筒は、トルクで引っ張るラガーから、張り詰めた甲高いスクリーマーに変わる。パワーはレッドゾーンが始まる7000回転まで、素晴らしくリニアに湧き上がっていく。

たとえBMWの着せ替えだとしても、それはまったく問題にならないことがすぐに明らかになった。クラシックカーの世界で、バッジ・エンジニアリングは偉大な伝統の1つだ。Z4からスープラに着替えたことによって、非常に特別な何かがもたらされたのだ。

日本のハードコアなGTの伝統を受け継ぐ

夕方の遅い時間に、わたしはお気に入りの道を通って帰宅した。低いフロントガラスを通して、長く突き出したノーズが見える。あたりが暗くなったため、バイエルンから借りてきたインテリアは見えなくなる。

すると、このスープラが、日産240Zやトヨタ自身の2000GTなど、日本のハードコアなGTから、偉大な伝統を受け継いでいることがはっきりとわかった。

いわゆる一般的なグランツーリスモよりもスポーティでエキサイティングだが、高い実用性や使い勝手のよさもしっかりと備えている。

要するに、新型スープラは待った甲斐があったということだ。

スペック

エンジン:2998cc直列6気筒ターボ
最高出力:340ps/5000~6000rpm
最大トルク:50.9kg-m/1600~4500rpm
トランスミッション:8速オート
駆動方式:後輪駆動
最高速度:250km/h(リミッター作動)
燃料消費率:12.2km/L
価格:5万4000ポンド(約764万円)

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みんなのコメント

1件
  • 試乗させて頂き、乗り味は好きでしたがスタイリングが…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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